シグブラ
第24回:新春の横浜ブラブラ

新春の横浜ブラブラ

January 29, 2014

よく晴れた連休最終日に横浜を訪れた。主催する写真コミュニティ「ブ写会」の定例会で年末もここをブラブラしたばかりだったが、都内からパッと出られて、様々な被写体がたくさんあるこの街はとても魅力的なのでつい足が向かってしまう。横浜は歩道も広く、電線が地下化されている所が多いので撮影もしやすいのだ。そういえば2月に開催される写真関連の総合展示会「CP+ 2014」もこの街が舞台だ。

地下深い駅から地上に出る。新春の光が眩しい。ときおり冷たい風が吹くが、陽光のおかげであまり寒く感じない。カフェでコーヒーを飲んでから、DP3 Merrillをバッグから取り出して歩き始める。名物・日本丸の周囲は写生をする人たちがたくさんいた。

みなとみらい地区は発展が著しい。来るたびに変化があるので、撮影の対象としてもってこいだ。新しいものと古いものの同居が絵になるのだ。しかし最近はリノベーションが進み過ぎ、古いものが加速度的に少なくなっている気がする。

歴史的価値がある著名な建物物は手厚く保護されているので心配はないが、ちょっとした裏通りの雑居ビルや、味のある商店などがどんどんと減っていく。寂しい気もするが、これも街の新陳代謝として割り切った方がいいのだろうか。馴染みの中古カメラ店もなくなっていき残念だ。

それでもこの街は写真を撮る人にとってはいい所だと思う。よい景観、明るくて広い歩道、しっかりとした案内板、豊富な交通手段、電線や電柱が少ない、飲食店がたくさんある、など魅力的だ。ちょっと最近しっかりとした写真を撮ってないな、と思う人はブラリと訪れてみることをオススメしたい。きっと自然とシャッターを切りたくなるに違いない。

数多く訪れていると、なんとなく定例コースのようなものができてくる。それを無意識に辿ることもあれば、あえて逆方向から歩いたり、目の前にあるバス停から、目的もなく来たバスに乗って、気に入った場所でフラリと降りたりする。横浜は水上バスやサイクルタクシー、レンタサイクルなど移動手段がたくさんあるので、その日の気分次第で様々なバリエーションをとることが可能だ。

まずは、みなとみらい~赤レンガ倉庫~大桟橋~山下公園~中華街という王道ルートを歩いてみることをオススメしたい。今回は一本内陸側の道を撮り歩いたが、どの路地にも新春の明るい日が差して美しかった。次回は野毛方面のルートでブラブラしようかな、と思いつつ石川町のスペインバーに滑り込んだ。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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