さて今回のフィールドテストは、21mmの画角を手にすれば撮りたくなるものを一介の写真好きとして追ってみました。真っ直ぐに伸びるビル、その間を縫うように走るインフラ。どれも21mmで撮っていてほんとうに楽しい被写体です。ただ単に撮り歩くだけでは面白くありません。前回のフィールドテストで日本の原風景を捉えることをテーマとしましたが、21mmという超広角で光景と対峙することで、日本の国土とそれに寄りそって暮らしてきたことがかえって鮮明に浮かび上がりました。今回、都市光景の構造物を撮り歩くことで、また新たな発見に出逢えないか胸を躍らせて撮影に出かけました。写真にはいろいろな魅力があります。そして感じ方も捉え方も人それぞれでしょう。しかしながら、フレーミングは、見て、感じて、思い、考える。このことは皆さん共通するのではないでしょうか。なにか新しいものを知るためのトリガー、写真にはそんな魅力があると感じます。それでは構造と対峙してみましょう。
都市を縦横無尽に走る交通インフラ。その姿はまるで人の身体でたとえれば、血管や神経網、腱のようにも見えます。特に上空を縫うように走る高架橋それそのものは無機質ですが、実に優雅なラインを描き、その構造美に魅せられる人も多いのではないかと思います。上のカットは、大阪・阪神高速道路の阿波座ジャンクションです。あらゆる方向に折り重なる橋桁を仰ぎ見ると、人の力というものは本当に凄いなと感じずにはいられません。じつは一連のフィールドテストで最初に撮ってみたい被写体でした。
日暮里舎人ライナー、日暮里駅付近。子供の頃にアニメで見た未来の都市光景のようです。アニメの世界はいっけん突飛に映りますが、いわば一定のコンセンサスが伴った未来予想図のようなものかもしれない、都市構造物を追っていると、そのように感じます。
首都高速中央環状線、江北ジャンクション。
千葉モノレール、千葉駅付近。
首都高速川口線、江北ジャンクション付近。
東京モノレール、昭和島付近。