鷹尾山 氷室神社 / Takaosan Himuro Shrine
押本龍一「私の出会う光景」|第353回
押本龍一「私の出会う光景」
October 11, 2024
苔生した石段の参道が森の中を真っ直ぐに伸びていた。カタチもサイズも違う不揃いな石で造られた石段は、人の手で一つひとつ積み上げたのだろう。木漏れ日が美しく爽やかな朝の空気に包まれた参道をしばらく目にしていると、神界へ通ずる道に見えてきた。
(注)PC版では左右がクロップ表示されるので、ダウンロードボタンをクリックして見て欲しい。
【使用機材】 fp L , 50mm F1.2 DG DN | Art
9月の第3金曜日、山梨県南巨摩郡富士川町にある氷室神社を訪ねた。標高2052mの櫛形山(くしがたやま)の中腹、標高約1000mの森に鎮座する氷室神社は旧鷹尾寺ともいい、宝亀元年(770年)、儀丹行円の創建と伝わる鷹尾寺という真言宗の寺院だった。武田家と徳川家の信仰も厚かったが、明治の神仏毀釈により寺が廃され神社として残った。
当日は、朝6時過ぎに氷室神社の駐車場に到着した。天気予報では晴れだったが、東の空は雲に覆われていた。石段の始まりである第一の鳥居に朝陽が届くのをしばらく待ったが、なかなか雲が切れてくれなかった。太陽が顔を出すのを待ちきれない私は、鳥居を潜り薄暗い石段の参道をゆっくりと登り始めた。
木漏れ日が美しい石段をイメージして来たが、7時を過ぎても朝陽は届かず参道は薄暗かった。ランニングシューズを履いてきた私は、石段を登り始めてすぐに足首までカバーする登山靴が良かったなと思った。
【使用機材】 fp L , 20mm F1.4 DG DN | Art
本殿までの中間地点近くに建つ赤鳥居が見えてくる場所まで登ると、東の空を覆っていた雲が切れて朝陽が射し始め、森が急に明るくなった。
【使用機材】 fp L , 50mm F1.2 DG DN | Art
朝陽が射し込む清々しい空気に包まれた赤鳥居を潜った先は、石段が真っ直ぐに伸びていた。赤鳥居を潜り、石段を登って行くと石段の傾斜が少しずつきつくなっていった。
【使用機材】 fp L , 50mm F1.2 DG DN | Art
赤鳥居から一直線に伸びる石段を登って行くと随神門の手前の傾斜は更にきつくなった。
【使用機材】 fp L , 20mm F1.4 DG DN | Art
苔生して風格がある狛犬と随神門。ここまで登ると車を停めた周辺が下界に思えてきた。
【使用機材】 fp L , 20mm F1.4 DG DN | Art
澄んだ空気を吸い込み、随神門が建つ同じレベルの位置から登って来た石段を見下ろす。
【使用機材】 fp L , 20mm F1.4 DG DN | Art
随神門を潜って最後の登りは傾斜もかなりきつかったが、周辺の木々の力を感じて難なく登れた。
【使用機材】 fp L , 20mm F1.4 DG DN | Art
500段以上の石段を登り、本殿、拝殿、神楽殿等が建つ境内へ到達した。氷室神社のご祭神は、御食津神(みけつかみ)、稚産霊神(わくむすひのかみ)、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)。いずれも食物を司る神様。
【使用機材】 fp L , 20mm F1.4 DG DN | Art
拝殿と本殿の裏の斜面に生息する御神木の大杉は、高さ40mの県の指定天然記念物。説明看板によると樹齢は推定1200年。大杉は迫力があったが、その周りの杉からも強いエネルギーを感じた。
【使用機材】 fp L , 20mm F1.4 DG DN | Art
参拝した後、参道を下りてから振り返り、このまま下りてしまうのが惜しいぐらいの木漏れ日が美しい石段をしばらく眺めた。
【使用機材】 fp L , 50mm F1.2 DG DN | Art
500段以上の石段は不揃いな石で造られ、石の上がデコボコして歩幅も一定せず、下りはかなり気を使ったが、その分石段と一体となった気がした。櫛形山(くしがたやま)中腹にある石段と境内では誰にも会わず、ずっと独りだった。
神社の駐車場から少し下った場所から平林の集落を見下ろす。朝は雲に隠れてよく見えなかった富士山とその手前の蛾ヶ岳、竜ヶ岳 、雨ヶ岳等の山々が鮮明に見えた。富士川町は美しい山の景色に恵まれている。
【使用機材】 fp L , 50mm F1.2 DG DN | Art
氷室神社へ来た私の一番の興味が500段以上の石段だったので、第一の鳥居前の駐車場に車を停め石段を登り下りした。神社には社務所の横にも駐車スペースがあり、そこから拝殿と本殿は近い。社務所の横から随神門にも出られ、最後の石段を登る経験も出来るので、足腰に不安がある方は長い石段を登らずに参拝した方が良いと思う。いずれにしても、神気に満ちた氷室神社は特別な場所だった。
長い石段を登って到着した森の境内は静寂に包まれ、湧き水を利用した規則正しく回転する水車の音と流れ落ちる水の音は、境内を下りた後も耳に残っていた。
氷室神社
撮影風景と機材
誰にも会わなかった森の神社で時間をかけて行動し撮影した。レンズはSIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art、50mm F1.2 DG DN | Art、70-200mm F2.8 DG DN OS | Sportsの3本を持参したが、70-200mmの出番はなかった。
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 50mm F1.2 DG DN | Art
シャッタースピード
1/6s
絞り値
F4.0
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
50mm
カラーモード
フォレストグリーン
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード
1/8s
絞り値
F4.0
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
20mm
カラーモード
ニュートラル
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 50mm F1.2 DG DN | Art
シャッタースピード
1/30s
絞り値
F2.8
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
50mm
カラーモード
スタンダード
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 50mm F1.2 DG DN | Art
シャッタースピード
1/15s
絞り値
F2.8
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
50mm
カラーモード
スタンダード
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード
1/13s
絞り値
F4.0
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
20mm
カラーモード
フォレストグリーン
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード
1/10s
絞り値
F3.5
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
20mm
カラーモード
スタンダード
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード
1/10s
絞り値
F4.0
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
20mm
カラーモード
フォレストグリーン
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード
1/25s
絞り値
F2.8
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
20mm
カラーモード
スタンダード
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード
1/125s
絞り値
F2.0
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
400
焦点距離
20mm
カラーモード
スタンダード
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード
1/125s
絞り値
F5.0
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
400
焦点距離
20mm
カラーモード
フォレストグリーン
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 50mm F1.2 DG DN | Art
シャッタースピード
1/15s
絞り値
F5.6
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
50mm
カラーモード
スタンダード
ホワイトバランス
オート
カメラ
SIGMA fp L
レンズ
SIGMA 50mm F1.2 DG DN | Art
シャッタースピード
1/500s
絞り値
F5.6
露出モード
M-マニュアル露出
ISO感度
100
焦点距離
50mm
カラーモード
風景
ホワイトバランス
晴れ
押本 龍一
フォトグラファー
東京品川生まれ。1982年留学予定で渡米。1984年ニューヨークへ渡り広告写真スタジオで働き始める。1991年フォトグラファーとして独立。1995年ニューヨークからロサンゼルスへ移動。2018年より日本を拠点にし現在に至る。