2018.09.25

レンズ

ライカ、パナソニック、シグマの三社による戦略的協業「Lマウントアライアンス」

ライカ、パナソニック、シグマの三社による戦略的協業「Lマウントアライアンス」

ライカカメラ社(Leica Camera AG、本社:ドイツ・ウェッツラー、以下ライカ)、パナソニック株式会社(本社:大阪府門真市、以下パナソニック)、および株式会社シグマ(本社:神奈川県川崎市、以下シグマ)は、フォトキナ2018の開催に先立ち、記者会見にて三社による戦略的協業を発表致しました。「Lマウントアライアンス」と名付けられたこの協業は、これまでに前例のない協力関係であり、特に参加各社の商品をお使いのお客様にメリットをもたらすものです。この協業によりパナソニックとシグマは、ライカの開発したLマウント規格を利用して自社の製品開発を行うことが出来るようになり、このレンズマウントを搭載したカメラやレンズを提供することが可能となります。今後、三社が協力しあって製品の開発を進めていくことにより、Lマウント技術の重要性が、これまで以上に写真界で認められることになるでしょう。

協業する三社から提供される数々のLマウント互換製品群により、システムカメラの拡張性が広がり、幅広い写真撮影のニーズに対応することが期待されます。カメラのシステムで最も重要なインターフェースは、レンズ交換を容易にするバヨネットです。レンズこそが画像性能に決定的な影響力を持ち、また最終的な写真の品質を左右します。ライカ、パナソニック、シグマの戦略的協業により三社が同じバヨネットマウントを共有することで、お客様はこれまでのように一つのブランドに縛られることなく、幅広い選択肢の中から必要な機材を選択することができるようになります。

ライカカメラ社主のアンドレアス・カウフマン:
「写真家にとって、自身の好みのシステムで、幅広いレンズの選択肢があることは、とても重要なことです。特に成長著しいミラーレスカメラ市場では、様々な写真のニーズに対応するために、ユーザーは製品に関して、これまで以上の多様性を求めています。このため当社は、これらの要望に直ちに応えるために、写真業界の優れたパートナーと協業することを決定いたしました。当社とパナソニックの長年にわたるパートナーシップは、お互いの信頼関係に基づくものであり、パナソニックの電子分野は疑問の余地のない最高レベルのものです。シグマもまた、非常に尊敬されている企業であり、特に光学設計とレンズ製造の分野では、確固たる地位を築いており、当社のLマウント製品のポートフォリオを、完璧に補完してくれるものと信じています。私達三社は今回の協業を通じて、今後とも安定した成長を続けることが出来るものと信じています。」

パナソニック専務執行役員の本間哲朗:
「パナソニックは、「デジタル時代の新たな写真文化の創造」をテーマに、最先端のデジタル技術を駆使して革新を起こしてきました。そして、ライカとの長年にわたるパートナーシップを通じて、ライカの優れた光学技術とパナソニックのデジタル技術を融合させ、数多くの高性能で高品質なデジタルカメラを世に送り出し、世界中の写真愛好家に向け、より簡単に、より洗練された、より楽しい体験をお届けすることに注力してきました。今回のライカ、シグマとのLマウントアライアンスにより、優れたデジタルカメラの開発を一層加速します。そして、成長する会社が結束した本協業はデジタルカメラ業界に更なる変革もたらし、新たなビジネスチャンスを創出するとともに、世界中の写真愛好家に更なる感動をお届けできると確信しています。」

シグマ代表取締役社長の山木和人:
「カメラのデジタル化とミラーレス化の進展にともない、お客様のニーズも各メーカーが採用するシステムも多様化しています。現在、ユーザーには多くの選択肢があるものの、拡張性と可能性の点で真にユーザーニーズを満たすシステムはまだないように思います。SIGMAは、このアライアンスによって、ショートフランジバックによるメリットを活かせるミラーレスカメラを開発します。革新的な製品開発を続けるSIGMAは、この協業により、カメラシステムの完成度と拡張性を高め、さらなるユーザーメリットを提供できるものと確信しています。ライカは100年以上にわたって写真文化に貢献し続けている素晴らしい企業です。またパナソニックは、様々な分野で信頼性の高い技術により開発を続ける業界のリーダーです。SIGMAのユニークで高性能・高品質の製品とともに、このLマウントシステムはユーザーにとって非常に魅力的なシステムになるでしょう。」

Lマウントについて
ライカカメラ社によって開発されたLマウントは、豊かな将来性と柔軟性がある、堅牢かつ精密なバヨネットマウントをお客様に提供すること、しかも最も厳しい撮影ニーズにも対応できること、を目的としています。2014年にライカT用のマウントとして登場して以来、Lマウントは、ライカおよび協業パートナーによって継続的に改善、進化してきました。その結果、Lマウントは常に最新の技術を搭載し、これまで以上に洗練されたものとなっています。

製品の多様性を最大限に確保するためにマウントは51.6ミリ径を採用しました。Lマウントはフルフレームカメラだけでなく、APS-Cセンサー搭載カメラにも使用可能です。20ミリのショートフランジバックにより、レンズとセンサー間の距離が短くなり、その結果、レンズの小型化が可能となっています。これは特に広角レンズの設計において大きなメリットとなります。厳しい使用環境での極度のストレスに耐え、長年の使用においても、お客様に最大限の信頼性を保証するため、カメラバヨネットは耐摩耗性の高いステンレス鋼で作られています。4つのマウント爪によりぐらつきを抑え、レンズの装着がより確実かつ正確に行えます。そして標準化されたLマウントの電気接点により、レンズとカメラの間の通信がトラブルなくスムーズに行われます。また将来、必要に応じてレンズのファームウェア更新も可能です。常に最新のファームウェアが搭載されることによりレンズの持つ潜在性能をいつも最大限発揮できようになります。

このレンズマウントは現在、ライカSL、ライカCL、ライカTL2で使用されています。様々に異なるシステム用に作られたすべてのレンズが、アダプターを必要とせず、また何らかの機能的な制限もなく、すべてのカメラに利用可能です。共通バヨネットがお客様にもたらすメリットは、数多くありますが、これはそのほんの一例です。近い将来、ライカだけでなく、パナソニックおよびシグマもこの共通規格に基づいた製品を発表する予定です。


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