シグブラ
第66回:雨上がりの富山ブラブラ

雨上がりの富山ブラブラ

October 14, 2015

安宿で目を覚ます。窓の外を確認すると雨が降っていた。iPhoneで天気予報を見てみると、天候は徐々に回復するようだ。のそのそと起き出してシャワーを浴び、SIGMA dp Quattroを持って雨の街に飛び出した。

バックパックを背にフードを被って歩き出す。路面電車が多く乗り入れる駅前は雨に濡れていた。新幹線が通じた駅はまだ至るところで工事中だった。

とりあえず終点まで行ってみよう、と眼の前にやってきたレトロな路面電車に乗り込む。やや明るくなってきた空の下を、クルマと一緒に路面電車は進んでいく。

終着駅に着いて辺りをブラブラ撮影していたら嘘のように空が晴れ上がった。朝の雨が信じられないほどのいい天気だ。再び路面電車に乗って、今度は海まで行ってみることにした。

海沿いのエリアは以前来た時よりもだいぶ整備され、ほどよく観光客で賑わっていた。洒落た商店やカフェなどが増え、なんとなく都会的になってきた印象を受けた。昔ながらの雰囲気は徐々に失われていくのだろうか。

雨上がりの晴天とあって湿度が高い。少し歩くと汗が噴き出してくる。人通りが少ない通りを選んでブラブラと撮影する。お洒落な建物より、錆びたり朽ちかけた建物にSIGMA dp Quattroを向けながら先の駅まで撮り歩くことにした。

運河沿いにできた美しい公園を過ぎ、再び街の中心部に戻ってきた。広々とした空と道が気持ちいい。あちこちとほっつき歩きながらお城に到達。青空を背景にした白い城壁が眩しい。

広く明るい通りも魅力的だが、もっと面白いのが裏通りだ。特に真っ直ぐではなくクネクネと曲がってる通りや、区画整理されていないエリアは撮り甲斐がある。こういうところは新幹線開通や再開発などでどんどんと減っている。今のうちに撮っておきたいものだ。

ブラブラと歩いているうちにそろそろ帰る時間が近づいてきた。名残惜しいが帰路につくとしよう。次回ここを訪れる時にはどんな街に変貌しているかが楽しみである。次のブラブラ撮影はどこにしようかと考えながら、SIGMA dp Quattroのシャッターを切った。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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