撮りたい情景の核心を捉えるレンズ
ART
24mm F1.4 DG DN
Special Impression
by リアム・ドラン|Liam Doran

友人らとのサイクリング。前を走る彼らに追いつこうと上り坂でペダルを踏み込むと、額から汗が流れ落ちてきます。暖かく、まぶしい午後の陽光がポプラの葉の間から揺らめく様は、目がくらむように美しく、万華鏡のよう。遠くの山々は、冬に降り積もった雪の重みから徐々に開放され、私が求めるイメージに完璧な背景を添えています。バックパックには単焦点レンズが1本。それがSIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artです。私は友人を引き止め、「ここで撮影しよう」と宣言します。カメラをバックパックから引っ張り出し、崩れそうな岩々の間を歩きまわり、イメージを組み立てます。景色のなかを駆け抜ける自転車に向かってシャッターを押せば、写真のできあがりです。


※ 撮影データの記載なき写真はSIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art 以外のレンズで撮影されています。

この情景のなかで過ごした時間は、写真のなかで何度もよみがえります。これは偶然のなせる技ではありません。私は屋外に広がる世界を、観察者としてではなく、その世界に積極的に関わる者として撮影しています。サイクリングやスキー、ハイキング、釣りに出かける時、その道中で私はいつも写真を「見て」います。そのときに捉えたイメージを心の引き出しに収め、カメラを携え戻ってきたときに、心に収めた情景を現実のものとして捉えるのです。

アウトドアフォトグラファーにとって、物事をシンプルに保つことには、多くの利点があります。撮影が効率的になり、撮影したい情景の核心を捉えられるようになります。「シンプルさの追求」を、技術的にも美しい方法で完璧に実現するのが、広角レンズのSIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artです。
詳しく説明しましょう。SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artは、期待にたがわず、隅々まで信じられないほどシャープな画を生み出してくれます。このレンズは見事なコントラストを実現し、色再現性も素晴らしく、歪曲収差もほとんど見られません。F1.4の明るさにより、低光量な環境でも素早く焦点を合わせることができます。そのため、早朝や夕方の撮影にとても重宝しています。また、実用的でエレガントな絞りリングも備えています。72mmのフロント側はネジ式になっているため、減光(ND)フィルターや偏光(PL)フィルターの取り付けも容易にできます。

このSIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artのように明るい単焦点レンズが多くの人から支持される理由に、広角での撮影は被写体を美しく、まるで映画のように際立たせられることがあげられます。このような場面では、非常にソフトで優しいボケも得られます。ただ、レンズから非常に近い距離の被写体を撮影する時には、ワーキングディスタンスがわずか5cmであることを忘れないようにしてください!
動画を撮影する人、あるいは動画と静止画のハイブリッド撮影をする人は、このレンズの機能性と画質に強い魅力を感じるでしょう。Lマウントを使用して撮影する人は、SIGMA fpやLUMIX Sシリーズ、Leica SLシリーズなどの小型ミラーレスカメラで撮影した場合に、ハリウッド映画のような仕上がりを期待できます。SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artには絞りリングが搭載されており、レンズの側面にある絞りリングクリックスイッチを使用すれば、クリックのある操作も、クリックの無い滑らかな操作も可能です。
パソコン画面上でLightroomを開き、サイクリング中に撮影した写真を見ていると、私の目は徐々に背景の山々にひきつけられます。そして私は思いを馳せます。山にはどのくらいの雪が残っているのだろうか?野生の草花はもう育っているだろうか?湖の氷は溶けただろうか?滝はどれほど大きいだろうか?確かめる方法はひとつしかありません。靴ひもを結び、SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artをバックパックに詰め、自分自身の目で見に行くのです。



高山での撮影は常にチャレンジングでやりがいを感じます。空気が薄いなかでの長時間移動は当たり前。天候は常に変わりやすく、行く手を「忌々しい雲」がいつもふさいでいます。それでも私は、ありのままの風景を撮影することを心がけています。空を入れ替えたり、別々の場所で撮影した前景と山々を組み合わせて風景を作りあげたりはしません。それがどんなものであろうとも、私は目の前にある風景をそのまま撮影します。
しかし、ありのままを撮影することには、リスクも伴います。なぜなら屋外での撮影には、多くの不確定要素が存在するからです。それでも、機材についての心配は無用です。SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artは、風景写真撮影に最適な広い画角を備えています。F16まで絞って撮影すれば、近距離から遠距離まで焦点を合わせたクラシックな風合いの画を得ることができます。またF2、あるいはF1.4まで完全に絞りを広げれば、野生の花を背景から際立たせることもできます。
開放F1.4なら、低光量な環境での写真や動画の撮影も容易に行えます。屋外での星空の撮影や、屋内での結婚式やコンサートの撮影では、F1.4の明るさに感謝することでしょう。


写真撮影は、私が周囲の自然界を体感するためのツールです。冒険に出かけるためのパスポートであり、私という存在を記録する手段でもあります。私は写真撮影に真剣に取り組む一方で、アートを楽しむ心を失わないようにしています。撮影現場に携える機材は、慎重に吟味します。私が選ぶのは、物語を表現するために必要なもの。それが全てです。私の目標達成に100%貢献するものでない場合は、それを切り捨てます。この10年ほど、私のバックパックにはいつもSIGMAのレンズが入っていますが、期待を裏切られたことは一度もありません。
SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artは、世界最高レベルの画質を実現した美しく精巧な超高性能レンズです。6100万画素のSIGMA fp Lなど、高性能カメラに搭載して撮影した画からは、目を見張るような細部の描写が得られます。
一体、このレンズは誰のためのものでしょうか?天体写真やコンサート、結婚式を撮影する人は、広角F1.4が表現する物語に、また風景写真家は、F16で撮影したカミソリのようにシャープな画や深い被写界深度に、それぞれ魅力を感じるでしょう。私にとってこのレンズは、"簡潔化された究極の洗練"そのものです。このレンズは明るくシャープであり、しかも小型で軽量です。私はこの素晴らしい汎用レンズを使用し、動きの激しいスポーツと風景の撮影の両方を楽しんでいます。SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artならば、ほぼ全てのフォトグラファーのバッグに居場所が見つかるに違いありません。




MORE PHOTO
ABOUT
リアム・ドラン
アウトドアフォトグラファー
コロラド・ブレッケンリッジを拠点に活動するアウトドアフォトグラファー。アウトドアスポーツ、ランドスケープ、ワイルドライフ、旅行写真などを撮影。世界中のDMOや代理店、商業・エディトリアルの分野でクライアントを持つ。