使用機材:SIGMA SD15 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:400 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F2.8 | 焦点距離:147 mm
押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、広告写真スタジオで働き始める。
91年フォトグラファーとして独立。95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。エンターテインメント関係の撮影中心。近年はライフワークである旅写真に力を入れている。趣味は旅と山歩き。
オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/
使用機材:SIGMA SD15 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F4.5 | 焦点距離:50 mm
4月2週目の夕方、北カリフォルニアにあるシスキュー・レイク(Siskiyou Lake)の湖畔に建つロッジに到着すると、灰色の空から細かい雪が落ちてきた。静まり返った寒いその夜、私は暖房がよく効いた部屋でぐっすりと眠った。翌朝早くに目が覚め、まだ暗い外に出てみると、前夜からぱらついていた雪で地面は薄っすらと白くなっていた。私はロッジから凍結した道をゆっくりと車を運転し、シャスタの町まで行った。氷点下をかなり下回ると思われる凍った町に人影はなく、晴れた日にはすぐそばに見えるシャスタ山の姿は全く見えない。車から外に出て少し歩くと、寒さで体が震える。
使用機材:SIGMA DP2s | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ |
シャッター速度:1/6秒 | 絞り値:F3.2 | 焦点距離:24.2 mm
ロッジに戻り朝食を食べると体が温まり、うとうと眠くなった。目を閉じて椅子に座っていると、木々の間から陽の光が差し込んできて、ほんの少し前の嵐のような天候がうそのように、周囲は急に明るくなった。私は再びロッジを出て、サクラメント川の源流に向かった。
苔が生えた岩の下から湧き出る水は、ただ澄んでいるだけでなくとても美味しい。冷たい水が喉を通ると、全身の細胞が生き変わるような気がした。
使用機材:SIGMA SD15 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/10秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:8 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/80秒 | 絞り値:F3.5 | 焦点距離:28 mm
水を飲んで元気が出た私は、ビジターセンターに寄った。明るく元気のいい女性パークレンジャーは、まだ多くの場所が雪のためアクセス不能で、行ける場所は限られていると告げたが、この日、私の最も行きたかった場所で、シャスタ山の登山口のひとつであるバーニー・フラット(The Bunny Flat Trailhead)までの道がオープンしているのを確認した。小さなシャスタの町を通りぬけエバレット・メモリアルハイウェイ(The Everitt Memorial Highway)を上り始めるとすぐに、道は雪の壁に覆われる。流れの早い雲の合間から強い陽の光が差し、白い雪がまぶしい。道の日陰は、昨夜降った雪がまだ凍結していて慎重に車を運転する。
バーニー・フラットに上り着くと、道は雪で閉ざされていた。雪の上に上がって歩いてみると、昨夜降った雪が柔らかいクッションとなり、歩くのがとても楽しい。陽の光が雪に反射し、まぶしく明るい世界は気温も上がった。前日のロングドライブで疲れていた体は、小さな子供に戻ったように軽く感じフワフワと雪の上を歩きまわる。
使用機材:SIGMA SD15 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:8 mm
シャスタ山を下り、朝には想像が出来なかった晴天のシャスタの町でランチを食べた後、南へ移動した。シャスタ山の周りは広範囲できれいな水が湧き出ている。シャスタの町から約7マイル(11km)南へ下ったダンズミュアー(Dunsmuir)にも美しい滝がいくつかある。私は、その内のひとつの滝(Hedge Creek Falls)で、清らかな水に包まれた。数年前の夏、この滝を訪れたときより流れ落ちる水量ははるかに多く、けっして大きくはない滝に迫力を感じた。
使用機材:SIGMA SD15 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:8 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:35 mm
ビジターセンターで勧められたキャスル湖(Castle Lake)にも出かけた。雪の壁で周辺の景色が見えない道を上って湖畔に着き、車を停めて急な雪の斜面を登ると、湖面が凍って雪が積った湖の前に出た。
使用機材:SIGMA SD15 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:17 mm
キャスル湖を下りると、日暮れが迫っていた。私は、宿泊先のロッジがあるシスキュー・レイク湖岸で日没まで過ごすことにした。
使用機材:SIGMA SD15 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:147 mm
使用機材:SIGMA SD15 + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/800秒 | 絞り値:F4.0 | 焦点距離:200 mm
使用機材:SIGMA DP2s | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ |
シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:24.2 mm
翌朝、シスキュー・レイクで日の出を待った。湖岸は寒かったが、前日の朝と比べると我慢できない寒さではなかった。東の空が少しずつ赤くなり、シャスタ山にも朝日が少し当たり始める。この日の天気予報は晴れのち曇り、いい天候が期待できそうだと思った直後、厚い雲が東の空を覆い始めた。
使用機材:SIGMA SD15 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/60秒 | 絞り値:F5.0 | 焦点距離:35 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/15秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:33 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:0.8秒 | 絞り値:F22.0 | 焦点距離:50 mm
曇が覆い、きれいな朝日が見られなかった私は、ハイウェイ89号線を東へ走り、マクラウド(McCloud)に移動すると、雲は突然なくなり青空になった。シャスタ山から見ると南に位置する平らな土地は、深くはないが一面雪で覆われていた。車を州道から少し入ったところに停めて雪の上を30分ほど歩き、マクラウドの滝(Lower McCloud Falls)まで歩く。
マクラウドの滝からは、インターステイト・フリーウェイ5を北上しハイウェイ97号線を北東に走り、シャスタ山の北側に移動する。プルート・ケーブと呼ばれる洞穴がある周辺来ると、青い空は消え曇り空になった。雪は全く見かけず、溶岩が転がる乾燥した土地には黄色い花も見かけ、何か不思議な感じがする。
使用機材:SIGMA SD15 + 18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:250 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:8 mm
すっかり曇り暗くなった空からは、雪が振り出してもおかしくはなかった。この日、夕焼けは期待できず、私はロッジに戻り早めの夕食を考えた。部屋に戻ると暗かった西の空から、少しだけ陽の光が差した。私はシャスタ山に向けて車を飛ばした。上に上がれば上がるほど、西の雲から漏れる光が強くなり、気がつくとバーニー・フラットまで一気に上っていた。シャスタ山の頂上は雲に覆われて見えなかったが、少し前までの曇り空が信じられないぐらい、厚い雲はどこかに消えていた。雪の上を再び歩くと、冷たくて清らかな風が山の上から吹き下りてきた。 「もう山を下りる時間だよ」と、風が言った気がした。私は風に包まれながら、薄く赤く染まった西の空を見ながらゆっくりと山を下った。
使用機材:SIGMA SD15 + 18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/100秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:21 mm
使用機材:SIGMA SD15 + APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:93 mm
※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。