景色にメロディーを吹き込む写真
CONTEMPORARY
20mm F2 DG DN
Special Impression
by 岩﨑 綾|Aya Iwasaki

これまでどんな撮影機材を使われてきたか教えてください。
また、フォトグラファーとしての(写真を撮り始めてからの)経歴も簡単にお聞かせください。
コンパクトカメラから一眼、ミラーレス一眼へと移行していきました。SIGMA fp Lをメイン機として使いはじめてから表現の幅がより広がったと感じています。レンズは単焦点やズームレンズ、超広角から望遠まで幅広く使用しています。機材選びの基準は描写力と機能性です。この二つを重視し最適な物を選んできました。
2011年に北海道へ移住し、風景や野生動物を撮り続け、個展や写真販売を行ってきました。また、クラウドファンディングに挑戦したり、国際コンテストに応募、受賞しながら自分の写真の腕を磨き、写真事務所「OZORA PHOTO OFFICE」を設立し、現在フリーランスフォトグラファーとして活動しています。

SIGMA Iシリーズの新製品「20mm F2 DG DN | Contemporary」の印象をお聞かせください。
SIGMA Iシリーズの新レンズ20mm F2 DG DN | Contemporaryの最初の印象は「質実剛健」です。お馴染みのIシリーズですが、またもや製品クオリティの高さに驚かされました。fp Lとの組み合わせは最適で、抜群の解像感はもちろんのこと、非常に軽量でコンパクトなので長時間の撮影でも疲れ知らずで、むしろ心地よささえ感じさせてくれます。自分が華奢な体型な為、首や肩に負担が少ない機材は軽快な撮影ができて非常に助かります。20mmという焦点距離は、私のメインの撮影地である北海道の雄大な風景を存分に表現できます。24mmでは少々狭く、18mmでは広すぎるというような場面で20mmは丁度良く、重宝するシーンが多々ありました。

※ 撮影データの記載なき写真は20mm F2 DG DN | Contemporary
以外のレンズで撮影されています。



ご自身のフォトグラファーという職業についてのご説明をお聞かせください。また、今のポジションに至った経緯も教えてください。
主に風景や野生動物の写真を提供しています。依頼を受けて撮り下ろしをするか、ストックフォトから選んでもらっています。依頼主がなぜその写真を選んだのかを考察する事も楽しく、好奇心をそそられます。今の職業が続けられているのはシンプルに好きが高じてだと思います。仕事の中で様々な人との交流があり、応援してくれる人たちに出逢うことが出来ました。その方々の言葉や支援に後押しされて今があるんだと感じます。
また、北海道に移住した事も転機となりました。初めて本格的に根を下ろして撮影したいと思えた場所でした。それまではどこに住んでもしっくり来ずに、ここではないどこかを探して旅していたように思います。
移住してから10年が経ちましたが未だに全然撮りきれていないと実感しています。まだまだ自分が見落としているシーンがある、それはこれからも撮り続けていく十分な理由になっています。新しい場所に赴く時はイメージを膨らませて絵に描いたりもしますが、結局は現場にあるものを活かしながらアレンジ、もしくは即興的に撮っています。




あなたの生活やキャリアの中で、写真はどのような役割を果たしていますか?
写真は心を豊かにし、イマジネーションを膨らませ、色々な事に気づかせてくれる存在です。続ける中では楽しい事ばかりではなかったですが、やはり写真には癒しの力があり、救われてきたところが多分にあります。
また、言葉がなくても他者と共有、共感が出来る素晴らしいツールであると言えます。言葉にすると陳腐に感じるかもしれませんが、どうせなら夢や希望、生きる力を共有したいですね。

今のご自身のスタイルはどのように確立したのでしょうか。
写真は自己表現や自分自身を探求する手段なので、興味を持った対象物を積極的に撮り続けてきました。飽きずに毎日同じものを繰り返し撮っていたので、他人からはそんな無駄な事をしてと呆れ顔で言われることもありました。「無駄かどうかは自分が決める。」と切り返していましたけれど。ある島では半年間、ネット環境を繋がずに撮ることに専念した時期があり、今ではその時間の貴重さがよく分かります。真摯に写真と向き合ってきた積み重ねが自分の核となりスタイルとなっているのかもしれません。
また、私はよく音楽を聴きながら撮影、現像をしています。音楽と一緒だと景色がより一層輝きを増していくからです。無音のはずの写真からリズムが生まれメロディが鳴り出し、見えないものまでをも写しだす。目指すところはその域にある写真です。


ご自身と今回のIシリーズとの共通点を教えてください。また、Iシリーズを3つの言葉で表現するとどんなワードになるか教えてください。
自分とIシリーズの共通点は一切の妥協を許さないところでしょうか。共通点というよりも、そうでありたい、そうでいようという自分の意志ですね。また、主張が無いようでいて静かな芯の強さを感じるところや、臨機応変に対応するところも自分と共鳴する部分です。
このレンズには作り手の並々ならぬ情熱が凝縮されています。
Iシリーズを3つの言葉で表現すると、やはり「軽量・コンパクト・洗練」に尽きると思います。このように三拍子揃った個性的なレンズはそう多くはないでしょう。
その3つの言葉を足すと「充足感」というひとつの言葉が浮かんできます。


MORE PHOTO
ABOUT
岩﨑 綾
フォトグラファー
埼玉県出身、北海道在住。
2011年北海道へ移住、風景や野生動物を撮り始める。
2017年クラウドファンディング「ドローン空撮による北海道を発信」を企画、達成。
現在写真事務所「OZORA PHOTO OFFICE」を設立しフリーランスフォトグラファーとして活動中。