シグブラ
第124回:丘から海へ大磯ブラブラ

第124回:丘から海へ大磯ブラブラ

March 14, 2018

久々に大磯に来た。暖かい空気に包まれた駅前はいつ来てもいい雰囲気である。こぢんまりとしたロータリーから路線バスに乗る。瀟洒な街並みを抜け国道を越えて、丘が目前に迫ったところでバスを降りた。ここからはミカン畑を横目に緩やかに登っていく道だ。この日はやや風があるものの気温が高かったため、ほんのわずかハイクアップするだけで額に汗が滲んできた。ところどころ SIGMA dp0 Quattro で撮影をしながらブラブラする。途中、来た方向を振り返ると広々とした相模灘と初島が眼に入った。ほどなく大学のキャンパスに到着。今日はここで行われる女子サッカーの練習試合を見に来たのだ。高台にあるグランドは眺めがよくとても素晴らしい環境である。応援している地元なでしこ2部チームの仕上がりをベンチに座って観戦。若き選手たちの動きをチェックする。月末から始まるリーグ戦が楽しみになってきた。
最後まで練習試合を見たかったが、日没を海岸線で撮影したかったためグランドを早めに離れることに。丘を下り川沿いに歩いて海に出た。ちょうど太陽が箱根方面に沈み闇が周囲を覆い始めた。打ち寄せる波の音を聞きながら浜辺をブラブラと歩く。海からの湿気を帯びた風が生暖かい。早く春が来て暖かくならないかなあと思っていたが、いつのまにかその春がやってきていた。さて、駅までもうちょっとブラブラするとしよう。

暖かい空気の中、緩斜面を SIGMA dp0 Quattro を手にブラブラと登る。春眠暁を覚えずなのか花粉なのか、それとも前夜飲み過ぎなのか、瞼が重たい。

畑の中に建つ大きなスタジオに繋がれていた犬。周囲が気になるようでしきりにキョロキョロしていた。しばし頭を撫でながら話をした。

グランドまではミカン畑の中をクネクネと登っていく。実はこのルート、地図アプリの示したショートカットルートで、なかなかとんでもない道を歩かされた。帰りは正攻法で普通の道を歩いた。

高台にあるグランドは相模灘を眼下に望み素晴らしい環境であった。ピッチ横には桜の木があり、美しい花を咲かせていた。

大磯というと海や邸宅、有名なプールばかり想像してしまう。駅の北部には丘陵地帯が拡がっていてのどかな雰囲気である。遠くから東海道新幹線の走行音が聞こえてきた。

のんびりとブラブラしていたら日がかなり傾いていた。急がないと海岸で日没を撮れない!と東海道線をくぐるあたりで歩くスピードをアップ。右手にはうっすらと富士山の姿を確認できた。そういえばガード下にヤギが繋がれていて草を食んでいた。

著名人の邸宅脇を抜けて川沿いに進む。西湘バイパスをくぐると海岸線に出た。どうやら間に合ったようだ。日が沈み、空の色が徐々に変化していくのを砂浜に立って見つめる。その美しい色の移ろいを SIGMA dp0 Quattro で撮影する。EVF-01 を装着しているので、しっかりとファインダーをのぞき込み、手ブレに注意してシャッターを切った。

海岸には数名投げ釣りを楽しんでいるアングラーがいるだけだ。今は何が釣れるのだろうか。さて、打ち寄せる波の心地よくボリュームのある音を聞きながら再び大磯駅を目指す。暖かくなると夜のブラブラ歩きが捗ってうれしいね。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク
Page Top