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海から受ける恩恵は大きい。
魚が美味しい、景色が良い、といったことではなく海が近くにあるというだけで生活自体が変わるのだ。
朝、海へ行く。写真を撮りに行くわけでも散歩をしに行くわけでもなく、雨が降っていなければとりあえず行く。ふと周りを見ると、皆何かに突き動かされるようにして海へと向かっているのだ。もちろん犬の散歩だったり、ランニングだったり、サーフィンや釣りだったりと目的があって行く人がほとんどなのだろうが、ただ海を眺めに行くだけの人も少なからずいる印象である。
海を見ながら、無意識に風向きを確認する。何せ目の前は海なのだから、東西南北が明快である。
昨年からサーフィンをはじめたので、波の様子をチェックする。今日は向こうのポイントが良さそうだ、とか。そうしているうちに、何となくその日を迎える準備が出来てくるような気がする。
海という場所ではdp2 Quattroの45mmという標準域は不向きなのではと撮影前は思ったのだが、これが非常に良い。50mmにあと少し足りないというもどかしさが、被写体へあと一歩近づく気持ちを後押ししてくれる。真逆光という厳しい撮影状況が多いなか、破綻することもなく、むしろ目で見える光景よりも美しい画を紡ぎだしてくれると感じるのは気のせいではないはずだ。SPPで現像していると、あの日海辺で感じた潮風が目の前を吹き抜けてゆくようだった。