シグブラ
第106回:梅雨入りのダム湖周辺ブラブラ

梅雨入りのダム湖周辺ブラブラ

June 15, 2017

久しぶりにクルマのエンジンをかけ中央道に乗る。ここ数年はクルマの年間走行距離より自分の足で歩く距離の方が多い状態が続いている。機材が多い場合や、早朝深夜、アクセスが難しい場所に行く場合以外乗ることが少なくなった。なのでフロントウィンドウ越しの景色も実に新鮮である。しかし高速に乗ったものの行く場所にあてはない。天気予報を聞くとあまり西に行くと雨が降リ出しているようなので、八王子を過ぎたところで甲州街道に出ることにした。山あいのワインディングロードを気持ちよく走り相模川流域を遡る。空はさすがにどんよりとしているが、湿り気のある雰囲気も悪くない。今日はSIGMA sd Quattro HにSIGMA 20mm F1.4 DG HSM | ArtとSIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art、そして新しくリリースされたばかりのSIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM|Contemporaryをカメラバッグに詰め込んできた。明るいプライムレンズと、軽快な”ライト・バズーカ”の組み合わせだ。このライト・バズーカの登場によってテレ域レンズのチョイスに幅が出たのがうれしい。SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | ArtとSIGMA 24-105mm F4 DG HSM | Artと組み合わせれば12mmから400mmまで抜けなく焦点距離をカバーできるのだ。テレ端は短くなるものの、2タイプのSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSMより装備がライトウェイトになり、フットワークを活かした撮影が楽しめるようになる。そんなわけでクルマを降りてからのブラブラ撮影も軽量コンパクトになった装備のおかげで楽チンであった。

相模川に架かる橋から相模湖方面を見る。ツバメが川面で低空飛行を繰り返しているのが確認できた。今にも雨が降り出しそうな雲が流れてきているのが気がかりだ。

平日は無料開放されている駐車場にクルマを停め相模湖に出た。SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM|Contemporaryでクジラを模した遊覧船を縦位置で狙う。コンパクトかつ軽量のライト・バズーカはとても構えやすく、手ブレ補正機能の効きも上々なので、テレ端でも躊躇なく使えるのが頼もしい。その写りもシャープで素晴らしい。

湖畔には観光船やボート乗り場、そしてかなりレトロな食堂やゲームセンターが建ち並んでいる。そのどれもがフォトジェニックなので、たまに中央線に乗ってフラリと立ち寄ることもある。JR相模湖駅から歩いても15分程度だ。いつも平日に訪れるのでこの場所が賑わっているのを見たことがない。

食堂も何軒か存在する。堂々のメニューラインナップであるが、店を覗いても誰もいない。客はおろか店の人も見えないので入るのを断念した。かなり昔だがブラックバス釣りに来たときに、ワカサギ定食をこの近辺で食べた記憶がある。

昔懐かしいゲームセンターに入った。奥にはスマートボールの台がずらりと並んでいた。「東京近郊でこれだけあるところはないのよ」と女性スタッフが言う。浅草にもあるようだが毎日営業していないらしい。SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Artでホールを撮らせてもらい、カラーモード「シネマ」で仕上げてみた。

撮影させていただいたのでお金を払ってスマートボールをプレイしてみた。独特のどっしりとしたボールをアルミ製の容器に入れてもらい、台にガラガラと流し込む。あとはピンボールのように一球ずつ手で弾いて穴を目がけて送り込むだけである。これがなかなか難しい。穴に入ると横に表示されている数だけまたボールがガラガラと出てくるのだが、年季の入った台の為たまに出てこなかったりすることもある。よく見ると並んでいる台の中には壊れているのもあり、全てが稼働しているわけではないらしい。メーカーもとうの昔になくなって修理ができないということであった。

懐かしい遊びをしたあとは、湖からちょっと先にある小原宿本陣を訪ねた。神奈川県には東海道と甲州街道に26の本陣があったそうだが、建物が現存するのはここだけだそう。建物の内部を明るいSIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Artでキャプチャーする。

建物内で展示されているものは味わい深く、ディテールがとても豊富で、どれもが「Foveon物件」であった。シグマのArtレンズはそれを克明に写しとってくれた。ズームレンズも便利だが、頼りになるのはやはりプライムレンズである。薄暗い場所では特にだ。

本陣を出ると雨がポツポツと降り出してきた。iPhoneでニュースを確認すると、関東地方もどうやら梅雨入りした模様だ。予想よりも降り出しが早かった。クルマを相模川上流に向かって走らせて撮影を続けたが、途中でなかなかの雨となってきたので、今日のブラブラもここまでである。もっとSIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM|Contemporaryを使いたかったが仕方がない。いよいよ、憂鬱な雨のシーズン到来である。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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