地球の鼓動を感じて

私は物心ついたときから、極地への情熱を持ち、魅了されてきました。それは人類が極地に辿り着いたのが、宇宙に飛び出して月面を歩くようになる、たった半世紀前のことだからかもしれませんし、南極と北極には、まだ解明されていない多くの秘密や謎があるからかもしれません。

しかし、私にとっての最大の魅力は、極地の驚異を目の当たりにすることで、地球の鼓動を限りなく身近に感じられることです。写真や映像を通じて、様々な地域の知識を伝え、関心を高めることが私の人生の目標です。できる限りの記録を残すことで、自然の驚異とその背後にある科学、そして人々との間に架け橋を築きたいと思っています。

あまり沢山のレンズを持ち出せない場面では、特にワイド端での焦点距離を最も重視します。野生動物写真家として、被写体に十分に近づくことはそれほど問題ではありません。むしろ、そこが腕の見せ所でもあります。しかし、熊が近づいてきたときにその場から離れながらも被写体をフレーム内に収めるのは容易ではありません。岩崖の上に座っていて動くスペースがない場合はなおさらです。だからこそ、私はワイド端が200mm以下のズームを愛用しています。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports, Sony α7S III,
ISO 100, F5.6, 1/2000 s, 194mm

私はSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sportsを極地に1ヶ月間持ち出しました。天候があまり良くなかったため、レンズもかなりの負担を強いられたと思います。高速のテンダーボートやスノーモービル上で撮影をする場合、私の機材は波飛沫や雪、氷点下の温度に耐えなければなりませんし、乗り物の揺れによる衝撃にも耐えなければなりません。撮影現場では被写体に100％集中したいので、機材の手入れに時間を取られたくはないのです ―結局のところ、機材は道具であり、ファベルジェの卵ではないのですから。レンズクリーナーで拭けば、またすぐ撮影できるようなレンズでなければならないのです。

私が惚れ込んだこのレンズのもう一つの機能は、静止画撮影に役立つ高速でシームレスな直進ズームから、動画撮影に適したスムーズで安定したズームリング操作に切り替えられるデュアルアクションズームです。特にソニーのα7S IIIでは、この機能のおかげで撮影がとても楽になりました。動いている被写体にフォーカスを合わせながら直進ズームを使ってみましたが、結果は上々！フォローフォーカスを使用した場合ほど速くはありませんが、ほんの少し練習すれば、多くの人が様々な場面でその便利さを実感するでしょう。

このレンズが私の600mm単焦点レンズやSIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM | Sportsの代わりになるかと聞かれれば答えはノーです。しかし、600mm F4や愛用の120-300mm F2.8 DG OS HSM | Sportsと一緒に、特に登山や長距離スキー、乗馬など大きなレンズを持ち運べないシチュエーションでは、標準装備しておきたいレンズです。また、遠征の性質上多くの機材を持つ余裕がなく、レンズは一本だけという時にも、この汎用性の高い軽量なレンズはベストな選択肢の一つでしょう。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS｜Sportsは、意欲的なアマチュア写真家にとって野生動物の撮影をレベルアップするための機材として適していますし、望遠レンズを使うプロ写真家のニーズさえも満たしています。