シグブラ
第143回:“50mm 1本で師走の街ブラブラ

第143回:50mm 1本で師走の街ブラブラ

December 19, 2018

2018年ももうそろそろ終わりである。ということは平成もあとわずかだ。早いものである。なぜか年末になると上野、アメ横方面に行きたくなってしまう。あの忙しない雰囲気が年末感を増長してくれるからだろうか。常にヒマな自分はそんな師走の街をカメラ持ってブラブラするのが好きなのである。今回は明るいプライムレンズ「SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art」をチョイスして、12月も10日過ぎの街に繰り出した。

地下鉄を降り湯島天神へ。お詣りする人多し。境内に提げられている絵馬を見て「今年って丑年だったっけ?」と思ってしまった。「SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art」のあとボケが心地よいね。

天神には牛の像が奉られていることが多い。この「臥せ牛」がある理由は学問の神様・菅原道真が丑年生まれという説や、農耕のシンボルだからいう説などがある。また頭に触れると知恵がつくと言われるので、この像もテカテカに輝いていた。

その足で切通坂を下り、不忍池横の歓楽街を通り過ぎてアメ横に向かう。まだ暮れが押し迫った時期ではないので、買い出しの客よりも海外からの旅行者のほうが多そうだ。人波に押されつつ、威勢のいい呼び声の魚屋などを冷やかす。

ガード下にある飲み屋も大繁盛していた。酔っ払いが酒を飲んでいるというよりは、観光客が腹を満たしている様子。この日は寒かったので麺類が実にうまそうであった。彼らに混じってちょっと一杯、と思ったがまだやめておこう。

それでは、と同じガード下にある老舗のカレー屋(激安で美味いのだ)に向かうが、こちらも大繁盛で満席。さすが年末という感じ。向かいのレトロな喫茶店もどうやらいっぱいのようだ。

仕方なくそのまま稲荷町経由で合羽橋商店街へ。風は冷たいがカメラを持ってブラブラ歩いていると身体が暖まってくる。こちらも海外からの旅行者がたくさんだ。彼らの目当ては高品質な調理器具など。しかし一番人気は食品見本である。精巧で美味しそうなそれは目を引く。菓子から寿司、中華まで何でもござれ、だ。

さて浅草へと歩いていると雨が降ってきた。もう少し気温が低ければ雪になるかもしれないな、と思いつつ軒伝いに歩いていると、まだ営業前の飲み屋でストーブに当たるネコを発見。お店の人に断って SIGMA sd Quattro H のシャッターを切った。「もう少ししたらやるからね」と言われた。

雨に濡れながら仲見世へ。混雑する通りは傘の華が咲いていた。頭上には早くも「賀正」の飾り付けが踊っている。もう2018年も終わりである。今年もシグマからは素晴らしい製品が多く誕生した。来年はいよいよフルサイズ Foveon 機がお目見えする予定なので今から楽しみでならない。それでは皆さん、よいお年を!!!さてさっきのネコの店に行くかなあ。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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