小さくて軽い。
アウトドアの楽しみを
広げるズームレンズ。

写真の心理学には長い間魅了されてきました。このテーマには様々な側面がありますが、その中でも特に興味深いのは、人がどのような写真に惹かれてしまうのかということです。当然、これは個人差がありますが、それを無視していると危険なので、その理由を説明します。私は常に自分の写真に対する人の考えに興味を持っていて、プレゼンテーションの後に「お気に入りの写真は何でしたか」とよく聞きます。私は賞賛を求めているわけでも、自分の虚栄心に迎合しているわけでもありません。どのようなイメージが人々の反応を引き出したのか、その理由は何か、ということに純粋に興味があります。多くの場合、人々はなぜその写真が好きなのか説明できません。それは良いのですが、どのようなイメージが人々と効果的に繋がっているのか理解しないことには、私たちはより良いビジュアル・コミュニケーターを目指すことができません。

いくら写真家として自分が優れていると思っていても、道行く人たちとコミュニケーションを取ることができなければ、彼らが理解できる言葉で話すことができなければ、一瞬で私たちの提案を明確に理解してもらうことができなければ、私たちは失敗してしまいます。多くの写真家が犯している間違いは、一般の人には伝わらないような複雑なレベルのイメージを作ってしまうことであり、それはメッセージが伝わらないことを意味しています。この考え方は、より収益性の高い写真家になりたいという衝動や、人々が購入する可能性が高い写真だけを追求したり、インスタグラムでより多くの「いいね！」を獲得したりしたいという衝動に駆られているわけではありません。写真家として目指すべきものの基本はより良いビジュアル・コミュニケーターになるということです。作品が売れることや、多くの「いいね！」を得ることは第一の動機になるべきではなく、深く理解してもらった先に得る報酬であるべきです。

過去14年間スコットランドのハイランドで行ってきたワークショップの中で、私が提示しているチュートリアルの対象にもなっている私のもう一つのマントラは、「混沌から秩序を作る」というものです。私たちは視覚的なカオスに囲まれており、写真家としてそれを解読することを学ばなければならないのです。朝、目を開けた瞬間から、私たちは絶えずイメージの洪水に見舞われていますが、写真家としては、その中に込められた視覚的なメッセージを解読しなければなりません。光、グラフィック、色、テクスチャー、パターンを使って、私たちが存在する3次元の世界で見たものを、写真という2次元の世界に翻訳しなければなりません。私たちの多くが学んだように、それは言うは易く行うは難しです。

先日、ハイランド地方を訪れた際に、私はこのクラスのレンズでもっとも小さく軽量なSIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryで主に撮影することを実践しました。私は以前から風景写真には28mmのレンズを使うことを提唱してきましたが、個人的な仕事ではこれ以上広角の焦点距離を使うことはほとんどありません。焦点距離28mmは、広角の焦点距離に見られる前景が不自然に強調されるディストーションがない、拡大率と画角の完璧な組み合わせだと私は信じています。しかし、このレンズで本当に際立っているのは、そのサイズです。私たちは何年も前から小型軽量化を求めてきましたが、ついにそれが実現しました。このようなレンズがあれば、重いカメラバッグを背負うことなく、画質に妥協することなく、山を歩き回ったり、海を漕いだりすることができます。このレンズがあれば、写真家は機材の負担から解放され、結果的にアウトドアを楽しむことができるでしょう。

風景の中で仕事をすることは、大きな景色を撮影するのと同じくらいやりがいがあります。私はこの写真のジャンルを「マクロ」ではなく、「親密な風景」と呼んでおり、従来の風景写真のように、始まりと終わりがある必要があります。つまり、これらの画像は、図鑑の中にあるような数種類の岩の上のコケの写真にとどまってはいけないのです。写真家の目で見出したいくつかの要素が構成するもの、それらと自分との関係性が重要なのです。このようにして作り上げた作品の良いところは、それが誰にも模倣されることのない、自分だけの作品になるところです。

約6100万画素のSIGMA fp Lと、近距離撮影用に最適化されたSIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryを使って、混沌から秩序を作るため、数時間かけて凍てついた滝を撮影しました。ともすればいわゆる「氷瀑の写真」を撮ってしまいそうになります。しかし大きな氷の塊も印象的ですが、見ようと思えばもっとたくさんのものがあります。ここで重要なのは、私たちの祖先が食料を求めていたときに行った方法と同じように、獲物を探すような目で見ることです。よくよく見ても何も得られず手ぶらで帰ることになる場合も多いですが、より親密なレベルで風景とつながれることもあります。