Made in Aizu
Introduction
SIGMAの全ての製品は日本の会津工場ただ1か所で作られ、世界中のユーザーに届けられています。この映像作品ではSIGMAの製品を中心に、作り手と使い手、そして彼らを取り巻く環境にフォーカスしました。工場の従業員とその家族、もちろん周辺の自然もありのままの姿であり、世界の写真家たちもまた、それぞれのフィールドで作品制作のワンシーンを見せてくれています。アーティストの作品づくりにかける情熱に、私たちはものづくりへの情熱で応えたい。SIGMAの考える本質と関わる人々の体温を、映像作品を通して少しご紹介させてください。
(動画 5分)
Director Interview
撮影にかけた想い
会津でのロケで印象に残っているのは、子供達がみんな口を揃えて「こんなに自然がたくさんあって羨ましいでしょ」と自信満々に語る姿と、SIGMAに勤めている方々のSIGMA製品への愛でした。SIGMAが会津の誇りであることを感じる場面も多くありました。そしてその生活の隣には、驚くべき神秘的な風景が共存しているのです。豊かな土地で育まれ、作り上げられた製品が、海を渡り世界中で評価され愛されている様子をそのまま映し出したいと思い、今回の映像をつくりました。また、その土地が生み出す気質や感性を映像に乗せて表現できるように、同じ東北出身のharuka nakamuraさんへ楽曲の依頼をしています。
映像は主にSIGMAのレンズを使用して撮影しましたが、シネレンズの描写力や色味の美しさが流石でした。一部14mm単焦点レンズも使用していますが、像面湾曲のない14mmの描写世界も素晴らしかったです。
6年前、当時WEB制作の仕事をしていた私が映像を撮り始めるきっかけになったのが、SIGMA会津工場の映像でした。時が経ち、今回このように自分自身がSIGMAの映像を作らせてもらえるご縁をいただけたことに感謝しきれません。
Composer Interview
Made in Aizuに寄せて
福島では福島銀行や、食堂ヒトトでライブをしたことがあります。その時、会を一緒に作ってくれた、たくさんの仲間たちの笑顔を思い浮かべたら、自然とこのような音になりました。楽曲は福島のことを想い、即興演奏で制作しました。東北出身の、ひとりの音楽家として、この作品に関われたことを誇りに思います。
Cast's Interview
ジェフ・ハーグローブ
写真家 / カフェオーナー / SIGMA Franceアンバサダー
私は世に生きる人々と彼らを取り巻く環境に魅了され、レンズを通して世界と出会い経験すべく独学で写真を始めました。そのことは、出身のアメリカに始まりパリ、そして活気溢れるドバイ、中国、香港、マレーシア、台湾などの様々な地域に私を連れ出してくれました。その結果、作品の多くは世界中の都市で出版・展示されることとなり、同時に様々な国と地域の企業広告にも携わってきました。
成果物がポートレートであれ風景写真であれ、多様な題材のなかの未知性と非凡性を追求し続けることがモチベーションの根底にあります。しかしそれは、単に誰も見たことが無いものを撮るということではありません。対象の何か/誰か、そして特に私自身について、まだ知られていない意味や真理を私の目線で明らかにしていく、ということです。そのため、制作自体に限らず鑑賞の中においても、時間が私の作品を育ててくれると考えています。
写真に対しての本質を更に追及したいと思い始めた2014年に、SIGMAのカメラ、そしてFoveonセンサーこそがその方法だと発見しました。本質を突き詰めるということはSIGMAの哲学でもあり、このメーカーとはビジョンも共有できると感じたのです。
SIGMAのカメラで撮影した作品は、私の自費出版本―進歩し続けるパリ特産コーヒーの舞台裏を描いた "Paris Coffee Revolution"―に使用されており、その出来にはとても満足しています。
初めて映像撮影に出演者として参加する中でとても興味深かったのは、映像作品と写真作品との違いです。撮影されていく各シーンは詩の一片のようなものではないかと感じました。映像作品が作られる様子は、単体では理解できないフレーズが織り成されることで素晴らしい詩が生まれる様によく似ています。
カール・ホルトビー
写真家
両親が写真家だったこともあり、写真は常に身近なものでしたが、真剣に取り組み始めたのは30代に入ってからです。当時私は自然保護学の学位課程にあり、実地調査用にカメラを手に取ったことがきっかけでした。以来写真の楽しさに目覚め、2011年から写真で生計をたてはじめ、2016年からはプロとして活動しています。私は自然に対して深い愛情を持っており、自然に囲まれ探索するときに最も安らぎを覚えます。自然界が与えてくれるその安らぎこそが、私が写真で表現したい対象です。作品はミニマルに、例えば私は「ビジュアル・マントラ」と呼ぶように、目前に広がる光景を抽象化しようと試みています。いつも自然と一体になるような気持ちで、作品づくりに没頭しています。
SIGMA UKからの連絡をきっかけに2014年からSIGMAと仕事を始め、それからはSIGMAのカメラをメインに使用しています。物事をシンプルにしておきたいので、直観的な操作が出来るこのカメラは使っていて心地が良いです。例えば構図も1:1や4:3などから選べるところが気に入っています。使い勝手が良いので、写真の構成を考えたり、純粋に自然を楽しんだりといった、本当に大切なことに集中できます。加えて、写真に深みを与え、素晴らしいプリントに仕上げることができるFoveonセンサーは私のスタイルに最適です。SIGMAのカメラは特にArtラインレンズと組み合わせて使用されたとき、アーティスティックな表現を求める写真家にとって素晴らしいツールになると思います。
世界中に多くの写真家がいるなかで、出演者として選んでもらい光栄です。この映像の好きなところは、会津の人々の情熱がエンドユーザー、つまり写真家に真っすぐに届く様子が描かれているところです。SIGMAのこれからを楽しみにしながら、熱心な彼らがつくりだす製品のポテンシャルを引き出し表現することで引き続きサポートしていきたいです。
ポーリーン・シャルダン
写真家 / ファッションデザイナー / アートディレクター
はじめ、私にとって写真とは単なるツールでした。トレンドコンサルタントとして働く私に求められることは、常に世の中に対して好奇心を持つこと、そして情報を集め、整理し、まとめることです。これが旅への情熱へ結びつき、旅を繰り返す中で、写真は私をインスパイアしてくれる物事を丸ごと記録するための欠かせない存在となりました。これは写真をベースにクリエイティブな視点で旅をすることについて綴る「the Voyageur」を始めた理由でもあります。 作品では、深い意味を持たせること、そして見過ごされてしまうような些細なことを掬いあげることを意識しています。ある場所に新しい光を投げかけてみたり、反対に物事の間にある思いがけない美的な結びつきを発見できたりすることが制作の楽しみです。
こんなに小さなカメラなのにとても高画質なので重宝しています。重さや大きさのことを気にせず、旅の間はどこへ行くにもこのカメラを持ち歩いています。Foveonセンサーは、私が捉えようとしている色や質感に生命を吹き込み、私の心を動かす一瞬の光のきらめきも素晴らしく表現してくれるのです。
今回の撮影では、シグマユーザーのフランス代表になれてとても嬉しく思います! 日本のチームのみなさんと街を歩き、彼らの目線でパリを見つめ直すのは楽しい体験でした。ここに10年以上住んでいますが、どんなに素晴らしい場所か時々忘れてしまうのです。
中野瞳
会津工場 品質保証部
シグマで働き始めて11年目になります。普段は主に完成したレンズの最終検査とサンプルレンズの抽出作業を行っています。仕事においては『協力』が大切だと考えています。自分自身、今までいろんな方に助けてもらいながら仕事をしてきました。『協力し合う』『助け合う』というコミュニケーションが良い職場つくりになると考えています。
今回の撮影は、めったにない経験だったので私にも子供達にも良い思い出になりました。何気ない日常の風景が美しく映像化されていて感動しました。ムービーを見た娘が『ママと同じ会社で働きたい』と言ってくれたのが嬉しかったです。
井上ちえ
会津工場 光学素子加工第1部
シグマに勤めて16年目になります。普段の仕事内容は硝材の切削加工、外部への硝材出荷と納品の管理、および加工されたレンズの品質・外観検査を担当しています。仕上がりに精密さを求められる仕事なので、良品率を上げ、要求に応える事ができたと実感した時には大きなやりがいと達成感を感じます。仕事をするにあたっては「仕事は楽しく、良い環境で、作業のしやすい現場に」をモットーにしています。今回の撮影では、我が子に自分の製造しているレンズ、完成したカメラを身近に触れさせ、また、プロの撮影現場を見せることができ嬉しかったのが率直な感想です。完成した映像を観たときには、親の立場に関係なく、心にじわじわと感動が滲み出たのを覚えています。
小原千尋
会津工場 総務部
私は入社して3年になります。総務部の人事課に所属しており、採用、ISO、労務管理、催事関連などの業務に就いています。仕事では謙虚な姿勢と「ありがとう」の気持ちを大切にしています。私の仕事は上司や先輩、同僚の協力があってはじめて"完成"できることが多く、そういった瞬間に最もやりがいを感じ、また、いろいろな意見や考えをもらう事がいつも自分の成長に繋がっています。
今回の撮影は「夏休みに映画の撮影したんだ!」と、小学2年生の息子にとって、少し冒険めいた時間でした。いつもの散歩道だけど、ちょっと照れながら妹と手をつないだり、苦手な坂道を登ったり。カメラが回ることで、まるで映画の主役になったような気持ちで顔が綻んでいました。そんな背伸びした息子を見ることができ、嬉しく思いました。貴重な体験をさせて頂いたのは、子供たちよりも私たち親の方でした。