第163回：SIGMA fp で渋谷界隈ブラブラ

October 25, 2019

待ちに待った SIGMA fp が発売になった。フルサイズながらとても小さくて軽く、毎日持って歩けるサイズ感が本当に素晴らしい。デザインも操作感もカッチリとしていて、手に取って触っているだけで思わずにやけてしまうほどである。ひとあし先に発売された SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary を装着すると、モノとしての完成度がグンと高まり、すぐに撮影に出かけたくなってくる。新しいカラーモード「ティールアンドオレンジ」の色調もとても雰囲気があっていい。そんなわけで SIGMA fp を手に、その写りを試すべく一人の女性と渋谷界隈をブラブラと撮り歩いてみた。

小雨が降る渋谷。少し憂い気な表情のモデル・松本真央さんを SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21 を使って SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art で撮った。新しいカラーモード「ティールアンドオレンジ」はどことなく Foveon センサーっぽい色合いで界隈のラフな雰囲気とマッチした。SIGMA fp の絵は精細で雨粒もしっかりと捉えてくれる。

雨が強くなってきたのでトンネル内に移動した。昔は暗くてほとんど人が歩いていなかった場所だが今はかなりの通行量だ。SIGMA fp に装着した LVF-11 をのぞく。これを使うとサイズが大きくなるが撮影の没入感が得られていい。この時のような雨降りや明るい晴天時などは特に活躍するアイテムだろう。またしっかりとホールドすることによって手ブレも軽減してくれる。しかし SIGMA fp はモノクロームもいい。しっとりとした仕上がりが気に入った。モデルの睫に雨粒がひとつ確認できた。

レンズを SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary に交換した。端正な顔立ちの松本真央さんを狙う。絞り開放でのややソフトな写りが好ましい。SIGMA fp の瞳AFは優秀で確実にピントを目に合わせてくれた。しかしISO感度オートでノイズを気にせず撮影できるシグマのカメラが今までに存在したであろうか！

ハチ公前広場で傘を回す18歳。「渋谷だと友だちに会っちゃうかも」と話しながら強い雨の中撮影させてくれた。SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21 に SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art を装着してシャッターを切る。「ティールアンドオレンジ」のメリハリのある絵作りが個人的にも気に入っている。

この季節は日が暮れるのが早い。あっという間に暗くなってきた。雨は止まないどころか強くなってきた印象がある。松本真央さんに着替えてもらって渋谷の奥地で撮影開始。ISO感度オートのまま撮り続けたが気付いたらISO3200であった。それでこの写りにはビックリ。シグマのカメラじゃないみたいだ。

渋谷の奥地はアヤシい場所があって撮り甲斐がある。濡れた路面が光を反射して美しいのだ。ちょっと雨が小降りになったので狭い路地に入ってシャッターを切った。彼女の表情とポーズが艶めかしくていい。気がつくとISO6400になっていた。それなのにこの写りである。またまたビックリ。

午後遅くから雨の中 SIGMA fp で渋谷を撮り歩いたが、このカメラのポテンシャルをしっかりと感じることができた。まずはカチッとした確実なカメラの操作感、新カラーモード「ティールアンドオレンジ」の色合い、高感度でも使用できるノイズ耐性、そして傘無しで雨にかなり濡れても問題なかった防塵防滴性能、挙げたらキリがないほどである。このカットはISO6400だが、アヴェイラブルライトでのオートホワイトバランス、描写ともにイイ感じ。SIGMA fp はオールマイティーに撮影を楽しめる新基軸のフルサイズミラーレス一眼カメラだと確信できた。

SIGMA fp はムービーも楽しめる。スチルの合間にいくつかクリップを撮ったがなかなか面白い。これは SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art を SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21 を介して使った。18歳のセーラー服姿が眩しいこと。これからはスチル、ムービーもガンガン撮っていきたくなる。

モデル：松本真央

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