数日前の雨が原因だろうか。トンネルの手前にはかなり大きな岩も転がっていた。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 30mm F1.4 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/400 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 × 4704 | ファイルサイズ:13.37MB
押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、広告写真スタジオで働き始める。91年フォトグラファーとして独立。95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。エンターテインメント関係の撮影中心。近年はライフワークである旅写真に力を入れている。趣味は旅と山歩き。
オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/
標高1,437mのインスピレーション・ポイントには幾つかの場所へ向けてサイティング・チューブ(Sighting Tub)が設置され、晴れた日には100km先のサンタカタリナ島もはっきりと見える展望台だ。しかし、この日空には薄っすらと雲がかかり、残念ながら遠くの景色は霞んで見えなかった。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F10 | 焦点距離:8mm
ロサンゼルスは9月後半になっても暑い日が続き、山岳地帯では山火事が起きているにも拘らず、私はロサンゼルスとモハーベ砂漠の間を東西に横切るサン・ガブリエル山地へ向った。朝のラッシュが一段落したロサンゼルスのダウンタウンを超えて北上し、エンジェル・クレスト・ハイウェイからマウント・ウイルソン・レッドボックス・ロードを経て、登山口・イースト・サドルに到着する。利用者が多いと聞く登山口には1台の車だけが停まっていた。標高は1,558m、下から上って来ても気温の変化はほとんどなく、暑さを覚悟し水を多めに入れた水筒を持ち、アップダウンの少ないマウント・ロー・ロードを歩きはじめる。
落石等の危険を知らせる警告サインが立つ登山口。正面に見える標高1,750mのマウント・マーカムは、大きくはないが形の整った山だ。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:18mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:9.29MB
歩きはじめて最初のコーナーを曲がると落石を修復した跡があった。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200 秒 | 絞り値:F11 | 焦点距離:18mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:13.47MB
登山口から歩きはじめてすぐにトレイルは右へ直角に曲がり、緩やかなカーブをしながら左へ大きく曲がりトンネルが見えてくる。トンネルの手前には落石がありかなり大きな岩もあった。トンネル内に入ると空気はひんやりとし、自分の歩く足音だけが聞えるトンネルは実際の長さより長く感じた。
トンネル内に入る前、コンクリートに刻まれた文字を見上げる。モノクロームにしてコンクリートの質感を強調。USFSは米国森林局(The United States Forest Service)の略。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM | Contemporary | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:70mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:10.35MB
長さは50mぐらいだと思うが、実際より長く感じたトンネルを振り返る。色のない世界をモノクロームにして、色調は温黒調を選択。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/60 秒 | 絞り値:F3.5 | 焦点距離:18mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:11.02MB
トンネルを出てからトレイルは緩やかな下りが続き、うすい雲がかかっていたが陽射しは強く、顔にまとわりつく小さなハエを手で払いながら汗まみれになって歩く。登山口まで来るのに数台の車とすれ違ったが、トレイルにハイカーの姿は見かけない。
いたる所に落石があり、ぶつかったら命がないと思うぐらいの大きな岩もあった。フィルムグレインの粗さと大きさを上げ、落石の存在感を強調した。フィルム時代には手間の掛かったことが容易に出きる不思議さを感じる。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/640 秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:25mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:15.87MB
マウント・ローへのウエスト・トレイルのサインは、元々白くペイントされていたのだろうか。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/640 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:18mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:12.57MB
ほとんど錆びていて赤くなったマウント・ローへのイースト・トレイルのサイン。大口径標準ズームで背景を適度にぼかす。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:18mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:12.89MB
マウント・ロー・ロードからミューア・ピーク・ロードを経て、サイティング・チューブに興味があった標高1,437mのインスピレーション・ポイントに到着する。19世紀の終わり、インスピレーション・ポイントから南西に位置するエコ・マウントにリゾートホテルがオープンし、ホテルまではケーブルカーで登れ、そこからインスピレーション・ポイントまでさらにレールを敷く計画があったが、実現されることはなかった。ホテルは数度の火事と豪雨で倒壊し、その後リゾートホテルが建つことはなかったが、今日、周辺の山には多くのハイカーが訪れている。この日、展望台にはしばらくいたが誰にも会わなかった。もしかしたら山火事警報でも出ていたのかもしれない。
インスピレーション・ポイントに到着する頃、空は雲で覆われた。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/800 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:18mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:12.88MB
レールを敷く計画を偲んで置かれたのだろうか。もし実現されても傾斜のきついこの地では事故が絶えなかったかもしれない。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:35mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:12.08MB
遠くの景色は霞んでいたが、誰もいない静かなインスピレーション・ポイントは居心地が良かった。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F10 | 焦点距離:8mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:10.75MB
スモッグも影響してか、インスピレーション・ポイントからの眺めはかなり霞んでいた。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM | Contemporary | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:50mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:6.90MB
到る所で見かけたトカゲは素早く動き回っていたが、インスピレーション・ポイントにいたトカゲは、動かず景色を見下ろしているように見えた。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320 秒 | 絞り値:F7.1 | 焦点距離:105mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:9.32MB
インスピレーション・ポイントは気持ちのいい風が吹き居心地が良かったが、雲がだんだん厚くなって風が強くなり、雷雨がきてもおかしくない雲行きになってきたので、帰りはかなり急いで歩いた。帰りのトレイルでも行きと同様に誰にも会わず、往復11kmと少しのトレイルではまったくの独りだった。
レールを敷く計画があり、かつて宿泊施設があったアルパイン・タバーンへのサイン。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 30mm F1.4 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:8.71MB
20戸のコテージがあった場所は、今は人影はない。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 30mm F1.4 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F4.5 | 焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:13.50MB
斜面が崩れ落ちユッカがトレイルの行く手を阻む。落石は焦げていたので山火事の影響だろうか。彩度を落とすと焦げた岩の存在感が増した。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 30mm F1.4 DC HSM | Art | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160 秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:16.68MB
トレイルから土砂崩れが見える谷底を覗きこむ。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:12.01MB
登山口付近で見かけた鹿はこの日見た一番大きな生き物だった。
使用機材:SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 × 3136 | ファイルサイズ:12.01MB
もともとオーク・マウンテンという名前だったサン・ガブリエル山地南部の山は、山頂までレールを敷こうと計画したタデウス・ロー(Thaddeus S.C. Lowe)のためにマウント・ローと改名された。 この日、帰り道は雲がだんだんと厚くなってきて雷を伴う雨も心配だったので、マウント・ローへは登らなかったが、マウント・ローの頂上からの眺めは良く、サイティング・チューブも設置されているようだ。タデウス・ローのリゾートホテルとマウント・ロー鉄道に興味があるなら、もっと山の下から登る必要がありそうだ。
※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。