SIGMAのアイデンティティ 生粋のMade in Japan
SIGMA創業当初からのアイデンティティである「生粋のMade in Japan」。
Iシリーズでも、レンズ製造技術、金属加工技術、組立技術など
余すところなく発揮されています。
レンズは撮影機材であると同時に、撮影という時間を共にする存在でもある。
そう捉えると、撮れる画以外にも大事にしたい要素で溢れています。
たとえば、ひんやりと主張する金属の質感。じっくりと心地よい重み。
しっとりとした操作感が癖になるリング。カチカチと何度でも聞きたくなる操作音。
傍らにそれがあるだけで心が躍る、そんな深い満足感。
これまでのレンズでは満たしきれなかった欲望を叶える。
そのためにIシリーズは生まれました。
“綺麗な画が撮れる”、それ以上の価値を追求し、
道具選びを通して自分らしいスタイルを大切にする。
そんな人々に「私はこれ」と選ばれる存在でありたい。
その想いからシリーズには“I”の字を冠しています。
そして、その期待に応えられるのも私=SIGMAだけ。
その自信と覚悟も込めた新しい“I”の誕生です。
Iシリーズは、ミラーレスシステムに新たな価値を提案するフルサイズ対応のレンズシリーズです。
撮影システムが小型軽量であることは、ミラーレスの大きなメリットのひとつです。高い光学性能と、一眼レフ機では実現しえなかったコンパクトさとの両立は、新たなシャッターチャンスとの出会いも生み出します。
その反面、携帯端末など撮影の手段がこれほど多様化している現代において、あえてカメラやレンズを所有するということには、単に”撮る”ということ以上の価値が求められているのではないかとSIGMAは考えます。
1961年の創業から積み重ね、2012年からのSIGMA GLOBAL VISIONで洗練された高い開発力と加工技術を基盤に、道具としての品質、扱う中で感じる感触、そして所有すること自体の喜びに至るまで熟考し、形にした「Iシリーズ」。
このコンセプトを3つの“I”から紐解きます。
SIGMA創業当初からのアイデンティティである「生粋のMade in Japan」。
Iシリーズでも、レンズ製造技術、金属加工技術、組立技術など
余すところなく発揮されています。
所有する喜びを追求するIシリーズ。特に製品としての高い品位、
上質な感触を実現するため持てる技術を結集させています。
特にレンズボディに関しては、必要十分なレベルは優に超え、端的に言えば“やり過ぎ”です。
それでも、そこまで突き詰めたからこそIシリーズにしかない感覚品質が実現しました。
きっと実物で体感してみたくなる、そんなIシリーズのこだわりをご紹介します。
Iシリーズは外装部品に加え、操作リングと摺動する内部の構造部品に至るまで金属素材の削り出しで作られています。同様の仕様は、SIGMAの製品では業務用機材として過酷な使用にも耐える映画撮影用レンズ SIGMA CINE LENS以外にはない贅沢なつくりです。
金属素材を主に使用することにより、耐久性はもちろん、しっかりとした剛性感を得ることができます。そして何より、中身が詰まっているのを感じるじっくりとした重み、触ったときのひんやりとした触感、そこから感じる物質としての実体感は他の素材では代用できないものがあります。
フードやフォーカスリング、絞りリングに施されているローレットと呼ばれる沢山の溝は、滑り止めとして操作性を向上させるとともにIシリーズ特有の表情にもつながっています。
加工に非常に長い時間をかけ、全ての溝を1本ずつ切削しています。
レンズの外装に使われている金属部品には、ブラストと呼ばれる粒子を吹き付けて行う艶消し加工、そして表面に酸化被膜を作り黒色にするアルマイトという処理を施しています。
このふたつの処理を掛け合わせることで、独特な艶と風合いを生み出しています。この艶と風合いを維持管理するのはとても難しい上に、Iシリーズでは金属部品が隣り合うため、異なる部品同士の仕上がりの差も生じないよう厳しい調整が必要です。同じく金属部品が連続するSIGMA CINE LENSで得たノウハウを活かし、徹底した品質管理が行われています。
SIGMA CINE LENS
絞りリングの目盛りが入った部分と、基準線や製品名が入った部品は同じ径になっており、隣り合うふたつの部品は自然に同じ高さの面で繋がっています。
実は何気ないこの平面の繋がりも、Iシリーズならではのこだわり。なぜなら、部品の加工に少しでもずれやブレが起きると、レンズとして組み上がった時には大きなずれとなり、段差が生じて引っ掛かりができてしまうからです。
この「同面(どうつら)」が加工精度の証。ぜひこの部分を指でなぞって、自然な繋がりを感じてみてください。
絞りリングは撮影時以外でも触ってしまいたくなるような、癖になる操作感触を目指しています。
リングのトルクやクリックの感触を高めることは当然として、さらにクリック音にもこだわりました。金属による小気味よい音質をベースに、鋭くなりすぎないよう消音グリスを採用し音に丸みを持たせています。操作リングが端に当たる感触も、丁度よいアタック感になるように作りこんでいます。
Iシリーズのフォーカスリングは、回転させた際のしっとりとした感触を重視。動き出し始めはスムースに、動き出してからはグリスの粘性による適度な重みを感じる。その一瞬の感触の時間差を開発では「ディレイ」と呼び、このしっとり感を作り出しました。
この感触の実現には、外装と内部の構造部品両方の動作部品の精度が非常に高いことが前提条件になります。SIGMA会津工場の洗練された金属加工技術により達成した、高い真円度を誇る部品があってこそ、パーツに仕込むグリス量など繊細な調整がはじめて意味のあるものになるのです。
フォーカスリングを回した時のこの感触が、設計から加工、そして組み立てに一切妥協が無いことを示しています。
高画質と常用性を両立するF2のラインナップのフォーカスモード切換えスイッチには、新規専用開発のロングストロークスイッチを採用しています。スイッチを切換える際しっかりとしたクリック感が生まれるように、内部にはバネやスチールボール、専用のプレスパーツなど贅沢な機構が組み込まれています。
しかし、その機構を採用することでスイッチの切換えスピードが速くなり、気持ちの良い感触が乏しく切換え音が大きくなるという欠点も同時に発生しました。これらを改善する為、スイッチユニットの中にグリスを封入する機構を設け、ここでも「ディレイ」の感覚を作り出しました。さらに、消音グリスを入れることで、適度な操作音も実現させています。
スライド方向のストロークに余裕を持たせたスイッチ形状は、このこだわり抜いた感触をしっかりと味わえるようにするために設計されました。
Iシリーズでこだわっている操作部分の各感触。往年のレンズやカメラをお使いの方にはクラシカルで懐かしい感触にも感じるかもしれません。
古いレンズを操作するときに少し重みを感じるのは、操作部分が内部の構造と機械的に連動していることが要因になっていることがあります。しかし、実際に内部構造と連動していると、その連動が制約となり、純粋に感触のみにこだわることはできません。
Iシリーズはミラーレス専用設計のため、フォーカスリングはバイワイヤ、絞りリングも電子的に操作されます。つまり、内部構造に制約を受けることなく、とことん感触の良さに注力し、理想的な操作感を目指すことができるのです。
最高の操作感は最新の技術があってからこそ。これもまた、IシリーズがContemporaryラインから生まれた所以です。
高画質と常用性を両立するF2のラインナップには、フォーカスリングと絞りリングの間にカバーリングを採用。
この部分が指がかりになることで、カメラとの着脱をしやすくします。また、表面の仕上げはArtラインレンズのマウント部分のパーツにも採用されている、切削刃の軌跡を残すヒキメ加工とアルマイトの組合せを採用。微細なヘアラインを伴った輝きが、レンズボディのアイコンにもなっています。
Iシリーズの文字や線の印刷は全てレーザーで刻印されています。レーザー刻印の特徴には、印刷に比べて非常に細い線が刻めることや、インクのような剥がれの心配がないことなどが挙げられます。しかし、線が細いということは目盛りや基準の線も細くなり、製品として組みあがった時にずれが目立ちやすくなるということでもあります。昔のSIGMAレンズでは、目立たなくする為に絞りリングの目盛り線は入れていませんでした。
Iシリーズでは絞りリングの目盛りと基準の線をしっかりと合わせこむため、部品にはあえて組立用のガイドを作らず、組み立ての際にレンズ1本1本目視で確認しながら、この目盛りと基準線の合わせこみを行っています。
Iシリーズのレンズには、通常のプラスチック製キャップに加え、専用のマグネット式メタルキャップが付属します。この専用キャップは磁力式で、レンズ前面にぴたりと収まります。
Iシリーズを持ち歩き、使って頂くシーンにおいては、このキャップもまたレンズボディと同じく不可欠なパーツ。そんな思いから、磁力を使うという仕組みの検討からデザインまで考え抜き形にしています。このキャップはIシリーズにとっての画竜点睛と言っても過言ではないのです。
Iシリーズ|マグネット式メタルキャップPV
レンズから外したキャップの行き場も、最適な場所を用意したい。その考えから、専用キャップの磁力を利用したキャップホルダーを用意しました。
リングプレートにキャップを吸着できるので、紛失を防ぐだけでなく、ポケットやバッグの中にしまい込まなくても、身に着けたり、バッグに取り付けて持ち歩くことができます。このホルダーには利便性を向上させることに加え、撮り手の撮影中の佇まいにも寄り添いたい、そんな思いも込められています。
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専用フードの摺動部分には滑らかな感触とフードとして使いやすい弾力を得るため、あえてプラスチックパーツで設計されています。
金属とプラスチックが直にこすれ合うため、耐久性を高めかつ滑りを良くする専用のプラスチック素材を採用。丈夫さと、Iシリーズ特有の吸い付くようなフードの感触を両立させています。
そして、摺動部分以外は本体と同じく金属素材を採用し、すべて削り出しで成形されています。特に、フードには外側のローレットと呼ばれる沢山の溝と、内側には遮光線というギザギザの段差が刻まれるため、表裏全く異なる形状の切削が必要になります。そのため、非常に長い時間をかけ溝や段差の1本1本を丁寧に加工しています。
光学設計においては、ショートフランジバックを活かしたミラーレス専用設計に加え、
高精度な非球面レンズの採用など最新技術を惜しみなく投入。
フルサイズでの撮影に対応した高い光学性能とコンパクトネスの両立を実現しています。