![第145回:レッドロック・キャニオン州立公園](../shared/img/titile-145.jpg)
カメラマンが大きな砂漠の崖にレンズを向けている。ロサンゼルスのダウンタウンから約200kmの距離にあるレッドロック・キャニオン州立公園は、その名の通り赤い岩の渓谷に囲まれている。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:35mm
カリフォルニア州観光局のサイトに幾つかの州立公園が紹介されているが、その中にレッドロック・キャニオン州立公園があることを最近発見した。イースタン・シエラやデスバレーへ向かう途中、少しだけ立ち寄ったことはあったが、トレイルを歩き周辺を散策したことがなかった私は、快晴の土曜日の朝、レッドロック・キャニオン州立公園だけを目的に自宅を出た。長距離を走るときはかならず休憩をするモハビの町で給油だけして、そこからハイウェイ14号を30分ほど北上し州立公園に到着する。
夏場の気温は40℃近くまで上がるモハビはダウンジャケットが必要なぐらい冷え込み、貨物列車と風力発電の風景は夏と変わらないが、遠くの山々は薄っすら雪を被っていた。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:20mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:9.22MB
州立公園内に到着すると建築物のような見事な柱が刻まれた砂漠の壁が出迎えてくれる。
使用機材:SIGMA dp0 Quattro | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160 秒 | 絞り値:F11 | 焦点距離:14mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 x 3616 | ファイルサイズ:25.68MB
葉を落としたコットンウッドの白っぽい枝が、青い空を背景に眩しいぐらいの存在感があった。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:24mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:14.37MB
シエラネバダ山脈南端とエルパソ山地に囲まれた州立公園は、面積10,926ヘクタールと大きい。しかし、そのほとんどは四輪駆動車でなければ入って行けないことをビジターセンターで知らされた。私はビジターセンター近くに位置するキャンプ場を一回りしたが、色鮮やかな変化に富んだ地形はキャンプ場にいるだけでその迫力を十分体感できる。この辺りは長い間ネイティブアメリカンの貿易ルートだった。19世紀後半は、デスバレーからモハビの鉄道まで18頭のロバと2頭の馬からなる馬車でホウ砂を運ぶチーム(20mule team)の水の補給地点で、そのルートの目印としても重要な場所だったことは赤い崖を見れば納得できる。
キャンプ場の入り口付近にある砂岩の小山。派手な色はないが激しく刻まれた岩肌は魅力の被写体だ。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F11 | 焦点距離:24mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:15.15MB
周囲を岩山に囲まれたキャンプ場の真ん中にサイトはなく、ジョシュアツリーやユッカが生息している。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160 秒 | 絞り値:F9.0 | 焦点距離:50mm
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丘に登ってキャンプ場を見渡すと、非常にワイルドな環境にいることが分かる。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F9.0 | 焦点距離:20mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:20.78MB
ほとんどのサイトは岩の壁を背にして、風や強烈な日差しを防ぐことができる。
使用機材:SIGMA dp0 Quattro | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F11 | 焦点距離:14mm
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周囲の砂漠地帯にあって一際目立つ地形は、現在、保護された古生物学のサイトや19世紀の終わりに掘り起こされた鉱山跡が残されている。私は多くの映画が撮影された公園のメイントレイルであるヘーゲン・キャニオン・トレイルを歩いた。スタート地点には説明書きが立っているが、トレイルのポイントには何のサインもなく名がついた砂岩は簡単に見過ごしてしまう。しかし、石柱が刻まれた大きな砂岩の崖は見逃すことはなく、滑りやすい砂の丘を登り近づいた。
砂漠地帯と砂岩。カメラマンが丘の上から岩壁を狙っていた。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:32mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:22.91MB
「ラクダの岩」と名付けられた岩も危うく見逃すところだった。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:20mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:14.36MB
雨が降ると鉄砲水が流れ出しそうな渓谷。枯れていても草があるのは水が流れ出る証拠だ。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:24mm
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崖の上から渓谷を見下ろすと、水が流れていく光景が想像できる。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:21mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:12.91MB
高さ2mほどのキノコのような岩は彫刻作品のように見え、増えてきた雲がいい感じの背景になってくれた。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:21mm
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崖に刻まれた何本もの柱は見事と言うしかなく、ここを訪れる人々の目を釘付けにするはずだ。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:25mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:22.22MB
崖に近づいてみると白い小さな塔のかたまりが岩壁の前にあった。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:20mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:19.51MB
見事に刻まれた崖のディテールに迫り切り取る。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:180mm
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水のないクリークに沿って下り崖を見上げる。砂、岩、崖あり映画等にとても絵になる風景だ。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F11 | 焦点距離:8mm
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ヘーゲン・キャニオン・トレイルを歩いた後、ハイウェイを渡り「Red Cliffs」と呼ばれる崖の前へ移動した。大きな崖はハイウェイ14号を北上して来ると車からもよく見え、公園公式サイトの最初のページにも掲載されているので何度か立ち寄ったことはあったが、じっくりと観察したことは今までなかった。
100m近い高さの「Red Cliffs」は公園内で最も人気があり有名な崖。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:20mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:15.95MB
「Red Cliffs」は迫力があり美しい。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:20mm
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「Red Cliffs」から公園の北部へ移動することにしたが、快晴だった朝からは想像できない雨雲が出てきた。ハイウェイ14号を北上しダート道「Red Rock-Inyokern Rd」に入る。北上しいったん公園の外に出てから細い道を南東へ走り、ビジターセンターでもらった地図上に記されている見晴らしのいい場所「Overlook」まで行ってみた。公園の外になるが東の方へ行けば鉱山跡もあったが、砂漠地帯のダート道は雨が降ると走行不可能になる危険性が高いので「Overlook」から引き返してハイウェイに戻り、雨風が強くなってきたので家路についた。
「Turk's Turban」と名づけられた岩。トレイルを歩いている時は見つけられなかったが、公園の北部に移動するときにハイウェイから発見した。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:35mm
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雨雲で光を失った「Overlook」から。南の空は晴れていた。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:50mm
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公園北部の風景。北の山は雲に覆われ雨がぱらついてきた。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160 秒 | 絞り値:F4.5 | 焦点距離:50mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:12.65MB
雨が降るジョシュアツリーが点在する砂漠地帯からモハビの風力発電の風車の群れを撮る。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM | Sports | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500 秒 | 絞り値:F3.2 | 焦点距離:235mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:7.48MB
赤い崖、渓谷、奇妙な形をした砂岩や塔があるレッドロック・キャニオン州立公園は、ドイツから移民したロドルフ・ヘーゲンが鉱山を発掘する目的でこの地を購入し、現在のキャンプ場にバーや宿泊施設をつくりこの地を知らしめた。彼の死後、家族によって所有され1969年に州立公園となった。地層がむき出しになったこの辺り一帯は大きな湖に覆われていた時代があり、地殻の変動や突起が繰り返されて今の地形になった。観光局のサイトによると、崖の堆積層には、先史時代の動物、現在の馬の先祖であるミオヒップス、ネコ科の食肉獣である剣歯虎(けんしこ)やアリゲータートカゲなどの残骸が見られ、古生物学者も集まるという。今まで通り過ぎるだけの場所だった赤い岩の渓谷は、まだまだ見どころがあり奥が深いようだ。
※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。