シグブラ
第107回:梅雨の谷間に新横浜ブラブラ

梅雨の谷間に新横浜ブラブラ

June 28, 2017

そろそろSIGMA sd Quattro発売から1年が経つ。早いものである。そういえばリリース前にはSIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM | Contemporaryを装着して、いろいろなところをコッソリとブラブラしたなあと思い出した。梅雨真っ只中とは思えない素晴らしい晴天なので、初心に帰って1年前と同じレンズを装着して家をあとにした。このレンズ、実はとても優秀なのだ。何よりコンパクトで軽い。しかもワイド端でF2.8、テレ端でF4とそこそこ明るいし、さらに最短撮影距離が22cmなのでマクロレンズ的にも使え写りもいいのである。レンズチョイスに迷ったらコレを装着していけばOKだ。なんといっても初心者にはうれしい手ブレ補正機能もついている。
さて、電車をいくつか乗り換えて新横浜までやってきた。なぜここにやってきたかというと、2002年FIFAワールドカップ決勝の舞台となった日産スタジアムの横で、応援している女子サッカーチームの試合があるからである。応援しているのはなでしこリーグ2部のチームなのだが、暑くなるにつれ調子を上げており、エキサイティングな試合を見せてくれるのが魅力なのだ。30度近い気温の中、今回のカップ戦も見事に勝利を飾ってくれた。素晴らしい。観戦後、鶴見川遊水池周辺や小机城付近をブラブラとフォトウォーク。巨大なスタジアムと運動公園、そして田んぼと鬱蒼とした城跡のコントラストが眩しかった。真夏のような日射しだったが、SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM | Contemporaryをチョイスしたおかげでフットワーク軽くブラブラ撮影を楽しむことができた。

梅雨とは思えない天気だ。日中は30度近くまで気温が上がり、プレーヤーは何回も給水していた。90分間を走り抜くなでしこプレーヤーの体力には脱帽である。

女子サッカーを取り巻く環境は厳しい。ほとんどのプレーヤーは平日は昼間仕事をして退勤後に夜練習をしているし、週末のほとんどは試合である。ホームアンドアウェー方式なので遠征ももちろんある。そんな彼女たちにサポーターや家族、友人たちが熱い声援を送る。

日産スタジアムから少し歩くとこんな景色が拡がる。2002年FIFAワールドカップ決勝が行われた土地とは思えない光景だ。生い茂った草の脇にある水路ではウシガエルが鳴き、ザリガニを釣る親子の姿があった。

SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM | Contemporaryは軽快だ。ズームにロックがないので、パッとカメラを構えて思った通りの画角にズーミングが可能だ。下に向けたときに自重でレンズがせり出してくることもないし、ブラブラ歩きにピッタリのライトウェイト標準ズームレンズといえるだろう。

水が入った田んぼではサギが何かをついばんでいた。のぞき込んで見るとオタマジャクシやクチボソのような小魚がたくさん泳いでいた。近くにある鶴見川流域センターでは流域に住む魚の展示を行っているので、興味がある人は立ち寄るといいだろう。意外にも多くの生き物たちが生息していることがわかるはずだ。

住宅街を抜けるとこんもりとした森が現れる。小机城址市民の森だ。瀟洒な家が並ぶ一角を抜け、細い路地をハイクアップする。木々が日射しを遮り涼しくなったが今度はヤブ蚊の襲来を受ける。脛をピシャリと叩くと手のひらに3匹も蚊がついていた。

見事な空堀を眺めつつ、蚊を退治しつつ、SIGMA sd Quattroのシャッターを切る。なかなかコレが忙しい(笑)。小机城は第三京浜が貫き、地下はJR横浜線が通り、本丸では少年野球が行われていたりとカオスな空間だった。

足をいくつか蚊に食われて小机城址市民の森を出た。蔵が建ち並ぶ味わい深い道を抜けて小机の駅を目指す。この辺りはFoveon物件がなかなか多く、ついSIGMA sd Quattroのシャッターを切ってしまってなかなか前に進めない(笑)。蔵、暗渠、昭和っぽい建物などフォトジェニックな被写体がたくさんあったが、また試合が行われるときに再びブラブラしようと思い足を駅に向けたのであった。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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