周辺部まで高い描写性能を実現
超広角レンズは、画面の隅々まで歪みのない描写が求められており、建築物の撮影などに繁用されます。SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Artでは、これまでに蓄積した非球面レンズ加工・生産のノウハウを生かし、グラスモールド非球面レンズを適所に配置し、蛍石と同等の性能を持つFLD(“F” Low Dispersion)ガラスの採用や、レンズパワー配置の最適化により、ディストーション、倍率色収差、コマ収差を補正。画面の周辺に至るまで高い描写性能を実現しています。
特殊低分散ガラス
光の波長によってガラスの屈折率が異なるため、色ごとに結像点がずれる現象を色収差といいます。望遠系のレンズで強く現れやすく、画質を悪化させる原因となっています。これらの色収差を取り除くため、色による屈折率の差が少ない凸レンズと色による屈折率の差が大きい凹レンズを組み合わせて、軸上色収差を抑えていましたが、それでもわずかな残存色収差=二次スペクトルが残ってしまいました。SIGMAは、従来方式のレンズでは取り除くことができなかった残存色収差=二次スペクトルを徹底的に除去するために、二次スペクトルの補正能力の高い特殊低分散ガラスを多くのレンズ製品に導入し、高性能化を図っています。現在、SIGMA独自の特殊低分散ガラスは、ELD(Extraordinary Low Dispersion)ガラス、SLD(Special Low Dispersion) ガラス、FLD(“F” Low Dispersion)ガラスの3種類があります。特にFLDガラスは、分散性が極めて小さく、異常分散性が高い「蛍石」と同等の性能を持つ、透過率に優れた超低分散ガラスです。これらのガラスを効果的に使用、適切なパワー配置により、残存色収差を極限まで補正し、優れた描写性能を実現しています。
フレア、ゴーストに配慮した設計
レンズ設計の初期段階からフレア、ゴーストに対する対策を徹底し、逆光のような強い入射光に対しても影響を受けにくい設計を行っています。スーパーマルチレイヤーコートの採用により、フレア、ゴーストの発生を軽減し、逆光時の撮影においてもコントラストの高い描写を実現。
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最新技術を全投入して製品化
高い描写性能を実現するため、機構面からも新しい技術を採り入れて製品化。クラス最大のφ80mm非球面レンズの投入など、これまでの開発で培ってきた新しい技術の採用により、新しい12-24mmが完成しました。
クラス最大のφ80mm非球面レンズを採用
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art には、レンズ最前面にクラス最大径のφ80mm大口径グラスモールド非球面レンズを採用。これまで培ってきた非球面レンズ加工のノウハウを生かし、精度の高いφ80mmの大型非球面レンズの加工に成功しました。この大口径非球面レンズを最前面に採用することで、ディストーションをはじめ、球面収差、コマ収差を効果的に抑えています。
新設計のHSMを採用、快適なAF操作が可能
新設計の大型HSMを採用。従来モーターよりも約1.3倍トルクが得られ、低速でも安定した動作が可能です。
最短撮影距離24cm※を実現
超広角のパースペクティブを活かし、壮大な景色を背景に、被写体をクローズアップした超広角ならではの画作りが可能です。
※24mm側での数値です。
マウント部に簡易防塵防滴構造を採用
マウント部にゴムのシーリングを採用し、ゴミなどの侵入が一番心配されるマウント部を保護しています。また、前玉に撥水・防汚コートを採用し、雨天やしぶきが飛び散る水辺など、様々な条件下での撮影を可能にしました。
ズーム全域でF4を実現
これまでより一絞り分明るい開放値F4をズーム全域で実現。風にたなびく木々の葉の動きを止めるなど、より速いシャッタースピードの選択が可能です。また、ズーミングによりF値が変化しないため、使いやすさが向上しています。
ユーザビリティの追求
新しいレンズラインでは、レンズキャップ、AF/MF切り替えスイッチを一新する等、使用感にこだわりました。内部のパーツには金属や、金属部品と親和性の高い新複合材
TSC (Thermally Stable Composite) など適切に配置し、精度の高い製品を実現しました。レンズ鏡筒には発売された年を刻印し、発売年の判別が可能です。
ニコン用にも電磁絞り採用
ボディ側からの電気信号で絞りを制御する電磁絞り機構の搭載により、高速連写時のAE安定性向上を図りました
ニコンFマウント用対応機種について
円形絞り
9枚羽根の円形絞りを採用。イルミネーションや水面に輝く光などの点光源を背景にした撮影において、開放付近の絞りを使用する場合でも円形のボケを得ることができます。
高精度、堅牢な真鍮製バヨネット・マウント
高い精度と堅牢性を兼ね備えた真鍮製マウントを採用。長期使用に耐えうるよう、表面処理を施して強度を高め、高品質なレンズづくりを実現しました。
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