押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、広告写真スタジオで働き始める。91年フォトグラファーとして独立。95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。エンターテインメント関係の撮影中心。近年はライフワークである旅写真に力を入れている。趣味は旅と山歩き。
オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8mm
毎年10月になると、イースタン・シエラの秋の色が気になる。私は去年訪れたマギー・クリーク・キャニオンへ向かった。今年は黄葉しているアスペンの森を越え、標高約3,200mのビッグ・マギー・レイクまで登るつもりだ。海岸近くに住んでいるので、標高が高い土地に体を慣らすため、前夜に標高2,350mのトレイルヘッドに到着した。LAから休憩を取らずに500㎞をドライブして来た私は、夜11時過ぎに到着しすぐに眠りについた。この時季は氷点下になってもおかしくないが、この夜の冷え込みは3シーズン用の寝袋でも耐えられ、まずまずの睡眠を車内で取ることができた。駐車場にもう1台車が停まっていたが、まったく物音がしないので、私が到着する前に山へ入った本格的な登山者の車のようだった。朝、日の出が近づくと数台の車が現れたが、山の中に入るのではなくトレイルヘッド周辺の黄葉見物に来た人々だった。私は、カメラ2台とレンズ5本、それに水とスナックを入れたカメラバックを背負い三脚を肩で担ぎ、朝6時40分にトレイルを歩き出した。
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/25 秒 | 絞り値:F4.0 | 焦点距離:18mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:16.03MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/20 秒 | 絞り値:F4.0 | 焦点距離:19mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:13.14MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/60 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:20.02MB
トレイルヘッドから約1.6km西へ緩やかに登るとジョン・ミューア・ウィルダネスに入った。去年はここまで登り、陽が届かなくなって引き返したが、この朝は黄葉したアスペンの森の中を歩きさらに先へ進んだ。トレイルヘッドから2.4kmほど登った辺り、バルドウイン・キャニオンとのジャンクションでトレイルは南へ向かった。
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/60 秒 | 絞り値:F7.1 | 焦点距離:18mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:26.60MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/30 秒 | 絞り値:F7.1 | 焦点距離:24mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:31.92MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:100mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
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使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/60 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:20.21MB
トレイルを登って行くと、常に左手にあったクリークを渡り、黄葉するアスペンの中をゆっくりと登っている私を男性が追い越して行く。この日トレイルに出てからはじめて会う人間の歩きは軽快で、山に慣れているようだった。トレイルからクリークをよく見ると、ビーバーがクリークに作ったダムがあり、水の流れがほとんどないビーバー湖になっている。私はキャンプにも最適と思われる平らな場所を湖岸で見つけ、そこで休憩を取った。目指すビッグ・マギー・レイクまで半分の距離しか登っていなかったが、軽い頭痛を感じた。登りはじめて3時間、黄葉狙いのハイキングならここまで登れば十分だったが、私は登れる所まで行くつもりで先へ向かった。
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:50mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:32.38MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM | Contemporary | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:160 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:300mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:16.60MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:31mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:33.28MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/400 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:100mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:28.02MB
ビーバー湖から少し進むと2本の丸太の橋を渡り、再びクリークを横切った。今まで緩やかだったトレイルは急な登りが続き、むき出しになった花崗岩は行く手を阻む壁のように見え、体は重く感じ心臓がバクバクしてきて、登るペースが一気に落ちた。急な斜面を登り切ると比較的平坦な土地に出て、土の代わりに大きな岩の上を歩く所も多くなった。私は岩の上で人が歩いた形跡を見失い、しばらくトレイルから逸れて迷ってしまい、その結果小さな湖に出会った。その後何とかトレイルに戻ることができたが、一旦は諦めて引き返えそうかと思った。
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:18mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:20.81MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:20.14MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:35mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:27.35MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:18mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:21.45MB
トレイルに何とか戻り、また急な傾斜を登って行くと、私を追い越して行った男性がビッグ・マギー・レイクまで登って下りて来た。「湖まではあと30分ぐらい」と私に告げたが、「私はその倍の時間かかると思いますよ」と軽装の男性に言った。急な登りの後、夏には山野草が美しいに違いないメドウに出た。周辺の景色からそのすぐ先に湖があるのかと思ったが、メドウを過ぎても地形的になかなか見えて来なかった。湖が見えたのは湖面よりだいぶ上に登った地点からで、少し損をした気がした。私はトレイルから少し逸れて湖がよく見える所まで下り、岩の上から数枚の写真を撮った。
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:18mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:22.58MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:18mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:21.01MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:19.76MB
標高2,350mトレイルヘッドから標高約3,200mの湖が見下ろせる場所まで、約11kmの山登りは7時間以上を要した。静まり返った湖にさわやかな風が吹いていた。風が吹いて来る山に向かい、さらに奥へ登るには山中で寝泊まりをする装備が必要だ。シエラネバダ山脈の中でも最も古い地層で氷河の侵食作用でつくられた山奥には氷河湖がいくつも存在しているので、ビッグ・マギー・レイクがまだ序の口に思えた。日没前にトレイルヘッドに戻りたかった私は、湖岸まで下りずに下山することにした。下りは息も上がらず、登りよりほぼ倍のペースで歩いた。
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:20.47MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:23mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:23.75MB
かなりのペースで下ったつもりだったが、渓谷は暗くなるのが早く、トレイルヘッドに戻る前に陽光を失った。私には自宅までの500kmをドライブするエネルギーが残っていなかった。下山した後、 ハイウェイ395号を南へ走り、アメリカ本土最高峰(標高4,418m)のマウント・ホイットニーの東に位置するレストエリアで車泊をした。翌朝、日の出を待っていると、西の山の上部が赤く染まりはじめた。空は厚い雲に覆われていたが、一瞬だけ、雲の間からわずかな朝陽が漏れて山の上部に届いたのだ。僅か1分足らずの光景だった。その後、太陽が顔を出すことなく、日の出は見られなかった。
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320 秒 | 絞り値:F3.5 | 焦点距離:100mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:19.91MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F3.5 | 焦点距離:57mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:14.17MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F3.5 | 焦点距離:18mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
ファイルサイズ:17.64MB
使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F3.5 | 焦点距離:100mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:5424 × 3616
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イースタン・シエラの黄葉を通り抜けさらに奥の山へ登ってみたが、次回は山野草がきれいな初夏にもう少し奥深くまで登ってみたい。それには宿泊道具を担ぐ必要があるからカメラ機材を少し落とさないといけない。同行してくれる人がいれば、機材を減らさずに行動範囲を広げられるだろう。目的は登山ではないので悩むところだが、こんなことを考えるのも撮影旅行の楽しみのひとつかもしれない。いずれにしても足腰は常に鍛えておきたいものだ。
※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。