使用機材:SIGMA SD15 |
17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/15秒 | 絞り値:F4.0 | 焦点距離:28 mm
押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、広告写真スタジオで働き始める。
91年フォトグラファーとして独立。95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。エンターテインメント関係の撮影中心。近年はライフワークである旅写真に力を入れている。趣味は旅と山歩き。
オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/
使用機材:SIGMA SD15 | 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 |
ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/30秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8 mm
ウィンターストームの影響でLAも寒い日が続いていた2月の中旬、昨年の暮れに猛毒であるヒ素を食べて生きる細菌の発見で話題になったモノ・レイクに向かった。
西に白い雪をかぶったシェラネバダ山脈、東に乾いた白いチャイナ レイク、その向こうにも白い雪の山々が見え、いつ走っても気持を大きくさせてくれるハイウェイ395号線をひたすら北へ走る。連休最後の日、スノーボードを積んだ何台もの車が南下して行くが、北上する車は数少ない。
使用機材:SIGMA SD15 | 70-300mm F4-5.6 DG OS | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 |
ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:70 mm
ビショップ(Bishop)を過ぎると道は上り坂になり、標高がどんどん高くなりモノ カウンティーに入るとハイウェイ沿いにも雪が積もり、北に来たと感じる。
使用機材:SIGMA DP2s | 24.2mm | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ |
シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:24.2 mm
雪景色の中、ハイウェイ395号線を北上すると、モノ・レイクの南、South Tufaへのサインが見えてくる。数年前の夏にこの湖を訪れていた私は、通り過ぎることなく州道120を東に入った。除雪車とすれ違い少し走るとモノ・レイクが見えてくる。駐車場に着き湖岸まで歩くと、日没まであまり時間は残されていなかった。夏に訪れたときは強い日差しで蒸し暑かったが、この日のモノ・レイクは、冬の寒空に雲がかかり、冷たい風が吹いていた。湖岸に着くと思ったより雪が少ない。塩分濃度が海の3倍と言われているが、その塩分が影響しているのだろうか。冷たい風に負けじと湖岸を動き回っていると、あっという間に日が暮れた。湖のすぐそばのタウン(Lee Vining)に到着すると、すでに真っ暗な夜だった。数年前の夏に泊まったモーテルは、雪の中に埋もれ閉まっていた。タウンで唯一のマーケットで簡単な夕食を買い、その隣のモーテルに宿泊をした。この夜、私の他に宿泊客は二組ほどで、静まり返った夜だった。
使用機材:SIGMA SD15 | 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 |
ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:8 mm
使用機材:SIGMA SD15 | 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 |
ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/15秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8 mm
気温は華氏3度(摂氏マイナス16度)と冷え込んだ翌朝5時半にモーテルを出る。モノ・レイクの石灰石から成るトゥファ・タワーは、多くの人を魅了している。特に写真愛好家には人気で、湖岸には2人の男がすでにカメラと共に日の出を求めて立っていた。トゥファ・タワーを入れた日の出の瞬間と、朝日に照らされたトゥファ・タワーと湖の表情を撮りたいと思い、良い場所をさがし湖岸を歩く。雪で覆われていたが、湖に近い部分はぬかるんでいた。靴の中は雪が侵入し、靴底は土がこびり付き重くなった。冷たい靴の中を我慢しながら、気に入った場所に三脚を立て、東の方を見ながら日の出を待つ。ふと、西の方を振り向くと、トゥファ・タワー越しに遠くに見える山に太陽の光が当たり始めていた。
使用機材:SIGMA SD15 | 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 |
ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/60秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:23 mm
使用機材:SIGMA SD15 | 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 |
ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/60秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:26 mm
太陽が昇り、湖に陽の光が届くと気温も少しだけ上がり、冷たく動かなかった指も動くようになり、シャッターを押すのが楽しくなる。トゥファ・タワーに朝日が当たると、そのおもしろい形がいっそう強調され、奇妙な惑星に迷い込んだ気がしてきた。
使用機材:SIGMA SD15 | 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 |
ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8 mm
使用機材:SIGMA DP1x | 16.6mm | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ |
シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:16.6 mm
使用機材:SIGMA SD15 | APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F7.1 | 焦点距離:203 mm
太陽が昇り2時間近く湖畔を動き回った私は、モーテルに戻り濡れた靴下を履き替え、チェックアウトを済ませた。マーケットでコーヒーを買い、モノ・レイクの北側にあるカントリーパークに車を走らせた。パークは雪に覆われ閉まっていたが、車を路肩に停め雪の中を歩いて行くことにした。パークの入り口付近と駐車場は、膝まで積もった雪でうまく歩けなかったが、湖岸に繋がる木の遊歩道にたどり着くと人が歩いた跡があり、そこからは簡単に湖に近づけた。
使用機材:SIGMA SD15 | APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:150 mm
使用機材:SIGMA SD15 | APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:150 mm
閉まっていたカントリーパークを歩き回った後、ハイウェイに戻る前に湖畔を見下ろしていると、1台の車が雪道に現れ、若者がスキーを履いて私の前を通り雪山を登って行った。
無駄と迷いのない若者の動きから、この土地の者だと思った。
使用機材:SIGMA SD15 | APO 120-300mm F2.8 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:209 mm
使用機材:SIGMA SD15 | APO 120-300mm F2.8 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1250秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:186 mm
雪に覆われたモノ・レイク周辺のアクセスは限られていた。西のヨセミテ国立公園までの道、タイオガ・パス・ロード(Tioga Pass Road)は、冬の間通行止めとなっていた。
私は行けるところまで走ってみたが、395号線からわずか数マイルほどで、道にはゲートが掛けられていて、すぐに引き返した。
使用機材:SIGMA DP2s | 24.2mm | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ |
シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:24.2 mm
使用機材:SIGMA DP1x | 16.6mm | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ |
シャッター速度:1/400秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:16.6 mm
午後になり、再びモノ・レイクに戻ってみると、朝の冷え込みがうそのように気温が上がっていた。私は湖畔のベンチにしばらく座り、76万年以上前に形成された言われる塩湖を眺めていた。そして、すぐに日没を迎えた。
使用機材:SIGMA SD15 | APO 120-300mm F2.8 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 |
ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:209 mm
使用機材:SIGMA DP1x | 16.6mm | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ |
シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:16.6 mm
湖の水が流れ出す出口がなく、塩分の濃度が増したモノ・レイクに存在する奇妙な形をした石灰石から成るトゥファは、水中で成長する。1941年から、湖に流れ込んでいる水をロサンゼルス市に流したことで、湖の水位が下がり生態系が崩れてしまった。現在は、水位を戻そうする活動で水位が少しずつ戻ってきている。今後、水位が上がり元の湖に戻ることが望まれている。トゥファが、湖水の中に姿を消してしまうことが自然なことで、私たちがレンズを向けられるのは、不自然なことかもしれない。
※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。