シグブラ
第23回:師走の代々木周辺ブラブラ

師走の代々木周辺ブラブラ

December 26, 2013

年末の晴れた三連休、DP Merrill シリーズ3台を持って代々木上原駅に降り立った。今回のブラブラはエイ出版社「カメラマガジン」が密着取材をするという。女性編集者とカメラマンの2名と改札前にあるハンバーガーショップで合流し、小田急線に沿って歩き始めた。

童謡「春の小川」のモデル地ではないか、といわれる川の支流跡に沿って歩を進める。といっても暗渠になってるので、かつての川の上を歩く、と言った方が正しい。古いアパートや雑居ビルの谷間をウネウネとのたうつようにそれは存在した。

両脇を建物で塞がれているので、お昼近くなってもこの時期の暗渠は日が当たらずとても冷える。時折スポットライト的に日が差す場所があるとホッとする。が、もっともその光は直接の太陽光ではなく、ビルの窓ガラスの反射だったりする場合も多い。

路地から広い通りに出る。太陽の光と青い空が頭上に拡がった。日光が暖かい。そして季節外れの紅葉と銀杏の落ち葉を踏みしめながらポニーのいる公園に向かう。ちょうど馬もランチタイムのようだった。馬草を食べる光景を乗馬クラブの人と話ながら見つめた。

公園から明治神宮に入る。西参道を歩き鬱蒼とした杜を抜けて御社殿へ。境内は参拝客でそこそこ賑わっている。すでに初詣の準備が進められていて、ところどころにお守りや破魔矢を返納する箱が備え付けられていた。もちろん大晦日までは使うことはできない。と、そこに婚礼の列が境内に現れ、周囲は華やかで凛とした空気に包まれた。

神宮を出て北参道を千駄ヶ谷方面に向かう。前方に東京都体育館や国立競技場が見えてきた。2020年東京オリンピックが決定したので、この周辺もこれから大きく変わるに違いない。そう考えながら東京都体育館裏手を歩いていたら、大きなネコがすり寄ってきた。しばしそのネコと遊ぶが、工事が始まって居場所がなくならないといいなあと思う。

国立競技場内に入ってみる。正確には国立霞ヶ丘陸上競技場、だ。ここは東京オリンピックのメイン会場として大改修が予定されている。2014年の夏には解体が始まるようだ。幾度となくこのスタジアムで陸上競技やサッカーを見たが、取り壊されてしまうとなると複雑だ。傾いた日にトラックを走るアスリートの影が長く伸び始めた。来年もいろいろなところをブラブラしたいな、と思いつつ、夏にはなくなってしまうスタジアムをあとにした。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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