押本龍一－私の出会う光景－第238回：ラニヨン・キャニオン・トレイル / Runyon Canyon Trail

押本龍一、東京品川生まれ。
1982年、2年の留学予定で渡米。1984年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更し広告写真スタジオで働き始める。1991年フォトグラファーとして独立。1995年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移しエンターテインメント関係の撮影中心に活動。2018年より日本とアメリカの二重生活。近年は旅写真にも力を入れている。

オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/

女性が両手をひろげて朝日を浴びていた光景を大口径望遠ズームレンズで切り取る。ここは東にハリウッドサインが見える展望とアクセスの良さで人気のトレイルだ。

夜明け前、映画等で多々登場するマルホランド・ドライブ（Mulholland Drive）の東端から西へ少し上り、ハリウッドにある野外音楽堂であるハリウッド・ボウルが見下ろせる展望台（Jerome C. Daniel Overlook above the Hollywood Bowl）に到着した。この展望台は朝6時から夕方の6時までオープンし、昼間から夕方は駐車するのに苦労するが、私が到着した6時5分過ぎは一台の車だけが停まっていた。展望台まで上り、日の出を待っているとその車からドイツより旅行で来ているという3人の若者が展望台に上って来た。その後は、日の出を撮っている間に一人の老人が展望台に現れる、静かな朝だった。

東の空が白白と明るくなり、撮影の聖地のシンボルであるハリウッドサインが薄っすらと見えた。三脚使用。

ハリウッドで迎える日の出。この街のエネルギーを感じた瞬間を気持ちよく切り取る。

ちょっと霞んでいたが、スモッグが多いロサンゼルスのダウンタウンにしてはよく見えた方だ。

東から昇った太陽の光が、高さ14m、幅110mに渡るハリウッドサインに届きはじめた。

展望台があるマルホランド・ドライブは、サンタモニカ山脈東部を走る道路で、ロサンゼルスの土木技術者の先駆者であるウィリアム・マルホランドにちなんで名付けられ、ロサンゼルスからベンチュラ郡西部の区間はマルホランド・ハイウェイと呼ばれている。日の出を撮った後、私はマルホランド・ドライブから西へ1,200mほどのラニヨン・キャニオン・トレイルの北口まで移動した。駐車場には既に何台も車が停まっていた。ラニヨン・キャニオン・トレイルはハリウッド・ヒルズにある傾斜の激しい短いトレイルで、この日は一番上から途中まで下ってから、一旦ルートを変えてから戻る比較的楽な歩きにした。

ラニヨン・キャニオン・トレイルの北口から東側のトレイルを歩き始めてすぐ広がる風景。

歩きはじめてしばらくは舗装された道が続く。地図上でこの区間は、ラニヨン・キャニオン・ロードと表記されている。

トレイルから東の方角を見る。日が昇るとハリウッドサインがはっきり見え、朝の爽やかな空気感が撮れた。

登って来た人と下りて来た人が出会う中腹付近。

急斜面を登って来た人はほとんどの人がここから引き返していた。

トレイルには犬が多く、どの犬もしつけが良くオフリーシュだ。

こんなに眺めの良い広場がハリウッド・ヒルズにあることを今まで知らなかった。

東側のトレイルは、下のほうでも朝日がよく当たっていた。

西側のトレイルを見下ろす。道沿いには車がびっしり停まっている。

西側の景色。もうひとつの西のトレイルとセンチュリーシティー、サンタモニカ、太平洋が霞んで見える。

西のトレイルの一番高い部分まで登る人々。

私は東側のトレイルから引き返し、駐車場の手前で西のトレイルへ渡って中腹まで少し下ってから駐車場へ戻った。

東のトレイルを引き返す途中で見かけた小さなストーンサークル。ストーンサークルを一回りしたが、光が横から差すこのアングルが一番綺麗に見えた。

西のトレイルへ渡り、一旦下って登って行く。

変化に富む西のトレイルは、森の中へ下りて行くような階段もあった。

西のトレイルの一番高い場所まで来た。犬は東のトレイルのほうが多かった。

西のトレイルから南西方向を見る。

西のトレイルを北へ戻る。

ダウンタウンをバックに写真を撮る人。

西のトレイルのほうが変化に富んでいて長い木製の階段もあり、ハイカーの配置を考えて横位置に構えていたカメラを素早く縦位置にして撮影した。

この日は、展望台で三脚を使用した写真もあったが、トレイルでは三脚なしでカメラとF2.8通しの広角・標準・望遠ズームレンズ3本を持ち歩いた。下から登るとしてもこの日の気候ならこの機材で行けたと思う。もし、夏の炎天下だったら、下から登って来た人々を見ているとかなりきつそうだったので、APS-Cサイズの高倍率ズームレンズであるSIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM | Contemporary、又は、SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM | Contemporaryのどちらか一本を持ち、登りに専念すると思う。

※ このページに掲載された作品は、RAWデータ（X3F）を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。