シグブラ
第76回:薄曇りの箱根周辺ブララブ

薄曇りの箱根周辺ブラブラ

March 9, 2016

ロマンスカーに乗って箱根に向かった。いつもは平日に行くことが多いのだが、今回は日曜日。さすがに車内は結構な人で賑わっている。箱根にも人が戻り始めたということであろうか、と考えていると小田原駅で列車を分離し、箱根登山鉄道へと乗り入れるところであった。

箱根湯本駅前はかなり混雑していた。季節柄卒業旅行であろう若者が多い。それに混じって外国人旅行者が散見された。自撮り棒で記念写真を撮るグループや、土産物店を物色する人などさまざまである。

人混みを避けて川沿いを登っていく。せせらぎの音を耳にしながらしばらく歩くと、いつも遊んでいるネコの出迎えを受けた。元気そうで何よりだが、ちょっと肥満気味なのがきになった(笑)

温泉地を訪れても日帰りの場合は入浴せずに帰ることが多い。「たまには入ってもいいかな」と思って温泉宿をのぞいてみたが、大勢の客が列を作って並んでいた。残念。やはりシーズンオフの平日にブラブラと来るのが良さそうだ。

仕方なく路地をあっちこっちブラブラする。源泉を見たり神社に立ち寄ったりと、SIGMA dp3 Quattro 1台持ってシャッターを切り続ける。暖かくなってきたので足取りも軽い。

「箱根駅伝」のコースでお馴染みの国道1号線には、珍しいシェルターとアーチ橋が存在する。土木遺産として知られるそれらをじっくりと見て回る。橋を眺める自分を、渋滞中のバス車内の人が怪訝そうな表情で見つめていく。

その後小田原方面に歩を進め、博物館を見学してから昼食を摂った。そのまま下って風祭の集落を散策する。神社の入り口では昼寝をしていたネコが視線を走らせてきた。目で挨拶をしてから境内に足を踏み入れる。

境内を歩くと花の香りがいくつも漂ってくる。鳥のさえずりも賑やかで、足元にはアリが何匹も歩き回っていた。本当に春がやってきたのだ、と実感する。寒の戻りは何回かあるだろうが、もう凍えるような日々は来ないだろう。そう考えるとちょっとウキウキしてくる。

写真を撮れる時間が長くなったのが嬉しい。ISO感度も低く、シャッタースピードも速くなり、dp Quattroで楽しめる時間が増えた。日が暮れるのが遅くなると、行動範囲も時間も大幅に拡がるのがいい。もっとあちこちブラブラしたいものだ。「次はどこに行こうかな」と考えながらシャッターを切っていると、椿の花びらがハラハラと舞った。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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