ロサンゼルスからインターステート・ハイウェイ5を北上し、ハイウェイ99に乗り継ぎ、ベーカースフィールド(Bakersfield)を経て、ビセーリア(Visalia)で198を少し東に走り、ビセーリアの町でハイウェイ198を出る。静かな街を通り抜け、州道63を北上し、小さなタウンを通りすぎ、大きなカリフォルニアの農場が広がっている風景を北に走る。シェラネバタ山脈に刻まれたキングス・キャニオンへ続く州道180(SR180)に突き当たると、右に曲がり東へ向かう。
道は山岳地帯に入って行く気配を感じさせる上り坂になり、夏の強い日差しが照りつけ、乾燥した山道をどんどん上がる。州道180は、キングス・キャニオン景観道路となり、キングス・キャニオン国立公園のエントランスに到着する。
使用機材:SIGMA SD15 + APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:50 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/500秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:150 mm
使用機材:SIGMA DP2s | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:50 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:24.2 mm
キングス・キャニオン国立公園に入るとすぐに道は、二股に分かれ、右に曲がると南のセコイア国立公園へ繋がっている。私は、左に曲がりSR180を北に少し進み、標高6500 ft(1980m)のグラント・グローブ・ビレッジ(Grant Grove Village)に到着した。ビジターセンターには、夏休みのため子供をたくさん見かける。私は、ビレッジ周辺にある3つのキャンプ場のひとつ(Azalea)に、テントを張った。独立記念日の週末明け、キャンプ場は空いていて、気に入ったサイトを決めるのに迷うほどだった。私は、今夜の寝床を確保した後、キャンプ場から数分の距離に位置するセコイア杉の森であるジェネラル・グラント・グローブ(General Grant Grove)に移動した。この巨木の森には、「この木がクリスマスツリーならいいのに」と言った女の子の言葉がきっかけになり、1926年に国のクリスマスツリーに認定された巨木、グラント将軍の木(The General Grant Tree)が生息している。この木の名前は、南北戦争中は将軍で、第18代アメリカ合衆国大統領でもあったユリシーズ・シンプソン・グラント(Ulysses Simpson Grant)に由来する。
使用機材:SIGMA SD15 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/100秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 18-50mm F2.8 EX DC MACRO | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/60秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:31 mm
使用機材:SIGMA SD15 + APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:50 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:150 mm
グラント・グローブで、ジャイアントセコイアを見た私は、州道180(キングス・キャニオン景観道路)を東に走った。目の前に迫る迫力のある景色が誰の管轄下であるか、私には余り関心がなかったが、地図で見ると景観道路の半分以上は、公園の管轄外になっていた。
数年前に訪れた5月のキングス・キャニオンは、雪も降り、空はグレーだったが、強い日差しのこの日、春の訪れが一月も遅かった渓谷の空には、元気な夏の雲が広がっていた。
景観道路は、下りながらキングス川に少しずつ近づいた。雪解け水が流れ込んだ川の流れは激しく、所々に川に入ることを禁じるサインを見る。公園のサイトには、「危険な川」と、赤い文字で書かれ、「この時期、川の水位は標準の3倍から4倍に達しているから注意するように」と書かれている。
使用機材:SIGMA SD15 + 18-50mm F2.8 EX DC MACRO | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:50 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:23 mm
使用機材:SIGMA SD15 + APO 70-200mm F2.8 II EX DG MACRO HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/2000秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:144 mm
川沿いを東に走るとさらに大きな水の音を発するグリズリー滝(Grizzly Falls)に立ち寄った。州道180を走る者のほとんどはこの滝に立ち寄るらしく、夏の暑さを一時忘れさせてくれる滝には人影ができていた。シダー・グローブ・ビジターセンターを通り過ぎると、もうひとつ、滝(Roaring River Falls)を見ることができた。エメラルドグリーンが美しいこの滝も、道からさほど離れていなく、近づきやすかった。滝を見てすぐ立ち去る人もいたが、岩陰に隠れてのんびりと休憩したくなるこの滝は、水の音に包まれ、なかなかその場から離れない人が多かった。
使用機材:SIGMA SD15 + 18-50mm F2.8 EX DC MACRO | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1000秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:31 mm
使用機材:SIGMA SD15 + APO 70-200mm F2.8 II EX DG MACRO HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/1250秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:135 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 18-50mm F2.8 EX DC MACRO | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/800秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:20 mm
2つの滝を見た後、さらに東に進み、美しい草地(Zumwalt Meadow)へ足を伸ばした。下流で見た川と比べると、止まって見えるほど穏やかな流れの川に、頑丈そうな橋が掛かっている。
その橋を渡り、よく整備された川沿いのトレールを歩き、湿地帯に囲まれた草地に到着すると、夕立もありそうなぐらい雲が多くなり、風も少し吹いてきた。しかし、しばらくすると、ふたたび青空が広がり、風も収まった。そこから景観道路を少し東に行くと、道は行き止まりになった。歩いてこの先の深い山の中に入る人のための大きな駐車場があったが、この日、車を数台しか見なかった。そこから私は、来た道を西に向かい引き返した。夕方になり、太陽の光を受ける渓谷の影は長くなり始めていた。
使用機材:SIGMA SD15 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/320秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/160秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:8 mm
使用機材:SIGMA SD15 + 18-50mm F2.8 EX DC MACRO | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/400秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:50 mm
景観道路から、ほとんど逸れずにいた私は、多くのジャイアントセコイアが生息していたが、1892から1918年の間にほとんどのジャイアントセコイアが切り倒されたコンバース・ベイズン・グローブ(Converse Basin Grove)の中に入ってみた。陽の光は刻々と弱くなり、土煙に車が包まれながらダート道を走って行くと、大きな切り株(stump)がたくさん存在するStump Meadow と呼ばれる草原にたどり着いた。巨木が切り倒され、残された大きな切り株があちらこちらに見える光景を、日没近い陽の光が、照らしている。大きな切り株と向かい合っていると、切り倒された当時の木を取り戻し、切り株の上に戻してあげられたらと、不可能な願望を抱いた。
使用機材:SIGMA SD15 + 18-50mm F2.8 EX DC MACRO | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:50 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125秒 | 絞り値:F6.3 | 焦点距離:18 mm
※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。
押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。
84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、
広告写真スタジオで働き始める。
91年フォトグラファーとして独立。
95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。
エンターテインメント関係の撮影中心。
近年はライフワークである旅写真に力を入れている。
趣味は旅と山歩き。
オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/