第129回:遺構を訪ねて横浜ブラブラ
May 30, 2018
横浜駅からブラブラと歩き始める。ここに来る交通手段はいくつかあるが、今回は市営地下鉄を使ってみた。ルートが違うと街の印象が異なるのが面白い。いつもと異なる出口から地上へと到達し、まず向かったのは横浜駅の遺構である。現在の横浜駅は三代目で、先代と元祖の痕跡が存在するのだ。初代の遺構は桜木町駅にある。パシフィコ横浜で開催される、CP+の時にモニュメントや「桜木町駅周辺の今・昔」というディスプレイに気付いた人も多いのではないだろうか。二代目の遺構はやや離れた場所で現在はマンションが建っているが、そのエントランスに公開空地としてレンガ造りの「二代目横浜駅基礎等遺構」があるのだ。わずか8年という短命だった横浜駅の遺構を SIGMA dp3 Quattro で撮影した。ここには高島発電所第二海水引入口遺構もあるので同時に見学が可能である。
ここから首都高速に沿ってフォトウォークだ。ダンジョンのような横浜駅を越え、運河を越え、貨物線が見える公園にやってきた。ここはみなとみらい方面がよく見渡せるし、人が少ないので気に入っている場所である。しばらくここでスナップを楽しんだあと中央卸売市場方面に進む。タワーマンションの森を抜けると、貨物線の踏切といかにも昭和っぽい建物が現れた。この周囲は Foveon 物件の宝庫なのでよく訪れるエリアなのである。今後ちょっと先からロープウェーで横浜駅〜みなとみらい〜山下埠頭を結ぶという構想があるようだ。「ここも遺構になってしまうかもしれないかもなあ」と思いつつ、さらに歩を進めて再び遺構にやってきた。「神奈川台場」である。江戸時代に作られた東京湾への外国船侵入を防ぐお台場だ。開発や埋め立てでその全貌を見ることは難しいが、いくつかその面影を撮影することが可能だ。公園には案内板があり、近くの住宅街には石碑と当時の石積みを間近に撮ることができる。
町内のアイドル犬「ダイちゃん」に挨拶をして今回の遺構ブラブラを終了した。さて次はどこに行こうか?
カメラ: | SIGMA dp3 Quattro |
露出モード: | A-絞り優先オート |
ISO感度: | 100 |
ホワイトバランス: | オート |
シャッター速度: | 1/125秒 |
絞り値: | F2.8 |
焦点距離: | 50 mm |
マンションのエントランス付近にある「二代目横浜駅基礎等遺構」。SIGMA dp3 Quattro でそのレンガでできた基礎を切り取る。ディテールと色合いが実物よりリアルに感じる。
カメラ: | SIGMA dp3 Quattro |
露出モード: | A-絞り優先オート |
ISO感度: | 100 |
ホワイトバランス: | オート |
シャッター速度: | 1/100秒 |
絞り値: | F4.5 |
焦点距離: | 50 mm |
首都高速とガード沿いに歩く。横浜駅周辺は新旧というか清濁というか、昭和と平成の様々なものが乱雑に現れて面白い。LVF-01を装着した SIGMA dp3 Quattro でジックリとフレーミングしてシャッターを切る。
カメラ: | SIGMA dp3 Quattro |
露出モード: | A-絞り優先オート |
ISO感度: | 100 |
ホワイトバランス: | モノクローム |
シャッター速度: | 1/250秒 |
絞り値: | F5.0 |
焦点距離: | 50 mm |
横浜駅はダンジョンである。いつ来ても工事をしているし、複数の鉄道路線と河川、道路、デパートが行く手を阻む。でもそこが面白い。工事はまだまだ続くようだ。
カメラ: | SIGMA dp3 Quattro |
露出モード: | A-絞り優先オート |
ISO感度: | 100 |
ホワイトバランス: | オート |
シャッター速度: | 1/320秒 |
絞り値: | F5.6 |
焦点距離: | 50 mm |
貨物線沿いの公園に来た。船や貨物線が行き交い、水辺の生き物も観察できるので気に入っている場所だ。タワーマンションの足元でしばしのんびりとした。鉄橋には釣り人が引っかけたルアーが風に揺れていた。
カメラ: | SIGMA dp3 Quattro |
露出モード: | A-絞り優先オート |
ISO感度: | 100 |
ホワイトバランス: | モノクローム |
シャッター速度: | 1/160秒 |
絞り値: | F8.0 |
焦点距離: | 50 mm |
背後には巨大なマンション群がそびえている。この上層階からの眺めはさぞ爽快だろう。みなとみらい方面を一望にできるのだから。その無機質でダイナミックな姿をモノクロームで撮った。
カメラ: | SIGMA dp3 Quattro |
露出モード: | A-絞り優先オート |
ISO感度: | 100 |
ホワイトバランス: | オート |
シャッター速度: | 1/500秒 |
絞り値: | F5.6 |
焦点距離: | 50 mm |
中央卸売市場付近はまだまだ昭和の雰囲気が残っている。Foveon 物件が山ほどあるのでブラブラすると面白い。市場にある食堂も安くて美味いので、営業時間が合えば訪ねることをオススメしたい。
カメラ: | SIGMA dp3 Quattro |
露出モード: | A-絞り優先オート |
ISO感度: | 100 |
ホワイトバランス: | オート |
シャッター速度: | 1/250秒 |
絞り値: | F8.0 |
焦点距離: | 50 mm |
しかし SIGMA dp3 Quattro のキレ味は実に素晴らしい。トタンの凹凸感、塗料の厚塗り感と剥げ具合、そして色合いと現場のリアル感をそのまま記録できるからだ。個人的に dp Quattro シリーズの中で1番コイツが好きだ。
カメラ: | SIGMA dp3 Quattro |
露出モード: | A-絞り優先オート |
ISO感度: | 100 |
ホワイトバランス: | オート |
シャッター速度: | 1/125秒 |
絞り値: | F5.6 |
焦点距離: | 50 mm |
神奈川台場跡をウロウロしていると、エリザベスカラーをつけた柴犬が寝そべっていた。飼い主に話を聞くと名前は「ダイちゃん」とのこと。ご近所のアイドル犬としてテレビに出演した経験もあるようだ。指先を暖かい舌で舐めてくれた。
カメラ: | SIGMA dp3 Quattro |
露出モード: | A-絞り優先オート |
ISO感度: | 100 |
ホワイトバランス: | オート |
シャッター速度: | 1/250秒 |
絞り値: | F2.8 |
焦点距離: | 50 mm |
台場の石積み横でアジサイが咲いていた。そういえばそろそろ梅雨入りである。鬱陶しいシーズンの到来だ。しかし、シグマからは続々と新製品が登場してくるので、それを励みに憂鬱な雨を吹き飛ばしたいと思っている。再び新しい製品を持って横浜をブラブラしに来よう!
プロフィール
三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau