超広角でありながら自然な描写をするレンズを目指しました。そして自然であるがゆえの、時には標準レンズのような、また時には望遠レンズにも似た描写。予め見越していたこととは言え、実際に撮影してみなければわからないことも多々あります。光景をあるがままに捉えるのとは真逆の、光景の中に身を投じるかのようなアプローチで撮影してみました。
グランドセントラル駅、チケットカウンターにて。Merrill世代に比べて大きくなったボディですが、それが低照度下でのカメラホールドをしっかりサポートします。超広角でありながら標準で捉えたかの様な自然な描写。dp0 Quattroで目指してきたものの一つです。
超広角らしく振り回してのスナップも楽しいものです。広いからこそフレーム内には輝度差が生まれます。思い切ってシャドーで塗りつぶせば、思いの外フレームに悩むこともありません。
壁面のポスターを撮っていたところに、何ともニューヨークらしい女性が通りがかりました。フレームに入っては撮影の邪魔になると思ったのか、謝りながらスローダウンしてくれたのですが、そこは21mm、しっかり写り込みます。大丈夫だった?と聞かれ、むしろよい写真になったよ!と答えたら、ニッコリ笑ってくれました。
この赤色の再現が、まさに私たちがFoveonセンサーで目指してきたものの一つです。このセンサーが持つポテンシャルを最大限に引き出すカメラ、それがdpシリーズなのです。