私が大切にしているのは、
インスピレーションをイメージに
昇華させること。
ポーリン・シャダン
Pauline Chardin
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 200, F7.1, 1/125s
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 200, F4.5, 1/160s
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO200, F4.5, 1/1000s
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 250, F4, 1/2000s
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 250, F4.5, 1/2000s
SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 200, F4, 1/1250s
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 200, F7.1, 1/100s
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 400, F8, 1/125s
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 400, F16, 1/160s
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 400, F4, 1/3200s
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 400, F4, 1/3200s
SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 400, F4.5, 1/3200s
初代DP1以来、Merrill、Quattro、fpと、ずっとSIGMAのカメラを愛用しています。以前は旅の写真にはもっぱらコンパクトなレンズ一体型カメラを使っていましたが、fpを使うようになってからは、レンズの選択肢が増えたおかげでより豊かでクリエイティブな撮影ができるようになっています。夫の所有するLeicaのヴィンテージレンズも借りれば、Lマウントのシステムカメラとして楽しめる点も気に入っています。私の表現活動の領域は写真だけでなく、グラフィックデザインや絵画など多岐にわたるのですが、このことが私の写真表現のスタイルにも大きな影響を与えていることは間違いありません。
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※ 以下撮影データの記載なき写真はSIGMA fpと65mm F2 DG DN | Contemporary以外のレンズで撮影されています。
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Iシリーズのレンズを手にして最初に感じたのは、何よりもそのコンパクトさですね。加えてSIGMA fpのボディとの完璧なバランスも。初めてカメラに装着したにもかかわらず、まるでボディの一部であるかのような佇まいですね。そして少し使っただけでも、レンズそのものの質感の高さや、絞りリングの何とも言えない操作感に魅了されてしまいます。
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あなたの仕事について教えてください。また、この分野で活動することになった経緯を教えてください。
私の職業は、クリエイティブディレクター/ファッションディレクターです。この仕事には全方位の視点と知見が求められるので、古今東西のアートや建築、デザイン、美容、テクノロジー、食、ライフスタイルまで、常に幅広くチェックしています。私の仕事は、膨大な量の情報を吸収し、そこから目の前のクライアントに最適化したエッセンスを抽出して提示すること。イメージとその意味を適切に伝えることに情熱と関心をもっているし、私の仕事にとって何より大切なことは「ストーリーテリング」なので、そういうところが気に入っています。最も大事なことを、相手にとって最適な方法で伝えること。それが私の仕事の本質なのです。
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あなたの人生やキャリアにおいて写真はどのような役割を果たしていますか?
写真を撮るようになったきっかけは、自分が心動かされたものごとを余すことなく記録したいと思ったこと。写真を通して自分の世界観や、自分が感じた美や感動をそのまま伝えられる手段としてこれ以上のものはなかったし、それによって新たなクリエイティブのアイデアやインスピレーションを得られる可能性を大いに感じたからです。私たちは膨大なイメージの世界に生きており、他者のビジョンからインスピレーションを得る機会も多いけれど、一方で、自分で撮影したものから得るインスピレーションもまた違った刺激になるんです。時とともに私にとっての写真の重要性は増していて、今では最終的な表現手法として不可欠なものになっています。昨年、夫と私はパリを離れ、田園地帯の一軒家に引っ越しました。現在は、風光明媚で自然豊かなこの地でゆったり暮らしています。一年を通して素晴らしい光に恵まれているこの環境はまさに写真を撮るのにうってつけのフィールドといえますね。
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SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary, SIGMA fp, ISO 400, F6.3, 1/640s
自分のスタイルを作るには?
自分が本当に心動かされるものしか撮らないようにしています。そうしていれば、自分の作品の中に「パターン」が見えてくるんです。常によりよい写真を求めて努力することで、自分自身がどう変化していったとしても、撮らずにはいられない被写体やシーンと出会った瞬間、直感が働くようになるはず。言ってみれば完璧なエスプレッソを作ろうとすること――終わることのない旅のプロセス自体を楽しむことーーに近いのかもしれないですね。クリエイティブディレクターとしての私の仕事をひと言でいうなら、「本能と理性のバランスをとること」でしょうか。そして、これこそ私が写真で目指しているものです。作りこんだスタイリングを必要とする商業的な仕事であっても、常に効果的な芸術的表現が選択できる余地を残すように意識しています。ドキュメンタリー風の撮影スタイルが好みになってからは特に、スタジオという完全にコントロールされた環境でも自分らしいクリエイティブな表現を発揮するために、予定調和的でない、偶発的で創造的な余地を残しておく必要があるのです。
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なぜIシリーズはあなたにぴったりなのか、そしてIシリーズのその体験を表現するにはどのような言葉を選びますか?
Iシリーズの魅力とは、私が何より大切にしている「自由」という感覚に凝縮できそうです。
ミニマルで洗練されたデザインなので、カジュアルな外出にも、プロフェッショナルとしての撮影でも使えますし、その点で普遍的な価値を感じます。コンパクトでバランスのとれたプロポーションは必要以上に自己主張しないので、被写体との間の心理的な障壁にならずに撮影できるのです。操作に気を取られなくて澄む「道具」であり、ただただ撮ることに集中できる点でも、全幅の信頼を寄せています。とにかくこの万能さが大好きなんですよね。私のように建築からインテリア、料理から旅先でのスナップまで多岐にわたって撮影する身には、F2からF22の絞り値があるとクリエイティブの自由度がぐっと上がるのですが、そこも気に入っています。
3つの言葉でその魅力を伝えるならば、普遍的で、親しみやすく、多目的に使える。そういうレンズですね。
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