橋梁を追って撮影を進めると、芝浦と台場を結ぶレインボーブリッジに。次なる被写体を何にしようかと考えていたところ、この橋は徒歩でも渡れることを思い出しました。頭に浮かんだのは「東京1列目」。言わば、東京という都市の"はじまり"は海岸線です。芝浦側のアンカレイジから遊歩道に繰り出します。21mmのもたらす画角は、圧倒的な集積を誇る東京を丸ごと捕まえるのに好都合。1ページ目では橋梁に着目し構造物そのものを捉えていましたが、都市そのものの構造を捉えるのに面白いのではないでしょうか。

臨海部には都市にエネルギーを送り込む施設が建ち並び、地下にはそれらを送り込むパイプラインが縦横無尽に走ります。さすがに地下部分をキャプチャするのはいろいろな面で難しいのですが、目を向けるとそこかしこに、都市の命を繋ぐ構造物を垣間見ることができます。

人口島のあいだを走る運河、その上を渡る上下水道管、運河に係留される作業船。特に臨海部などは一見雑然としていますが、よくよく見れば実に合理的に構造物が折り重なり、それぞれの機能を果たしています。

その臨海部も少し上から眺めると、実に整然と構造物が並び立つことに驚きます。一定の都市計画はあるにしても、それはあくまで骨格。ここまで綺麗に並び立つものかと感心してしまいます。

休む間もなく建物が取り壊され、跡地にまったく別次元の建物が気がつけばそびえ立つ。その一方で、時が堆積した結果と言わんばかりの構造物も同居するのが都市というものだと思います。それらを21mmで写しとめてみます。