頼もしい万能レンズで
愉快な生き物たちを撮る
アンドリュー・ジェームス
Andrew James
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV, ISO 400, F6.3, 1/500s, 496mm
冬は万人に好まれる写真撮影の季節ではありませんが、私は寒く、時には雨雪に濡れる環境の中で、努力に見合う「一枚」を撮るために環境条件と戦うことが好きです。それは私が辛いことを進んでしたい人というわけではありません。天気の神様が微笑んでくれ、良い光を得ることができれば、もちろん嬉しいです。でも、極限状態であればこそ、雰囲気のある写真が撮れるときもあると思うんです。
両極の地で凍てつく寒さを体感したことがあります。指先が何も感じなくなるほどかじかむこともありますが、目の前に見えるものを撮りたいという想いが、暖かさを求める気持ちを上回って私を撮影に駆り立てます。私がレンズに求めるものは、最悪のコンディションでも撮影を続けられる、焦点距離の柔軟性、信頼性、耐久性です。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports,
SONY α7 IV, ISO 2000, F6.3, 1/250s, 600mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS|Sportsが届いたとき、私はそのサイズに心躍りました。超望遠の単焦点レンズほどの重さはありませんが、しっかりとした重量感があります。私は手に持ったときのバランスが良くなるのであれば、少しの重量はあっていいと思っています。
レンズを大切に使うことももちろん大事ですが、どんな状況でも使おうというのであれば、そのレンズには多少の衝撃や天候に左右されないタフさが必要です。その点、SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS|Sportsは、防塵・防滴に配慮した仕様なので安心です。私が好むような海岸沿いでの撮影などでも心配なく使用することができます。
私は主に大型動物を撮影しており、数年前にアザラシに恋してしまいました。ナミビアのスケルトンコーストに生息する気性の荒いオットセイや、サウスジョージアの巨大なゾウアザラシ、イギリスの海岸線に生息する好奇心の強いグレーアザラシなど、彼らは最も美しい生き物というわけではありませんが、個性豊かな生き物なのです。陸上では不格好で厄介者ですが、水中では軽快なアスリートであり、どちらの状況でも面白い写真を撮ることができます。
※ 撮影データの記載なき写真はSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports以外の
レンズで撮影されています。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports,
SONY α7 IV, ISO 3200, F6.3, 1/3200s, 71mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports,
SONY α7 IV, ISO 1600, F6.3, 1/400s, 487mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports,
SONY α7 IV, ISO 3200, F6.3, 1/1000s, 438mm
このSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sportsを使った私の最初の撮影の被写体が、砂浜、波、そしてアザラシになったのは自然な流れでした。私は夜明け前の浜辺に降り立ち、暗闇の中、見えない波が砕ける音を聞きながら、海岸線に沿ってアザラシの姿を探していました。遠くに見えるぼんやりとした塊は動物だろうか、それとも岩だろうか、と。
空が黒から淡いブルー、そして最後はライトグレーに変わった頃、私は静かに、アザラシの親子がいる浜辺を見下ろせる砂丘へと向かいました。できるだけ低い位置で、かつ浜辺から高く完全に隠れて彼らの邪魔にならない場所を見つけました。
60-600mmは焦点距離が広いので、動物をその風景の中で小さく写したカットから、フレームを埋めるほどのアップのカットまでアプローチの選択肢が充実していました。私がこの柔軟性を重視するのは、それほど動き回らずともさまざまな構図を探れるからです。私がいた位置は広角での撮影には向かなかったので、300mmから600mmの間で、母子が戯れる様子を中心に撮影しました。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports,
SONY α7 IV, ISO 3200, F6.3, 1/2500s, 454mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV, ISO 1600, F6.3, 1/640s, 600mm
同じ日の午後、反対側からの景色も撮るため私はボートに乗り込みました。波があるため正確なピント合わせが難しく、またおどけたように水中から顔を出し入れするアザラシに、私は絶えず姿勢を変えながら撮影しなければなりませんでした。ボートの横から身を乗り出して、できるだけ水面近くから撮影しようとしたので、レンズが非常に扱いやすかったことがありがたかったです。
朝に見た景色とは異なり、荒れ模様の空の下、アザラシの群れがいる砂浜の景色は、広角側での撮影が面白そうに見えました。素早いデュアルアクションズーム(私は直進ズームの方が好きです)のおかげで、荒れた波と、レンズとフォトグラファーの両方を試すかのように好き勝手に動き回るアザラシたちにも関わらず、様々な構図での撮影が可能でした。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports,
SONY α7 IV, ISO 200, F6.3, 1/500s, 377mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports,
SONY α7 IV, ISO 800, F6.3, 1/1000s, 309mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports, SONY α7 IV, ISO 200, F8, 1/200s, 600mm
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports,
SONY α7 IV, ISO 200, F6.3, 1/500s, 343mm
別の日、午後の美しい光の中で、私は鹿の撮影で60-600mmの能力をテストしようと歩き回っていました。太陽が地平線に傾き始め、シダの間で晩秋の色彩が輝き始めたとき、私は光が残り少なくなってもまだ手持ちでの撮影を続けていました。高性能の手ブレ補正機能が、シャープな画をもたらしてくれるだろうと安心出来たからです。
太陽がほぼ沈み、見渡す限りオレンジ色の空に包まれたときも、手持ちで撮影を続け、岩場に立つ一頭の鹿の美しいシルエットを捉えました。それは一日を締めくくるのにふさわしい美しさでした。
SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports,
SONY α7 IV, ISO 400, F6.3, 1/8000s, 146mm