使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:24mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4128 × 6192
ファイルサイズ:14.37MB
押本龍一、東京品川生まれ。
1982年、2年の留学予定で渡米。1984年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更し広告写真スタジオで働き始める。1991年フォトグラファーとして独立。1995年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移しエンターテインメント関係の撮影中心に活動。2018年より日本とアメリカの二重生活。近年は旅写真にも力を入れている。
オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/60 秒 | 絞り値:F1.6 | 焦点距離:40mm
6年半前、群発地震のため非常事態宣言が発令されたカリフォルニア州南部の街ブローリー(Brawley)で目覚め、日の出を撮りたくて外に出てみると空は雲に覆われ、東の空からいつ太陽が昇ったのか分からないすっきりとしない朝だった。1月初旬、私は広大な農作地帯から西南へ走りメキシコとの国境沿いへ向かうことにした。
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/500 秒 | 絞り値:F4.0 | 焦点距離:38mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:9.00MB
日の出を迎えたブローリーから90kmほど西南へ走り、ジャカンバ・ホット・スプリングスにあるトレイル(Valley of the Moon trailhead)のスタート地点に到着した。メキシコとの国境が近いこのトレイルは荒涼とした砂漠地帯を歩き、ロッククライミングに適した巨岩がある以外何の特徴もないが、車の運転が続き運動不足気味だったので少し体を動かしたくなり立ち寄ったのだった。しかし、トレイルを歩き始めてすぐに雨が降り出し、景色も単調で誰にも会わない寂しさもあり、私はこれ以上歩く価値なしと判断し巨岩までたどり着く前に車へ引き返した。
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:51mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:44.85MB
トレイルから戻った後、タウンの中心地へ向かう途中に国境の壁が見えた。多くの予想を覆し、共和党のドナルド・トランプが第45代アメリカ合衆国大統領に選出されたのは2016年11月8日。私はその2日前にこのタウンを訪れ、丘の上から広大な土地に続く国境の壁を眺めて「膨大な費用かかっているなー」と独り言を言った。それから2年後、更に壁を築くための予算決めでアメリカ政府が大混乱になるとはその時思いもしなかった。
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/160 秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:105mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:16.25MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:168mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:22.97MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F1.6 | 焦点距離:40mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:12.86MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-35mm F2 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:28mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:20.01MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-35mm F2 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:24mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:25.85MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-35mm F2 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:24mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:23.11MB
タウンで唯一と思われるレストランで朝と昼兼用の食事を摂った後、一旦は西のカンポというタウンへ向かった。その途中、木造建てとしては世界最大といわれる鉄橋へ通じ、今は廃線となったはずの線路を思い出し、ジャカンバへ再び戻り線路に出て鉄橋へ向かって少し歩いた。分岐点まで歩きそこから右へ折れ、置き去りにされた列車の周辺を散策し列車の内部にも入ってみる。小雨が降ったり止んだりで、午後からは本格的な雨との予報もありそこから引き返した。鉄橋まではトンネルを幾つも通り抜け、崩落して入れないトンネルは岩がゴロゴロと転がる山を登り、丸一日がかりの歩きになるのでそれなりの準備と覚悟が必要だが、近い将来鉄橋まで歩いてみたい。
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-35mm F2 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:33mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:20.66MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:40mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:27.64MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/3200秒 | 絞り値:F1.4 | 焦点距離:40mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:16.42MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/200秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:24mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:15.76MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/80秒 | 絞り値:F4.0 | 焦点距離:24mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:12.82MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 24-35mm F2 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:35mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:26.69MB
線路からは6年前にも訪れたパシフィック・クレスト・トレイル(通称PCT)の南端に立ち寄った。以前は私の周りの人にPCTのことを話しても知る人は少なかったが、2014年にはPCT(全長4,270 km)のある区間1,600kmを単独で歩く女性の映画も公開され、雑誌等の特集もありPCTは多くの人が知るようになった。通常、メキシコと国境沿いからカナダとの国境まで4,270 kmを4ヶ月から6ヶ月で北上する。ワンシーズンで歩き切ることをスルー・ハイキング(thru-hiking)と呼び、その道中には幾つかの険しい山越えも含まれる過酷なロングトレイルだ。
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:14mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:20.80MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F7.1 | 焦点距離:106mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:26.44MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/640 秒 | 絞り値:F1.4 | 焦点距離:40mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:12.42MB
使用機材:SIGMA sd Quattro H + SIGMA 40mm F1.4 DG HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:曇り | シャッター速度:1/400 秒 | 絞り値:F2.0 | 焦点距離:40mm | ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:6192 × 4128
ファイルサイズ:17.67MB
この日の朝目覚めると誰かに誘導されるように国境沿へ南下しPCTの南端に立っていた。そこから国境沿いの旅を続けるにはサンディエゴまで西へ向かうのが自然だったが、PCTの南端から17kmほど西のテカテ(Tecate)まで来ると、目の前にある国境ゲートを弾みで超えてしまった。国境ゲートで何のチェックもなく入ったメキシコは天気が悪く暗くなり始めていた。私はすぐにアメリカへ戻りたいと思い、「ここからアメリカに戻るのに一番いい方法は?」とメキシコ人の女性係官に尋ねた。「テカテではアメリカからメキシコへ入るゲートとメキシコからアメリカへ入るゲートが離れていて、この日アメリカへ入る車でテカテのゲートは大渋滞だからティファナの方がはやくていい」と女性係官言うので、私は西へ走った。ティファナ市内までは何の問題もなく近づけたが、サン・イシドロ国境検問所の手前数キロで前になかなか進めなくなり、渋滞する車(ほとんどはアメリカ側からの観光客)を目当てにフードやドリンク、土産品、車のワイパーまで様々な物を売るメキシコ人が沢山いて出店もあり、車道は縁日のようにとても賑やかだった。
テカテでメキシコ人の女性係官のアドバイスは正しかったかどうかは分からない。1時間もあればアメリカへ戻れると思ったが、結局2時間半かかった。計画性のない国境沿いの旅はメキシコまで渡りティファナからサンディエゴへ入って終わった。入国審査はあったが簡単なものだった。今、グーグルで「Wall」と検索すれば、トランプ大統領とメキシコ国境との壁のイメージが最初に出てくる。私を国境沿いに誘い、PCTの南端に立たせ、国境を超えてメキシコまで行かせた力は何だったのだろうか、不思議な旅だった。
※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。