周辺環境ポートレートへの
情熱を支えるレンズ
ART
24mm F1.4 DG DN
Special Impression
by サヒム・アメッド|Sahim AHMED

新たな情熱の誕生
スマートフォンを手にしたときから、手あたり次第写真を撮るのが好きでした。それ自体は遊びのようなものでしたが、10代の頃からそうやって写真を撮ったり、アプリで編集したりしたことが、時間をかけて自分のビジョンを育ててきたことは間違いありません。私がお金を貯め、初めてエントリーモデルの一眼レフカメラを購入したのは、ITスクールで学びながらインターンをしていたときです。最初の撮影旅行では主に風景写真を撮り、それはとても楽しい経験でした。在学二年時、私は英語を集中的に学ぶため三カ月のイギリス留学をしました。コース修了のために英語が必修だったわけですが、この間フランス人ばかりの私のクラスはキャンパスでバラバラになり、私に至っては11人の英語のネイティブスピーカーとアパートで生活を共にしたのです。
イギリスへは、向こうでの思い出を残すための一眼レフカメラを持って行っていました。
そしてそこで私はKaiと出会いました。
彼はルームメイトの一人で写真と映画製作について学んでいました。彼こそが私に写真撮影の基礎を教えてくれたのです。自分の教科書を開いて見せながら、「ねえ、きみ、ゴールデンアワーについての章を見てごらんよ」と熱心に話す様子を覚えています。私は新たに触れる知識に夢中になりました。いくつかの理論を学んだあと、すぐに外に出かけ、練習に励みました。撮影のための自由時間はたっぷりありました。週末はイギリスで出来た友人たちと出かけ、風景からポートレートまで、様々なテーマでの撮影に挑戦しましたが、一番好きな被写体が「人」であると気付くのに時間はかかりませんでした。友人のポートレートや街中の人々を入れたストリートフォト撮影が楽しくてたまりませんでした。
英国での素晴らしい時間は瞬く間に終わり、私は写真への新しい情熱とともに帰国しました。

※ 撮影データの記載なき写真はSIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art 以外のレンズで撮影されています。
独自のスタイルの創出とフォトグラファーへの道
フランスに帰国してからは、あらゆるものが違って見えました。全てのフォトグラファーが口を揃えて言うように、視点が変わり、新たな「レンズ」を通して生活を見つめるようになったのです。
今まで何気なく暮らし、眺めていたパリの街並みが、突如としてお気に入りの撮影スポットとなりました。
私は一人で写真撮影に出かけるようになり、この街の建築物や人々、生活を切り取りました。自分のポートフォリオを作るために観光客や見知らぬ人々に声をかけ、ポートレートを撮影させてもらうこともはじめました。
それと同時にInstagramのアカウントを開設し、撮影した写真を投稿していきました。
そのようにしてプロのモデルから撮影の依頼が届くようになってからはより真剣に写真撮影に取り組み、新しいカメラを購入し、私の生活はそれまで以上に写真撮影中心となりました。撮影は週に3、4回、私の自由時間や仕事・授業の後に行っていました。そしてその数カ月後には自分の会社を設立することを決意し、コンピュータ科学の学位取得後にプロのフォトグラファーとなりました。リスクも承知でしたが、後悔はしたくありませんでした。
これこそが自分のやりたいことだと分かっていたからです。




私はポートレート撮影を広角レンズで撮影することで、意図的にバックグラウンドを入れます。そうすることによって、一連の写真が語る物語をさらに印象付けることができるからです。また写真にノスタルジックな風情をもたせることもできます。私は周辺環境ポートレートフォトグラファーと呼ばれるジャンルの写真家になったと言っていいでしょう。
より広角な画角を使用することは、より映画のような雰囲気の撮影を可能にし、ポートレートに一層の深みと物語性を与えることができます。
以前の私は、SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Artを好んで使用していました。しかし、プロのフォトグラファーとなった今、より広角な24mmレンズで視野を広げることは、私が特に試してみたいと考えていたことです。なぜなら、様々なブランドと協業している最近の仕事では、より広角な画角に挑戦することが求められており、求められるスタイルや画が、広角レンズでしか成しえないものだからです。また、これまで以上に求められるエディトリアルでファッショナブルな作風を得ることにも挑戦したいと思っています。







SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artは、私のこのように多様な使用用途に完璧にマッチした製品です。私がブランドや代理店のために撮影するときは自然光のもとでの屋内撮影がほとんどですが、開放F値1.4のこの24mmの単焦点レンズであれば、難なく、理想の画を手に入れることができます。
屋外での撮影や決められたスケジュールがある撮影では、MFロックや絞りリングなど、全ての機能が本体に組み込まれているレンズに助けられます。より効率的に作業を進められますし、カメラのメニューをひとつひとつ操作する必要が無いのでワークフローを大幅に短縮することができます。このレンズは正しく活用すれば、一瞬にして私や私のカメラと一体となり、その能力を高めてくれます。さらに使用感はとても自然です。
ミニマリストの私は、仕事の撮影でも、個人的な課題のための撮影や旅行でも、機材を最小限に抑えるよう心がけています。そんな私にとって、このSIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artは、私のワークフローや撮影スタイルに適した「頼れる一本」であると断言できます。
軽量なボディで扱いにくさも全くないことから、特に旅行や長距離のハイキングに出かける際に必携のレンズと言えるでしょう。

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ABOUT
サヒム・アメッド
周辺環境ポートレートフォトグラファー
高校・大学で科学を学んだ後、コンピュータ科学の学位を取得。在学中、写真やアートに興味を持ったことをきっかけにSNSで写真の投稿を始める。学位取得後にフルタイムの写真家としてパリを拠点に活動を開始。写真を通じて自身が感じたこと、経験したことを表現する。趣味は旅行、ハイキング、ロードトリップを通じて異文化を体験すること。音楽など写真以外での芸術表現も行う。