第50回:モハべ(Mojave)からリッジクレスト(Ridgecrest)へ 保護された野生の馬とロバに会う
押本 龍一

押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、広告写真スタジオで働き始める。91年フォトグラファーとして独立。95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。エンターテインメント関係の撮影中心。近年はライフワークである旅写真に力を入れている。趣味は旅と山歩き。

オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/

第50回:モハべ(Mojave)からリッジクレスト(Ridgecrest)へ 保護された野生の馬とロバに会う

マスタング(MUSTANG)が地面に転がり、砂煙が舞い上がる。四方を山に囲まれた野生の馬とロバの保護施設に、傾いた夕方の陽光がドラマチックな光景をつくりだす。大口径望遠ズームレンズを持ち、シルエットになったマスタングを柵越しに捉える。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:200 mm

ロサンゼルスからインターステート・フリーウェイ5(I-5)を北上し、ハイウェイ14号(SR14)に入り北へ走る。モハベの町まであと4マイル(6.4km)と迫ったところでハイウェイを降りる。デスバレーやシェラネバダ山脈へ向う途中の通過地点として捉えていたモハベの町、その周辺に立ち寄る気になったのは自分でも不思議だった。
ハイウェイを下に見ながら陸橋を渡り、シルバー・クイーン・ロード(Silver Queen Road)を西へ行く。道が左にカーブし、名前がモハベ・トロピコ・ロード(Mojave Tropico Road)に変わる辺りで、道から逸れて砂漠地帯に入り、少し走り車を停める。その名前から何となくこの地のイメージが沸きそうな舗装された道から離れ、荒野を独り歩きだし、人の背丈の倍以上のジョシュアツリーの背後に隠れるようにして、ウインドタービンを眺める。

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ウインドタービンを背景にしたモハベ砂漠の顔であるジョシュアツリー。ウインドタービンは、近づくと遠くで見たよりはるかに大きく圧迫感があり、この日はこれ以上近づきたくなかった。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1250秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:147 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:9.89 MB

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ダート道から舗装された道を再び引き返すといくつかのダート道があった。誰かの家に繋がる道だろうか。タイヤに白いペイントで書かれた文字が、砂漠地帯に目立っていた。

使用機材:SIGMA DP2x | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:24.2 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:1760x2640 | ファイルサイズ:5.30 MB

陸橋に戻りハイウェイを超えると、ハイウェイに並行した道が1本、その横に敷かれた線路には、終わりが見えない長い貨物列車が停まっていた。

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動き出す気配がなかった貨物列車。冬のモハベ、この日は気温は高くなかったが、陽の光りは強かった。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 120-300mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:300 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:9.69 MB

ハイウェイ14を北に少し走りモハベの町に到着すると、ハイウェイ沿いのファーストフード店でランチブレイクを取る以外、立ち止ったことがなかった町を少し散策する。

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私が見た野球場で、飛行場に最も近い野球場。鍵が閉まり、グランドには入れなかった。

使用機材:SIGMA SD1 + 18-200mm F3.5-6.3 II DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/800秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:29 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:9.48 MB

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ハイウェイ沿いのファーストフード店に立ち寄る車は多いが、町の中まで入って来る車はほとんどないモハベの町。テナントが入っているのか分からなかった1階建ての建物の前に、駐車する車はこのとき1台もなかった。

使用機材:SIGMA DP1x | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:16.6 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:2640x1760 | ファイルサイズ:4.00 MB

モハベの町を離れハイウェイ14を北に走り出すと、荒涼としたモハベ砂漠の風景が広がっている。ハイウェイ沿いに車を何度か停めて景色を眺める。長いレンズをつけたカメラを持ち、ハイウェイから東へ伸びた1本道の真ん中に立っていると、北から1台のピックアップトラックがハイウェイを走って来て、年配のドライバーが手を振りながら私の目の前をゆっくりと通り過ぎて行き、私も手を振った。

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夏場は暑くて車から外に出る気もしない砂漠地帯。冬のこの日、車をハイウェイ沿いにしばらく停めて、赤い色のストップサインに大口径中望遠レンズを向ける。

使用機材:SIGMA SD1 + 85mm F1.4 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:85 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:5.93 MB

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ハイウェイから東へ1本道が伸びていた。道の真ん中に立ち、どこまでも続いていそうな1本道に高倍率超望遠ズームレンズを向ける。道を少し東へ走ってみたが、道として景色はここからの方が良かった。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/800秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:500 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136x4704 | ファイルサイズ:8.48 MB

ハイウェイをさらに北に走り、ビジターセンター(JAWBONE STATION VISITORS CENTER)に立ち寄ると、60歳前後の女性が笑顔で出迎えてくれた。壁に野生の馬のポスターが貼ってあり、この辺りで野生の馬が見られるのか尋ねると、野生の馬とロバの保護施設の存在を教えてくれた。そして数枚のポスターを私に手渡した。ビジターセンターから数マイル北に進み、レッド・ロックキャニオン州立保養地(Red Rock Canyon State Recreation Area)に立ち寄る。ハイウェイ自体が保養地の中を走っているので何度か通過したことはあったが、実際に足を踏み入れて歩いたことはなかった。この日、ビジターセンターは閉まっていて、キャンプ場内を一回りして保養地を後にした。

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ひとつのサイトが大きくテントを張りたくなったキャンプ場にテントはなかった。

使用機材:SIGMA SD1 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/400秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:11 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:11.63 MB

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広いキャンプ場に、大自然を独り占めする1台のモーターホームが停まっていた。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:180 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136x4704 | ファイルサイズ:10.54 MB

私は、野生の馬とロバの保護施設を目指し、ハイウェイ14から州道178(West Inyokern Road)を東へ向った。小さな空港を通り過ぎると、数軒の店が建ち並ぶ集落に出る。レストランと車の修理屋は営業していたが、他の店は営業しているのか閉まっているのか、外からではよく分からなかった。

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州道178(West Inyokern Road)を走ると小さな空港(Inyokern Airport)の横を通り過ぎる。空港のサイズと同じように、空港の入り口のサインも小さかった。大口径望遠マクロレンズで、青い空に飛び出しそうな白い飛行機のサインを切りとる。

使用機材:SIGMA SD1 + APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:150 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:6.16 MB

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空港を過ぎてすぐの州道178沿いには数軒の店が建っていたが、人影はなかった。小さな店が繋がっている軒先は、映画のセットの様だった。

使用機材:SIGMA DP1x | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:16.6 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:1760x2640 | ファイルサイズ:4.64 MB

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3時を少し過ぎたばかりだったが、傾きかけた陽の光りが、軒下にいても眩しく顔に当る。斜め前に見えるレストランに停まる車以外、人の気配を感じない。

使用機材:SIGMA SD1 + 18-200mm F3.5-6.3 II DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/640秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:18 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136x4704 | ファイルサイズ:11.60 MB

初めて通るリッジクレストは、思った以上に大きな街だった。ガソリンスタンドで給油をし、店員の若者に野生の馬が見られる保護施設の場所を尋ねると、知らないと言った。ビジターセンターで、「リッジクレストを超えると、州道178沿いからすぐ見えるし、馬の匂いがするからすぐ見つかりますよ」と言われていたので、この街の人なら誰でも保護施設の存在を知っていると思っていた。ガソリンスタンドに客としていたカウボーイハットが似合う年配の男性に尋ねてみると、「BLMのことかい?ここから4マイルほど行くとあるよ、ほら向こうの方さ」と言って、人差し指を東の方へ指した。『BLMとは、BUREAU OF LAND MANAGEMENT(土地管理局)の意』
保護施設の側まで来てもハイウェイから馬の匂いはしなかった。施設内に車ごと入り、人の気配がない事務所らしき小さな建物の前に車を停め、ほこりっぽい土地の上に立つと、赤っぽいシャツを着た若い男が馬に乗って、馬小屋の裏の方に行って見えなくなった。馬小屋に歩いて行くと男は馬から降りたところだった。「野生の馬ですか?」と尋ねると、「友人の馬を調教しているだけですよ」と答えた。ビジターセンターで、野生の馬やロバをアダプトできると聞いていた私は、1頭どのくらいするのか訊いてみると、125ドルだと彼は言った。私は以外に安いと思った。敷地内からいったん出ると、柵の周りから野生の馬とロバが見られると彼は教えてくれた。

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施設内に入ると、干し草が積まれ、遠くにマスタングが見えた。一日10トンの干し草が必要だとサイトに書かれていた。

使用機材:SIGMA DP2x | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:24.2 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:2640x1760 | ファイルサイズ:5.03 MB

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「この友人の馬は怖がりだから、これ以上近づかないで」と、最近ハワイから移り住んできた彼は言った。

使用機材:SIGMA SD1 + 18-200mm F3.5-6.3 II DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:22 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:13.36 MB

施設から出てダート道を走ると、柵に囲まれた保護施設に馬とロバの姿がよく見えた。車は土ぼこりが立つので柵の周りを歩いた。柵に近づくと馬が私の方へ集まってきた。太陽が地平線に沈んでゆき、周囲の山も地面も、そして、馬とロバも赤く染まった。野生の馬とロバの保護施設(Ridgecrest Regional Wild Horse & Burro Corrals)は、西はシェラネバダ(Sierra Nevada)、北はコーソ(Coso)、東はアーガス(Argus Range)、南はエル・パソ(El Paso Mountains)と、四方を山に囲まれている荒野にある。57acres(0.2307平方キロメートル)の施設の敷地には、南カリフォルニア、ネバダ、アリゾナから運ばれてきた野生の馬やロバが、現在、約900頭保護されている。施設に運ばれてくると、予防接種、血液検査、虫の駆除、凍結烙印を済ませ、引取り主を待つことになる。
大抵の資料は、「北アメリカ大陸はウマ科の発祥の地だが、最終氷期(およそ7万年前から1万年前まで)後に絶滅し、現在、野生の馬(マスタング)と呼んでいるものはスペイン人が持ち込んだ馬が野生化したもの。マスタング(MUSTANG)とは馬の品種名でなく、スペイン語の(MESTENGO)に由来し、迷子になった、主人のいない家畜を意味する」と、説明している。

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西の地平線に沈みゆく陽の光りが眩しかった。馬と柵の影に隠れて撮影。

使用機材:SIGMA SD1 + 18-200mm F3.5-6.3 II DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:18 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:10.99 MB

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柵は高く、カメラを持つ右手伸ばし、ファインダーを見ずにシャッターを押す。

使用機材:SIGMA SD1 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F7.1 | 焦点距離:13 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:10.13 MB

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夕方の色に染まった山を背景に、さっき話した若い男が施設の外に出て馬に乗っている姿が柵の向こうに見えた。怯えていた彼の友人の馬かどうか分からなかったが、アメリカ西部の光景だった。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/400秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:200 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:10.73 MB

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私に気が付くと、柵に近づいてくる馬たち。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:モノクローム | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:91 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:7.31 MB

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与える餌のない私に何を思っていたのだろうか。柵越しに大きな馬の目にフォーカスする。

使用機材:SIGMA SD1 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/800秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:86 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704x3136 | ファイルサイズ:7.32 MB

陽が沈むと、この先東へ行っても宿泊施設はなさそうなので、通過したリッジクレストの街に戻った。道沿いにモーテルは何軒も建ち、この夜の寝床は何の苦労もなしに見つかった。インド人と思われる60歳前後のオーナーの男性は、「Don't Worry, Be Happy」と、何度も何度も言いながら部屋の鍵を私に手渡した。私は、何か心配そうな顔でもしていたのだろうか?と思いながら部屋に入ったが、彼のただの口癖だったのかもしれない。

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朝、宿泊したモーテルのドアを開けると、この日の快晴が約束された朝だった。隣の部屋に泊まった労働者風の男が朝食から戻って来て、こちらを見た。

使用機材:SIGMA DP1x | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:16.6 mm

ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:1760x2640 | ファイルサイズ:4.43 MB

翌朝、いつもなら日の出前に宿を出る私は、朝陽が昇ってもしばらくメールのやり取りで部屋にいた。部屋のドアを開けて外に出ると、とっくに一日が始まっていた。まだ決まらない予定があり、これからネットも携帯電話も繋がらない可能性がある地域へ向うことに少し躊躇していたが、モーテルのオーナーの「Don't Worry, Be Happy」という言葉を思い出し、何も心配せず東へ向った。

※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。

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