無限の可能性を秘めたアウトドア撮影

SIGMA 28-105mm F2.8 DG DN | Artは、その優れた汎用性で、多くの写真家に新たな世界を見せてくれるレンズです。ズームレンジの広さとF値2.8通しの明るさで、どんな場面でも、写真家のクリエイティビティを存分に引き出してくれます。

初めてこのレンズを手にして驚いたのは、その軽さとコンパクトさです。私の撮影スタイルには、軽量かつコンパクトであることはとても重要です。カメラバッグも軽くできますしね。また、新しい製品が手にすんなりと馴染んでくれるかどうかというのも、私にとっては非常に重要なポイントです。すなわち、焦点距離を変えたり、フォーカスをマニュアルで調整したりする時に、余分な動きを必要としないということです。その点、このレンズはとても操作性が高く、野外での撮影でも非常に扱いやすいレンズだと感じました。

このレンズがゲームチェンジャーとなる最大のポイントは、私の考えでは、望遠側が105mmまでという幅広いズーム域をカバーしていること、そしてF値2.8通しの明るさです。70mm以上をカバーしていることで、撮影の幅が大きく広がります。例えば、焦点距離70mmより被写体に寄りたい場合でも、レンズを交換する必要がありません。テレ端105mmまで、好きな焦点距離にズームして、シャッターを押すだけです。また、大口径 の明るいレンズなので、被写界深度の浅さを活かし、重要なディテールを際立たせた写真が撮影できます。

望遠側の焦点距離の長さと、開放F値2.8という明るさを同時に実現したことで、ポートレート撮影にも適したレンズになっています。被写体を背景から浮き上がらせて、画面全体に美しい深みを生み出せます。

また、F値2.8の明るさは、光量の少ない条件下での撮影も可能にしてくれます。弱い光でもしっかりとセンサーに届けられるので、暗めの撮影環境下でも撮影の自由度が高まります。

F値2.8で撮影した写真はとてもシャープな仕上がりで、それこそが私が高品質なレンズに求めているものです。開放で撮影できるということは、決定的な瞬間を逃さずに撮影できるという安心感があるので、自分の中にあるビジョンの具現化に集中できます。

SIGMA 28-105mm F2.8 DG DN | Artは、多彩な可能性を切り拓いてくれるレンズです。様々な撮影に活用できる、非常に汎用性の高い1本だと言えます。

このレンズは様々な撮影に活用できるレンズなので、私は、エストニア国内でも最も美しく多様性にあふれた自然が見られる場所である、Põhja-Kõrvemaa（プーヤ・クルヴェマー）自然保護区での撮影を試みました。ここはいつでも私にインスピレーションを与えてくれる場所で、訪れるたびに常に新しい発見があり、新たなアイディアが湧き上がってきます。

美しく力強い森が広がり、ところどころに起伏に富んだ丘陵地が点在するこの自然保護区内にはたくさんの湖があり、湖の中には島もあります。森の外れには広大なギョリュウモドキ（ツツジ科の低木）の群生地が広がり、8月に一斉に開花する様子は圧巻です。ここにはエストニアで最も美しい湿地帯もあり、朝、条件が揃えば、この湿地帯は深い霧に包まれます。日の出の時間、最初の日の光があたりを照らし出す中、ひとりきりでその光景の中に立つと、超現実的で神秘的な瞬間が体験できるのですが、私はこの特別な瞬間を何度も体験してきました。そうした多彩な美しい風景をつなぐようにハイキングコースが張り巡らされていて、キャンプ場もあります。SIGMA 28-105mm F2.8 DG DN | Artを試すにはうってつけの場所だと私は考えました。なぜなら、ここの風景は変化に富んでいて、興味深い細かなディテールがそこかしこにあるからす。私は自然の中にテントを張り、このレンズを携えて歩き回り、私の興味を引くあらゆるものを撮影してみることにしました。

こうした野外での撮影では、このレンズがカバーする焦点距離の広さはとても有難いもの です。風景全体を広い画角で捉えることも、普通なら見逃してしまいがちな自然の中の小さなディテールにクローズアップして撮影することも、どちらも可能です。キャンプ生活の楽しさを表現した写真も撮影してみました。何人かで一緒にアウトドアに出かけたなら、風景の中でのポートレート写真や、アウトドアを楽しんでいる人々の様子を捉えた写真も軽快に撮影できるでしょう。

大きな枠で言えば自分はネイチャー・フォトグラファーだと思っていますが、特にこの3年くらいは時間帯を問わず風景写真の撮影により多くの時間を割いてきました。自然の風景が持つシンプルで純粋な美しさが好きで、それが私の情熱を掻き立ててくれるモチーフです。自分自身に制約をかけないよう、自然の中を歩き回り、自分の目で見た瞬間を何でも捉えるようにしています。リアルでシンプルなものを好むのは、私の人生観でもあります。

私の写真は、ハイキングやキャンプ、旅行と強く結びついています。自然の中で時間を過ごし、その場の音や環境の中に身を置くことで、身も心も落ち着きます。私の人生のバランスを整えてくれる大切な時間です。そのおかげで、日々の暮らしの中でも、より良い人間として周囲の人々と接することができます。

自然の中での時間と同様、海外への旅も私に常に刺激を与えてくれます。世界中の人々の営みの多様さは、私にとってインスピレーションとなり、多くの気付きをもたらしてくれます。写真という観点では、自分の国と全く異なる環境を捉える過程の中に、常に何か新しい学びがあると感じています。そうして得られた新たな知識を自分の撮影ワークフローの中に取り入れることで、写真家としても成長できます。

写真撮影では、自分のまわりで起こっていることを「見る」という能力がすべての出発点です。風景の細かなディテールに目を向けること、光の効果を捉えること、ひとつのイメージの中で複数の要素を相互作用させてストーリーを紡ぎ出すこと。日常生活とは違って、自然の中ではすべてを効率よく片付けていくことなどできません。急いでいると、シンプルで美しい瞬間を見逃してしまいます。この「見る」という能力こそが、最も重要で、そして最も難しいスキルだと私は思います。幸いなことに、リラックスしてじっくりと時間をかければ良いのだということは、自然も教えてくれます。そうすると、結果的に、その時の冒険や経験はより強く記憶の中に刻み込まれて、一生忘れられない思い出になります。写真は、その結果についてくる素敵なデザートみたいなものなのです。

新しいSIGMA 28-105mm F2.8 DG DN | Artは、私の写真の世界により大きな汎用性をもたらし、より豊かな可能性を広げてくれるレンズだと思います。この素晴らしいレンズが1本あれば、失敗することはないでしょう。このレンズを携えて自然の中に赴き、記憶に残るような時間を過ごしさえすれば、素晴らしい画質の写真を数多く生み出せるはずです。