シグブラ
第2回:港町・横須賀ブラブラ

港町・横須賀ブラブラ

February 15, 2013

連休の中日に久しぶりに横須賀をブラブラした。クルマで近くを通ることはあっても、カメラを持って歩く機会がなかったので、天気もいいし名物の海軍カレーとネイビーバーガーを食べつつ写真を撮ろうという計画だった。

JR横須賀駅改札を出ると、米海軍のイージス艦と海上自衛隊の潜水艦が目に飛び込んできた。意外と近距離である。見慣れない光景に望遠ズームで思わずのぞき込んだが、軍港"YOKOSUKA"にとってはごく日常的な風景なのであろう。ここまで見えてしまって軍事的に問題はないのだろうか、といらぬ心配をしながらヴェルニー公園を歩く。

衛兵詰所やフランス式花壇を眺めながら、海沿いの公園を楽しむ。ここは熱心に軍艦をウォッチする人や、少し早い春の陽気に誘われてデートをしているカップル、自転車ツーリングで訪れた人々などでなかなかの賑わいだ。2月も中旬なので日差しも明るく少しずつ力強くなってきた印象を受ける。
ドックの前を乗客が鈴なりになった観光船が通過していく。横須賀港の軍艦を見るツアー船だ。ボクも乗ろうと思っていたのだが、早いランチでネイビーバーガーを食べている間に当日のチケットがソールドアウトしていた。残念!

仕方ないので少し離れた三笠公園から猿島に向かうことにした。猿島は東京湾唯一の自然島で、ここも砲台や煉瓦造りの弾薬庫など戦争の歴史を刻んでいる。以前別のロケで来たが、島の雰囲気や眺めが気に入っての再訪となった。
日露戦争で活躍した戦艦三笠の横から猿島行きのボートに乗り込んだ。乗船時間は僅かだが船尾から離れていく横須賀の街を見ていると、長い船旅に出かけたくなってきた。
夏場は海水浴客やバーべキュー客で賑わうこの島も、この時期は僅かな釣り客と観光客だけ。煉瓦のトンネルや磯から浦賀水道を眺め、のんびりと島内を撮影して島を後にした。

横須賀に戻ると、どぶ板通り方面へ。フリーマーケットが開かれていてまあまあの人出だ。通りの"スカジャン"店や軍装品の店を冷やかしてから裏手の山に登る。細い路地や急勾配の階段がなかなかの味わいで楽しい。カーブを描いているノスタルジックな病院がそびえる。かつては病室の窓から海が見えていたに違いないが、今は多くの建物が建ち並びそれは難しそうだ。

病院を越え女子高を越え、港でない横須賀を味わったあとは海軍カレーを食した。一口目は甘みを感じたが、その後じわじわ来る辛さ!店によって味付けは違うだろうが、入った店はそんな感じであった。
街は米兵が繰り出し始め、昼間とは違った雰囲気を醸し出してきた。横須賀がYOKOSUKAになる時間だ。
食べ終わって再びヴェルニー公園に戻る。艦船やドックに灯りが点るのを眺めつつ、ウッドデッキ近くでコーヒーをすする。そして「次はどこをブラブラしようか」と考えたのであった。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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