第170回:ピナクルズ・ナショナルパ−ク内のハイピークスへ
押本 龍一

押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、広告写真スタジオで働き始める。91年フォトグラファーとして独立。95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。エンターテインメント関係の撮影中心。近年はライフワークである旅写真に力を入れている。趣味は旅と山歩き。

オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/

第170回:ピナクルズ・ナショナルパ−ク内のハイピークスへ

ピナクルズ・ナショナルパークにあるハイピークスと呼ばれる尖峰(せんぽう)群を目指し、トレイルを登る。標高はさほど高くないが、まだ陽の光が届かないハイピークスは近づき難い存在感があった。

使用機材:SIGMA sd Quattro + SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/125 秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:8mm

ピナクルズ・ナショナルパークは、2013年にモニュメントからパークになった。まだナショナルモニュメントだった時、ハイピークスと呼ばれる尖峰(せんぽう)群へ公園の西側から登ったが、公園の東側から登るとハイピークスの真下を歩けることを最近知った。12月後半、私は東のエントランスから公園に入り、コンドル・ガルチ・トレイルを登りハイピークスを目指した。

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クリスマスまであと数日だった。ピナクルズ・ナショナルパークに入る手前、牧場の入口に見かけたクリスマスの飾り。冷え込んだ朝、一人旅には心が温まる光景だった。

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明るくなってきた空を背景に丘の上の牛達がシルエットになって、影絵のような光景だった。

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人影のない公園のキャンプ場。私を観察する鹿にフォーカスした。

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コンドル・ガルチ・トレイルを登る。東の空は雲に覆われ、陽の光がなかなか届かない。

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一羽のカリフォルニア・コンドルも見かけないコンドル・ガルチ・トレイルを登り、以前訪れた際に来た地点まで登ると、雲が切れ始めハイピークスに朝陽が届いた。目指すハイピークスを西に見ながら谷を挟んだ東の尾根を北へ向かって登る。コンドル・ガルチ・トレイルは、北の山に差し掛かるとハイピークス・トレイルに突き当たりそこから西へ歩いた。トレイルは下から見上げていた尖峰群の裏を歩く感じになり、舞台裏に来たような気がした。

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岩の上に乗り、登って来た谷底を見下ろす。

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東の尾根から西の山を眺める。左の山の上部がハイピークスだが、尖峰群は広範囲に渡って存在している。

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コンドル・ガルチ・トレイルを登って来るとハイピークス・トレイルに突き当たる。ここからの景色も雄大だった。

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ハイピークス・トレイルから見る北の景色。遠くの山々は雲で陽光が遮られて暗く、手前の尖った岩が際立っていた。

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登って来る時には見えないハイピークス・トレイルの北側にも尖った岩が見られる。

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登って来る時に下から見上げていた尖峰群の中に入り、登って来た谷を見下ろす。

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尖峰群の間を歩いて行くと大きな岩に刻まれた急な階段が現れた。遠くから眺め、目指して来たハイピークス周辺にたどり着いたのだ。岩の階段を登りきると、大きな岩が屋根のよう張り出し非常に狭いトレイルになった。地図上で「険しく狭い区間」と記され、ハイピークス・トレイルで最も魅力のある区間だ。しかし、下から見上げていたハイピークスのどの部分を歩いているのかよく分からず、迷子になったような気がした。

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いよいよ念願だったハイピークス・エリアに入り、岩に刻まれた階段を登る。

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尖峰群の中に岩の階段を登る自分の影が映っていた。

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上体を低くして岩の下を歩く。木の橋の先は這うような感じで前に進んだ。

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ハイピークス・トレイルを歩いて行くと、公園がまだモニュメントだった時に登ってきたジュニパー・トレイルと出会った。そこは小さいが比較的平らな土地になっていて、西からジグザクのジュニパー・トレイルを登って来ると山の頂上にたどり着いたように感じた場所だ。しかし、今回「険しく狭い区間」を経て来るとただの分岐点にしか見えず、すぐそばに建つトイレがなかったら以前来た場所だと分からなかったと思う。同じ場所に来ても、その到達する道が違うと見た感じが随分変わるものだ。

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ジュニパー・トレイルと出会う部分から数メートル下に建つトイレ。

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ハイピークス・トレイルは、ジュニパー・トレイルとの分岐点から南へ下っていたが、地図上で「険しく狭い区間」と記された区間をもう一度歩きたかった私は、登って来たトレイルを引き返した。朝歩き出した時は手袋もして冬支度だったが、太陽が出た日中は気温が上がり下山はジャケットを脱ぎ最後はティーシャツ1枚になった。寒暖の差が激しい土地ではよくあることだ。

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帰り道、再びハイピークス周辺を歩く。地球のエネルギーを感じながら巨大な岩の上を登る。

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大きな岩の下を歩く狭いトレイルから下りて行く方向を眺める。

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圧倒的な存在感を持つ岩の側を歩くとひんやりとした空気が漂っていた。

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東へ向かいハイピークス・トレイルを引き返す。

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苔が生える岩と木。公園内では色々なものが共存している。

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Holly Leaves Redberryだと思われる赤い実が目を楽しませてくれた。

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公園内は尖峰群だけでなく、午後の斜光に樹木も絵になった。

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下山した私は、公園を出てローカルな道を南へ下った。山陰の多かったピナクルズ・ナショナルパークの東のエントランスを出ると広大な牧場地帯があり、開放的な風景が広がっていた。冬にもかかわらず草原の緑は美しく、すれ違う車がほとんどない道をゆっくりと走った。

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ピナクルズ・ナショナルパークの東側は牧場地帯が続く。

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午後の光に眩しい白い納屋。

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水の流れていないクリーク沿いに車が置き去りにされた光景をいくつか見た。この辺りでは古い車をクリークに捨てる習慣があるのだろうか。

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ハイピークスは、2300万年前に複数の火山が噴火し、今日のピナクルズ国立公園のベースとなる火山地帯を形成した。その火山岩が長い年月を経て尖った尖峰群となった。標高は1000mに満たないが、遠くから見ても圧倒的な存在感を持っている。尖った岩の間を歩きながら2300万年前の火山噴火をイメージすれば、計り知れない地球のエネルギーを感じられる。

※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。

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