山田 泰巨
編集者 / プランナー
Produce: Yoshinao Yamada, Photo: Hiroshi Iwasaki, Video: DRAWING AND MANUAL
※この映像では、日本語と英語の字幕表示が設定できます。
“次の10年どういうカメラを使いたいか、
となったときに選びたくなるカメラかな
という感じがするんです”
今でも空間を撮ったり、メモとかスナップ的に撮ることは多いかな
もともとは大学で建築を勉強していて、最初に勤めた会社が建築の専門雑誌だったんです。そのころは建築の下見をして、自分で写真を撮ったりしていました。広角レンズ搭載のコンパクトデジタルカメラが発表されてからは割とそれを使っていた時期もありましたね。ライフスタイル雑誌の編集部で勤めるようになってからは下見で撮ることも増え、それに合わせてカメラも変わっていきました。今でも空間を撮ったり、メモやスナップ的に撮ることは多いかなと思います。
45ミリという数字が初めてなので新鮮で
今回このfpと45mm F2.8 DG DN | ContemporaryがSIGMAを初めて使う機会だったんですが、レンズの45ミリという数字が初めてで、今までにない画角だったので新鮮でした。はじめは45ミリってどうなのかなと思っていたんですが、僕にとっては何でも撮れるちょうどいい画角だなと今は思っています。ほんとはレンズも換えたほうが表現の幅はもちろん広がると思うんですが、ずぼらなのと、やっぱり仕事で使っているとレンズを換える暇もなかったりするので、この45ミリはそういう意味ですごくオールマイティーなレンズで使いやすいなと思っています。
機能ありきの上でデザインが良いもの、がカメラを選ぶ基準かな
結局、身もふたもないこと言うと、やっぱりデザインが良いことと、そこに必要十分な機能が備わっていること、その両方ないと面白くないというか。やっぱり持ち歩くものなので、自分が持ちたいと思える形ということはすごく大事だなと思っています。
僕はあんまりごてごてしたのが好きじゃなくて、なるべく直線でシンプルなデザインが好きなんです。そういう意味ではこのfpは、シンプルだけど拡張性が高くて、気分が変わったらこの45ミリのレンズも換えられるっていうのはすごく良いなと。だからやっぱり機能ありきの上でデザインが良いもの、がカメラを選ぶ基準かなと思っています。
fpも正面から見るとやっぱり「SIGMAの顔」をしてるなって思う
こういう仕事をしていると、デザインについていろいろ聞かれることがあるんですが、結局あんまり「前」に出てこないほうが実は良いと思っています。取材する側としてとか、誰かに紹介してく上では個性が立っていると、それを取っ掛かりにしてものごとを広げて書いてたり、そこに込められた思想も語れたりして面白いんですけどね。でも、個人的にはなるべく黒子に徹するもののほうが好きです。自分の仕事についても同じですね。
そういえば、SIGMAってロゴがボディ正面に入ってないですよね。そうは言ってもプロダクトって、そのメーカーのデザインコードみたいなものがどこかにちゃんと入っているものなので、fpも正面から見るとやっぱり「SIGMAの顔」をしてるなって思うんですよね。さらっと入ったfpのロゴとか、分かる人には分かるっていう塩梅が絶妙だなと思います。
カメラが手元にあるといろいろ撮っておきたくなる
私生活でカメラを一番使うのは、やっぱりプライベートの旅行のときかな。手ぶらで歩くのが好きなので、海外に行くときも基本的にはなるべく軽装で、外を出歩く時もほぼ手ぶらに小型カメラだけ首から下げて、って感じです。
特に建築が好きなので、建物を撮ることは多いとは思うんですが、カメラが手元にあるといろいろ撮っておきたくなりますね。見返して、そういえばあのときああいう感じだったなって、メモというか、日記みたいなところはあります。
だからfpは、『ロングライフ・カメラ』なんですよね
「普通にまっとうな良いものが欲しい」という気持ちって、あると思うんです。みんながみんな、新しいもの好きっていうわけでもない気がするんですよね。そしてfpは、ニュース性が高いものを欲しいという人に刺さるカメラではない気がするんです。次の10年どういうカメラを使いたいか、となったときに選びたくなるカメラかなという感じがするんです。
やっぱり物に対して愛着がないと、その物を大事にするのは難しいですよね。本当は愛着がなくても大事にしなきゃいけないんですけど、でも、大事にできるものを自分で見つけてくほうが人生が豊かになると思うんです。こだわりがあんまり多いとめんどくさいなと正直思うんですけど、でも長く使うものだからこそちゃんと選びたいっていうのはありますよね。だからfpは、「ロングライフ・カメラ」なんですよね。
そういう意味でもfpは、相手に委ねていけるカメラだなと思う
fpは撮る人の想像力を広げるようなカメラだという感じがします。それは僕の仕事もそうなんです。文章ってなるべくオチはつけるんですけど、そのオチを基にできるだけ多くの人にその後を想像してもらったり、そこから自分の価値観を広げてもらったり、読者自身が自分だったらどうできるか・どう思うか、みたいなことを考えてもらいたい。そういう部分での答えはなるべく出したくなくて、相手に委ねたいんですよね。
そういう意味でもfpは、相手に委ねていけるカメラだなと思うんです。だからケーススタディーはいろいろあったほうが面白いし、その中から自分に近い人をきっかけに、自分だったらどうするかみたいな考え方がより想像力を広げてくれるんじゃないかなと思いますね。