スノーボード撮影における最強の相棒
セバスチャン・ミッターマイヤー
Sebastian Mittermeier
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV, ISO 200, F5.6, 1/2500s, 146mm
私は南ドイツ出身のアウトドアフォトグラファーです。アウトドア業界のクライアントと仕事をし、風景やスポーツ、ライフスタイルを撮影することが多いです。私にとっては、自然の中で、また自然と共に体験することがすべてです。撮影に出かけるとき使用する機材は、常に考える必要がなく、完全に信頼できることが重要です。レンズは多目的に使えるものであればあるほど良く、なぜなら、どのような焦点距離が必要になるか正確に予測できないことが多く、レンズを交換する時間がない場合もあるからです。
特に、ウィンタースポーツとなると、その重要性はさらに増します。冬場は自分のポジションを素早く変更することが難しくなるため、非常に幅広い焦点距離をカバーできるレンズが手元にあると助かります。私の場合、それがこの、フルサイズミラーレスカメラのために開発された新しいSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS|Sportsでした。そして、すぐに気づきました。軽量な設計のおかげで、カメラバッグの中に焦点距離600mmでも撮れるレンズが入っている感覚がないのです。私が望遠レンズが絶対的に好きということもありますが、これはすごいことです。
※ 撮影データの記載なき写真はSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports
以外のレンズで撮影されています。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV,
ISO 250, F5.6, 1/2500s, 73mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV, ISO 250, F5.6, 1/4000s, 309mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV,
ISO 200, F5.6, 1/4000s, 94mm
この日の予定は、始発のゴンドラでシュトゥーバイ氷河に登り、スノーボードのアクションショットを撮ることで、それはつまり、早朝に起きなければいけないことを意味していました。ワクワク感は最高潮でも、この早起きが一番大変だったりします。しかし、白い山の頂に最初の太陽の光を見たとたん、すべての疲れが吹き飛ぶのです。少なくとも私はいつもそう感じています。シュトゥーバイに到着して驚いたのは、前の週末に降ったにもかかわらず、雪がほとんどないことでした。どうやらその前は、まだここは緑のままだったようです。標高3000mを超える場所なのに積雪はわずか1.5mほど。ですからスポット探しに苦戦するのは間違いありませんが、目の前の状況に応じてベストを尽くすしかありません。
私自身もカメラ機材を背負ってライディングします。スノーボードを楽しむためにわざわざ氷河に登り、撮影までする必要があるのかと思う人もいるかもしれません。しかし私にとっては、アイデアを持ってフィールドへ出かけ、作品に表現して持ち帰れることほど素晴らしいことはないんです。特にこのような絶景を前にしては! 高い峰に囲まれた素晴らしい自然が待っているのに、カメラを家に置いて徒手で出かけていくなんてできません。私にとっての山は、飽きることのない最高の被写体なのです。ですから、この60~600mmの焦点距離をもつレンズがあれば、たった1本で多彩な作品が撮れることは最初から確信できました。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV,
ISO 200, F5.6, 1/5000s, 138mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV,
ISO 200, F6.3, 1/2000s, 168mm
クルーと被写体を兼ねて、ガボールとローレンツという仲間と一緒に赴きました。2人ともスノーボードの経験が豊富で、アイスバーンの位置も熟知しているアスリートです。自分の技量と行動に対する見通しの精度が高く、その時々のコンディションを正確に判断できる彼らと一緒に仕事をすると、仕上りのレベルがぐっと変わります。フォトグラファーとしての私の考えと、クルーとしての彼らの実現可否の判断のバランスがとれている必要があるからです。そのうえカメラマンと一緒に仕事をした経験があり、撮影に最適なスポットを見分けられるアスリートであれば百人力です。複数のエキスパートの眼で撮影に最適なスポットやアングルを探しながら、作品作りのアイデアを出し合えるからです。しかし、何よりも肝心なのは「楽しい時間を過ごすこと」なのです。撮影の成果を高めるために無理強いせず、アスリートとしての意見を信じて、撮影者/演者の区別なく皆が納得できる作品を一緒に考えるプロセスを楽しむのです。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV,
ISO 200, F6.3, 1/3200s, 600mm
私たちが見つけたほとんどのスポットには、頂上に戻るためのリフトがありませんでした。自分の足で登っていかなければなりません。標高3000mでフル装備、スノーボードとくれば、すぐに疲れてしまうのは想像できますよね。そのため、例えば写真がシャープでなかったという理由で、すべてやり直しなんてことになれば、それはライダーにとって良いニュースではありません。幸いなことに、新しいSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sportsは、超優秀で信頼性の高いオートフォーカスを搭載しています。雪がたくさん舞う中で流し撮り撮影をしても、 インテリジェントOSのおかげもあり、シャープな写真が問題なく撮れるのです。
撮影では三脚を使う必要もありませんでした。個人的には、三脚の使用はあまり好きではないので、とてもうれしい発見でした。もちろん、三脚を使わないと難しいシーンも時にありますが、私は手持ち撮影が好きなのです。 デュアルアクションズームも非常に役に立ちました。直進ズームはズームリングを使うよりもずっと速い操作が可能です。特に、同じシチュエーションを無制限に繰り返すことができない撮影の場合、押したり引いたりする動作だけで焦点距離を素早く変化させられるのは本当に素晴らしいです。ローレンツとガボールは、再撮影のために頻繁に斜面を登る必要がないことを高く評価しています。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV,
ISO 200, F5.6, 1/2500s, 94mm
雪山での撮影では、レンズを酷使せざるを得ません。ですがSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS|Sportsは撥水防汚コートが施されているので、問題はありません。私にとって重要なのは、撮りたいものに集中できるということ。例えば、雪の中で寝転んだときに、機材がその環境に耐えられるかどうかなど考えたくはないのです。特にアウトドアフォトグラファーにとっては、天候が味方してくれるとは限らない状況のほうが多いのですから。私の考えですが、雲一つない晴れた日でないときの方が、最高の作品が得られると思います。雲があって、空がドラマチックに見える方が、作品はより面白くなります。
このレンズは本当に素晴らしいレンズだと言えるでしょう。焦点距離に対し、非常にコンパクトで軽いので、スノーボード以外の撮影にも最適だと思います。例えば、機材を持ってハイキングするような場合でも。しかも、クオリティを犠牲にする必要はありません。60mmから600mmのレンジは、汎用性がとても高いので、このレンズを使ってさまざまなシチュエーションを撮影するのは楽しいです。アクションショットであろうと、風景であろうと、ライフスタイルであろうと、このレンズがあれば何も心配しなくて大丈夫。ただ出かけて楽しむだけです。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV, ISO 200, F6.3, 1/2000s, 423mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV, ISO 200, F6.3, 1/2000s, 144mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV,
ISO 200, F5.6, 1/4000s, 360mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV, ISO 250,
F5.6, 1/4000s, 232mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV,
ISO 200, F6.3, 1/2000s, 402mm
スノーボードを撮りたいのであれば、三脚を持ち出して何かが起こるのを待つのはお勧めしません。もちろん、三脚を使えば安定しますが、写真を撮る前にカメラを持って歩き回りましょう。斜面を登ったり下りたり、地面に寝転んだり、立ち上がったり。被写体を分離できるようなアングルを探すこと。それが重要で、そうすることでより良い写真が撮れるのです。山はもちろん素晴らしい背景ですが、空中を飛ぶスノーボーダーにピントを合わせると、目には雑多に映ります。写真はすっきりしている方がいいんです。望遠レンズはフレームにすべてを収めることはできないので、その点では有効です。最後に、恥ずかしがらずになんでも質問することをお勧めします。可能であればアスリートと話をすることです。何が起こるかを知っていればいるほど良いのです。例えば、そのアスリートがスノーボードに乗るときのスタンスなど、シンプルなことでもよいのです。それはつまり、彼/彼女の右足が前に出ているのか、左足が前に出ているのか。簡単なことですが、このような細かいことに気を配らないと完璧なフレームで撮影しても、ライダーの背中しか見えないということが起こり得ます。アスリートと話し合い、何をやってみたいかを聞いて、一緒にプランを練ってください。それとできればトランシーバーも持参してください。遠くから声を掛け合うだけでとても楽になります。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV,
ISO 200, F6.3, 1/4000s, 423mm