第55回:サンフランシスコからハイウェイ1を北上する(後編)
押本 龍一

押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、広告写真スタジオで働き始める。91年フォトグラファーとして独立。95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。エンターテインメント関係の撮影中心。近年はライフワークである旅写真に力を入れている。趣味は旅と山歩き。

オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/

第55回:サンフランシスコからハイウェイ1を北上する(後編)

サンフランシスコからハイウェイ1を50マイル(80km)ほど北上し、ハイウェイからすこし離れて海岸に向って走ると、西に沈みかけた陽の光に眩しく輝く太平洋、草を追い求めて移動する羊の姿を見る。北カリフォルニア海岸線の穏やかな光景に、大口径望遠ズームレンズを向けると気持ちも穏やかになる。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:200 mm

71,028エーカー(287.44km²)と広大なポイント・レイズ国定海岸公園(Point Reyes National Seashore)からハイウェイ1に戻り、少し北上すると長細いトマレス湾(Tomales Bay)沿いに出る。湾の水面は陽の光りに反射して眩しく、長くは見ていられない。西に傾いた陽の光りが、アラスカ湾から流れて来た冷たい空気を和らげる。予報では一日中雨だったこの日の夕方、陽の有り難さを感じる。

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トマレス湾に多くのヨットが浮んでいた。道沿いで湾を眺めながらカキを食べる店は閉まっていたが、暖かくなるとカウンター席に座り、夕陽を眺める人々の笑顔が目に浮かぶ。

使用機材:SIGMA SD1 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/640秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:50 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:9.08 MB

トマレス湾から離れると、ハイウェイ1は、湾に流れ込む川沿いを走り川を横切り、小高い丘の間を上がってゆく。「海から少し離れたな」と感じはじめたころ、タウン、トマレスに到着する。タウンからは海に繋がる道(Dillon Beach Road)を西へ走り、牛や羊が自由に動き回る緩やかな丘を走りビーチに行き着く。海を見る人の姿はなく、明日の天気を予想させる灰色の雲が西の空を覆いはじめた。

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ボーデーガ湾(Bodega Bay)沿いのディロン・ビーチ(Dillon Beach)。絵に描いたような夕焼けは見られなかった。

使用機材:SIGMA DP2x | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | フラッシュ:発光 | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:24.2 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:2640 x 1760 | ファイルサイズ:3.46 MB

西の空が雲で覆われたビーチからタウン、トマレスに戻ると、小さなホテルのロビーの灯りが優しく呼びかけてくる。荷を降ろし靴を脱いで早くから赤を開け、ゴロリとしたくなる気持を抑えハイウェイ1を北上する。日没前に陽が雲に隠れ、いつの間にか暗くなっていた道を走り、東に向う道に出くわすとUSハイウェイ101沿いまで一気に走る。USハイウェイを少し南下すると最初に見えたモーテルに飛び込む。この晩の寝床にと、心が惹かれたタウン、トマレスを離れて2時間半後だった。私は、雨の予報の翌日、USハイウェイ101を南下して帰路に就こうと考えていた。翌朝、朝食付きモーテルの典型的な朝食をフロントと一緒になっているフロアーで取り、部屋に戻る途中、テラスでタバコをふかす50歳代の女性が、「今日も雨の予報だけど、まだ雨が降ってこないですね、降ると思います?」と話しかけてきた。空は灰色の雲で覆われていたが、雨はまだ降っていなかった。「昨日は外れたけど、今日も予報が外れて欲しいですね」と返えすと、この日も予報が外れるかもしれないとの想いが芽生え、ハイウェイ1に向った。緩やかな丘を走りハイウェイ1に戻ると西へ走り、ボーデーガ湾北端の小さな岬、ドラン・ビーチ(Doran Beach)に立ち寄る。間もなく冷たい雨が降りはじめ、サーフボートを積んだカップルが、車の中から、霞んだ湾を眺めていた。

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よく整備されたキャンプ場(Doran Campground)には、数台のキャンピングカーが停まっていた。ビーチ沿いのシャワーからは水が垂れ、冷たい風に水滴が揺れていたシーズンオフのビーチの光景を、デジタル専用大口径標準レンズで切りとる。

使用機材:SIGMA SD1 + 30mm F1.4 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F4.0 | 焦点距離:30 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:6.98 MB

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小さな岬のキャンプ場の朝。捨てられた貝の周りに鳥が集まる光景を、大口径中望遠レンズで捉える。

使用機材:SIGMA SD1 + 85mm F1.4 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F5.0 | 焦点距離:85 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:9.72 MB

いくつかの岬は海岸線に大小の湾をつくり、ボーデーガ岬(Bodega Head)に護られた小さな湾に見えるボーデーガ港(Bodega Harbor)もそのひとつで、周辺にはレストランやキャンプ場があり、賑わう夏場を想像するのは容易だった。しかし、冬の雨の日、地図上では、Harborと記されている小さな湾沿いに人影はないに等しく、取り壊されずに朽ちてゆく桟橋を見ていると、夏はまだまだ先だと感じる。

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雨が本降りとなったボーデーガ港で古い桟橋を見かける。傘を差し苔が生えた桟橋の上を恐る恐る歩く。これ以上前に進みたくない場所で立ち止りシャッターを押すと、シャープなシャッター音が雨の湾に消えてゆく。

使用機材:SIGMA SD1 + 85mm F1.4 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:オート | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:85 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:10.03 MB

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ペイントの剥げかかった傾いたサイン、取り壊されずに残っている古い桟橋。ゆっくりと静かに流れる時を感じながら、内蔵ストロボを発光すると、いっとき、時間を止められたような気がする。

使用機材:SIGMA SD1 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:26 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:9.23 MB

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引き潮なので桟橋の下まで歩いて行くことが出来た。遠くに見えるレジャー用ヨットとは対照的に、その役目を終えた桟橋の下に立ち尽くし、ゆっくりと過ぎてゆく時の傍観者になる。

使用機材:SIGMA SD1 + 30mm F1.4 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:30 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:6.92 MB

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船の一部分だろうか。引き潮で現れた小さな貝のようなものが沢山付いていたその物体に、中望遠マクロレンズを向けると、朽ちゆく桟橋もこの物体も時の流れを共有しているように思えてくる。

使用機材:SIGMA SD1 + MACRO 70mm F2.8 EX DG | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/100秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:70 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:6.60 MB

小さな湾(ボーデーガ港)から少し北上し、太平洋に注いでいるサーモン・クリーク(Salmon Creek)を渡るころ雨は上がった。クリークは海に注ぎ、クリークと海との境目がよく識別できない砂浜にはカモメが群がっていた。

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淡水と海水が混ざり合うビーチから大きな鳴き声が聞えてくるカモメの群れに、高倍率超望遠ズームレンズをいっぱいに伸ばして撮影する。コントラストと彩度を落とし、静かな冬の海岸を描写。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:フラッシュ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:500 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:5.98 MB

サーモン・クリークから北の海岸線には大きな岩が現れ、雲が切れ陽の光りも差しはじめた。

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押し寄せる白い波を背景に、影絵のような黒い鳥が海岸線の岩に留まっていた。鳥はチシマウガラス(Red-faced Cormorant)だろうか?

使用機材:SIGMA SD1 + APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/800秒 | 絞り値:F7.1 | 焦点距離:450 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:7.60 MB

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天気予報が外れ、海岸線に陽が差しはじめる。

使用機材:SIGMA DP2x | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:24.2 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:2640 x 1760 | ファイルサイズ:3.94 MB

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雨雲がどこかに飛んで行ってすっかり快晴になったビーチを歩くと、「やった-」という意味に使うサイン(Thumbs up)を想わせる岩に出会う。砂浜に膝を付いて撮影をすると、迫って来た海水に膝から下が浸かる。

使用機材:SIGMA SD1 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:8 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:8.38 MB

さらに北上し、ある資料に、海岸の一部は継続的な海と風の侵食により年間1~3フィート(30~90cm)ほどの土地が失われているとあるソノマコースト州立ビーチ(Sonoma Coast State Beach)の海岸線に来ると快晴となった。

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ハイウェイ1から少し離れた沿岸からアーチ・ロック(Arched Rock)を眺める。太平洋からの海風も陽射しも強かった。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:フラッシュ | シャッター速度:1/2500秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:147 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:26.23 MB

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ゴート・ロック・ビーチ(Goat Rock Beach)に下りて、ビーチから海に突き出た小さな島のようなゴート・ロック(Goat Rock)まで歩いた。遠くに見えるのはアーチ・ロック(Arched Rock)。

使用機材:SIGMA SD1 + 18-200mm F3.5-6.3 II DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/640秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:39 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:7.55 MB

ゴート・ロック・ビーチからハイウェイ1に戻り、少し北に走るとロシアン・リバー(Russian River)に架けられたよく舗装された橋を渡る。

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川の(Russian River)河口付近のビーチ。雨の朝からは想像できなかった眩しい海に大口径望遠ズームレンズを向け、高速シャッターで飛び交うカモメたちを捉える。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 120-300mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/2500秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:300 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:19.50 MB

ロシアン・リバーからは、快晴となった海岸線に気分もよく北上し、走る速度も上がる。

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海岸線にはなだらかな平地が広がり、大きな牧場のフェンスがハイウェイ1沿いに続いている。

使用機材:SIGMA DP2x | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:24.2 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:2640 x 1760 | ファイルサイズ:3.76 MB

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北カリフォルニアの海岸線の美しい風景のひとつ。羊の群れと太平洋。ほぼ逆光の西の海に向かいシャッターを押す。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:200 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:11.75 MB

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海岸から少し離れて走ると林の間も走り、海の近くを走っている感覚がなくなる。

使用機材:SIGMA SD1 + 30mm F1.4 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:30 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:10.16 MB

飛び交うカモメたちを捉えたロシアン・リバーの河口から約36マイル(58km)北上するとグワララ川(Gualala River)を渡り、メンドーチーノ・カウンティー(Mendocino County)に入った。

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淡水と海水が混ざっている河口付近に下りると小さな飛行機を見つけた。童心に戻り、夕陽が眩しい西の空へ「飛んで行けー」と、心の中で叫んでシャッターを押す。

使用機材:SIGMA SD1 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F10.0 | 焦点距離:17 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:4.78 MB

グワララ川から北上するとハイウェイ1は海岸から少し離れて走り、林ののなかを通り抜けて海が見える開けた土地に出ると、陽が西の水平線にもうすぐ沈むところだった。強い海風を受けながら、西の水平線へ沈んでゆく陽に向ってひとり歩く。

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太陽に向かいレンズを向ける。

使用機材:SIGMA SD1 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:23 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:7.81 MB

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カメラを三脚に固定し、スローシャッターで海岸の光景を収める。

使用機材:SIGMA SD1 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1.3秒 | 絞り値:F22.0 | 焦点距離:30 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:6.60 MB

水平線に少し雲がかかり、沈んでゆく陽は雲に滲んだように見えた。ポストカードの写真のようなパーフェクトなサンセットではなかったが、霞んだ湾を眺めていたカップルを見た冷たい雨の朝、同じ日に夕陽が見られるとは想わなかったので満足だった。砂漠の旅で乾燥した空気に疲れていた私は、潤った空気を求め、悪天候の予報にもかかわらずサンフランシスコからハイウェイ1を北上する旅に出た。たとえ一日中雨でも建物の軒下や木の下から写真を撮るつもりでいたので、傘をほとんどささずにここまで来れた私は、最高の天候に恵まれたように感じ、海岸線を後にした。

※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。

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