SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
窓の外に広がる世界
サイモン ロイ
Simon Roy
私にとって、野生動物の写真は最も難しい分野のひとつですが、自然の美しさを捉えるという挑戦こそが私を惹きつけます。そしてもちろん、ただ自然の中で過ごす時間が好きだということも野生動物写真を撮り続ける理由です。私の写真は単なる写真というより、その一瞬を切り取ることを意図してあらかじめ自分の中でイメージしたものが多いです。光、構図、露出、色などすべてを考慮し、被写体の美しさや個性だけではなく、一般に評価されていないものや見落とされているものを表現したいと思っています。
私は最近、庭で野生動物を撮影する新しいプロジェクトを始めました。キッチンで作業し、開いたパティオのドアから撮影します。私の位置は動かすことができず、また比較的狭い場所でもあるため、よりクリエイティブな構図づくりが可能な望遠ズームレンズを使うのが最も現実的と判断しました。そしてこれがちょうどSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS|Sportsを手に取る機会と重なったのです。私はすでにSIGMAの製品を所有していますので、デザインや構造の優れた製品であることは初めから期待していたのですが、このレンズの外観と操作性には圧倒されたと言わざるを得ません。美しい見た目と人間工学に基づいた使い勝手ももちろん大切ですが、最も重要なのは、レンズが実際にフィールドでどのように性能を発揮するかであり、それはAFと画質の二点に集約されると考えます。
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III, ISO 500 , F6.3, 1/200 s, 427mm
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III, ISO 400 , F6.3, 1/125 s, 504mm
今回の庭を舞台にしたプロジェクトの主役は、恥ずかしがり屋だけれどとてもハンサムなオスの鷽(ウソ)です。この比較的小さな鳥を撮影するためには、焦点距離を最大にし、背景をぼかすために絞りを開放にして撮影しなければなりません。これはどんな望遠ズームにとっても厳しい条件です。何事も第一印象が重要ですが、このレンズも最初からその性能を十二分に発揮し、良い印象を与えてくれました。AFは速くて正確ですし、撮れる画は非常にシャープでありながら、ボケも美しくきれいな丸みを帯びています。
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III, ISO 640 , F6.3, 1/160 s, 600mm
もう一つ撮影したかった被写体は、庭に時々訪れる若いハイイロリスです。この写真では、焦点距離をワイドにし、背景を広く入れることで、どんな場所で撮影された写真なのかというストーリーを伝えられるようにしています。ここではズームトルクスイッチを使ってズームリングの抵抗を大きくし、構図のコントロールをしやすくしました。このレンズの性能と品質に感銘を受けた私は、このレンズをいくつかの冒険に連れて行くことにしました。
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III,
ISO 640 , F5.6, 1/160 s, 359mm
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III,
ISO 800 , F5.6, 1/250 s, 359mm
日の出とともに農地に到着した私は、2つの耕作地の間をゆっくりと進みました。するとすぐに、成熟した作物の間を縫ってこちらに向かってくる野ウサギを発見しました。私はこの突然のチャンスに素早く対応するため、しゃがみこんで機材を構えます。直進ズームとズームリングによるズーミングが可能な素晴らしい機能、デュアルアクションズームを用いて、すぐにレンズを最大焦点距離まで伸ばしました。野ウサギは立ち止まり、私をまっすぐに見ていました。何フレームかを捉えている間、AFは野ウサギの目を完璧に追跡していました。
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III, ISO 1000 , F6.3, 1/125 s, 600mm
ムナジロガラスは私の好きな鳥のひとつですが、撮影するのは至難の業です。この鳥は高地に生息する種で、美しい自然の中で見かけることが多いのですが、私が最近出会った場所も浅い川の流れる勾配の急な美しい渓谷でした。荷物を軽くしたおかげで長い道のりが楽になり、すぐに川の上流に向かって進むカワガラスを見つけました。流れの速い川面のすぐ上にレンズを構えて準備すると、程なくしてカワガラスは目の前の岩にやってきました。
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III, ISO 1250 , F6.3, 1/160 s, 600mm
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III, ISO 1250 , F6.3, 1/160 s, 600mm
このレンズのAF性能をどうしても試したかったので、非常に起伏の激しい海岸線にある海鳥のコロニーへ行ってみました。到着したのは昼下がり、太陽を背に崖の上まで行き、100m下で砕ける波を見下ろしました。カツオドリ、フルマカモメ、ウミスズメなどが飛び交っており、私は鳥たちが素早く飛ぶのを追いかけるため手持ちで撮影しました。ここでもSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sportsは素晴らしい性能を発揮し、私はとても良い画を何枚か持ち帰ることができました。
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III, ISO 500 , F5.6, 1/4000 s, 353mm
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III,
ISO 800 , F6.3, 1/640 s, 600mm
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III,
ISO 500 , F6.3, 1/2500 s, 353mm
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7 III, ISO 800 , F6.3, 1/3200 s, 600mm
可能な限り最高の画質を得るために、私はほぼいつも三脚を使って機材を支えています。このレンズの大きな特徴は、三脚座の脚部に設けられたアルカスイス規格の溝です。これにより、クイックリリースプレート無しでレンズをジンバル雲台に直接取り付けることができます。シンプルですが、とても便利なディテールです。
私はSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS|Sportsを数週間使用していますが、非常に性能の高いレンズであり、私自身を含め、多くの写真家にとって最適なレンズになると感じています。造り、AF、画質ともに優れており、600mmまでカバーする超望遠と現代のミラーレスカメラで可能な静粛な撮影との組み合わせにより、野生動物も警戒させることなく撮影できました。