SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsと過ごした2日間
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports Impression
インプレッション
ゲリー・ファン・デル・ヴァルト|Gerry van der Walt
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 320, F5.6, 1/2000s
私はワイルドライフ/ネイチャーフォトグラファーとして、世界中を旅してまわり、ホッキョクグマからセイウチ、アフリカの「ビッグ5」(ライオン、ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファロー)まで、様々な野生生物の撮影を行っています。そんな私個人にとっても、またサファリに参加するお客様にとっても、画質の他に重要な要素となるのが、撮影機材の使いやすさです。
大自然の中の素晴らしいロケーションで望遠レンズを使って撮影するために、かつてはカメラバッグ2個分ほどの重い荷物を担いでいかなければならなかったものですが、そんな時代はもはや過去のものとなっています。
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | SportsはSIGMAの最新レンズのひとつで、野生生物写真の撮影に革命をもたらす可能性を秘めた、優れたレンズです。重さはたったの1,365gで、フィールドでも非常に扱いやすい設計となっています。
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsは、70-200mm F2.8というスペックのレンズと比べてもさほど大きいということもなく、様々なジャンルの撮影に活用できます。コンパクトなので、手持ち撮影でも操作しやすく、自ら車を運転しての撮影でも、他の乗客も同乗しているサファリカーからの撮影でも、あるいは被写体となる野生生物を探して歩き回るような時でも、扱いに苦労することはありません。
*撮影データの記載なき写真はSIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports以外のレンズで撮影されています。
Sony α9 II にSIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports を装着し、自分で運転する車での撮影に挑んだ2日間で、まさに期待していた2つのポイントで感銘を受けました。
まず1つ目は、コンパクトで手持ちでも非常にバランスが良く、様々なアングルでの撮影が可能な点です。例えば低木の茂みを自ら運転して撮影場所を探すような場合、非常に使いやすいレンズです。運転中は、自分の膝の上か助手席にレンズを置いていましたが、収まりもよく、いざ被写体となる動物を見つけて撮影しようとした時は、そのコンパクトさと軽さのおかげで、カメラを手に取って撮影の準備をする動作もとてもスムーズに行えました。
車を降りて鳥を撮影した際は、地面すれすれに手持ちでカメラを構えて、モニターを上向きにチルトさせて撮影しました。こうすれば、地面に腹這いにならなくてもローアングルの写真を撮影できます。焦点距離500mmのレンズを使ったこうした手法での撮影は、記憶にある限り初めての経験でした。被写体を探してフィールドを長時間歩き回る写真家や、撮影小屋の中でシャッターチャンスを待ちながら長い時間を過ごす写真家にとっては、これはまさに極上のメリットとなります。こうして様々なアングルをより簡単に作り出せるということは、写真家にとって、1回の撮影だけでなく、自身の作品ポートフォリオ全体にも大きな違いを生み出してくれるからです。
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/1250s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/4000s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/4000s
ある撮影小屋のそばの水場には、たくさんのテラピン(カメの一種)がいました。SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsは軽くてコンパクトなので、通常であれば撮影の難しいこのカメたちの姿を、レンズを落とす心配もなく、非常にユニークなアングルで捉えられました。野生生物写真家にとっては、超望遠レンズを素早く簡単に操作できるということは、動いている被写体を捉えようとする場合でも、撮影中に構図を変える際にも、大きなメリットとなります。
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/1000s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/2000s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/1250s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/2000s
そして私が感銘を受けた2つ目の点は、自宅に戻って画像ファイルを開いたときにわかった描写のシャープさです。距離の近い被写体にフォーカスを合わせた場合でも、遠くにいる動物を生息環境全体の一部として引きで捉えるような撮影の場合でも、画質は常に高いレベルに保たれていました。コントラストやカラートーンもとても自然で、RAWファイルから得られる情報として、全体的にこれ以上ないほどの理想的なものでした。
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 800, F5.6, 1/400s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F6.3, 1/800s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/200s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 800, F5.6, 1/2500s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/500s
500mmという焦点距離と開放F値5.6で十分に浅い被写界深度を生み出せるので、背景に美しいソフトなボケ味を活かした情感豊かなポートレートを撮影することもできます。
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/1600s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/1250s
この2日間、私はさまざまな被写体に対してマニュアルフォーカスでの撮影も試みましたが、そのコンパクトさと軽さのおかげで、扱いづらさを感じたりバランスを失ったりすることもなく、とてもスムーズに撮影できました。
2日間で数多くの写真を撮影することができたのは、この望遠レンズの使いやすさのお陰だったことは間違いありません。場所の移動やアングルの切り替えがとても簡単に行えたのは新鮮な驚きで、新たな創造性の可能性を開くものでした。
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/2000s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F6.3, 1/2500s
SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports, Sony α9 II, ISO 500, F5.6, 1/4000s
写真撮影には創造性が重要であり、それを支えてくれる道具が必要になります。新しいSIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsは、優れた画質と使いやすさを兼ね備えています。超望遠にもかかわらず非常にコンパクトで軽量です。巧みな設計で仕上げられたこのレンズが、ワイルドライフやネイチャーフォトの撮影にとても大きなメリットをもたらしてくれることでしょう。
移動の利便性という観点からも、創造性や使いやすさ、そして画質という観点からも、私は今後、野生生物撮影のために世界中を旅する際に、このSIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sportsを必ずカメラバッグに入れて行くことになると思います。
私は20年以上写真撮影を目的としたサファリの仕事に携わっていますが、ツアーの参加者たちがこのようなレンズを使用して質の高い写真を撮影し、さらにネイチャーフォトの楽しさを再認識してくれたら、それほど嬉しいことはありません。
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ゲリー・ファン・デル・ヴァルト|Gerry van der Walt
ワイルドライフ/ネイチャーフォトグラファー
海外写真撮影ツアー引率者
Wild Eye 共同創設者兼ディレクター