西丹沢西沢滝めぐりコース / Nishitanzawa Nishizawa Waterfall Tour Course

押本龍一「私の出会う光景」｜第352回

押本龍一「私の出会う光景」

September 19, 2024

渓流に朝陽が射し込む神々しい光景に感動し、丸太橋を渡って岩場に下り、爽やかな空気と共に切り取った。神奈川県足柄上郡山北町を流れる西沢は真夏のオアシスだった。

(注)PC版では左右がクロップ表示されるので、ダウンロードボタンをクリックして見て欲しい。

【使用機材】 fp L , 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary

9月に入っても厳しい暑さが続き、涼しげな景色を撮影したくなった私は、9月の第2月曜日、車で西丹沢にある西沢へ向かった。朝3時過ぎに家を出て、県道76号を北上し丹沢湖に差し掛かった頃には空が明るくなってきたが、山道はまだ暗く、ヘッドライトの灯りを頼りにゆっくりと走行した。ナビの目的地に設定した標高540mの地に建つ西丹沢ビジターセンターに到着したのは5時過ぎ、一番乗りだった。人影のないビジターセンターから河内川に掛かる吊橋（西丹沢公園橋）を渡り、この日の行動がスタートした。

西丹沢公園橋を渡り、堰堤の横にある階段を登り広い川原に出る。西の山に朝陽が届き始め、今日は快晴になると確信。

【使用機材】 fp L , 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary

川原から森に入り西沢沿いを少し歩くと、陽光に照らされた石が積み上げられていた。朝の沢沿いは思ったより涼しく、最近避けていた太陽の光に当たりたくなる。

【使用機材】 fp L , 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

様々な長さの丸太橋で沢を何度も渡り、スリルに満ちた歩きになった。

【使用機材】 fp L , 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

スタート地点から3つ目の堰堤は、木漏れ日がいいアクセントになっていた。沢には4つの堰堤を見たが、どれも流れ落ちる水量が多くとても迫力があった。

【使用機材】 fp L , 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

水量が多かった西沢沿いの歩きは何度も沢を渡った。丸太橋だけでは渡れない場所もあり、岩の上を歩き、何度か足首まで水にも浸った。スタート地点から9回ほど沢を渡って約1.5km歩き、西沢に流れ込む下棚沢へ入り、先へ進んで「下棚の滝」の前に出た。

標高727mにある落差40mの「下棚の滝」。足首まで水に浸かり近づいた。

【使用機材】 fp L , 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary

滝の下部は光と陰の世界だった。流れ落ちる水量も多く、マイナスイオンに包まれて撮影。

【使用機材】 fp L , 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

「下棚の滝」を撮影後、西沢に戻り4回ほど沢を渡って先へ進み、本棚沢へ入った。沢が流れる谷を進んで行くと、大小様々な岩が転がる先は草木が生い茂る崖になり、左手には水量の多い滝、右手には水量が少ない滝が流れていた。

「下棚の滝」から西沢に戻り先へ進む。もう使用されていない丸太橋が流されそうな光景に出会った。NDフィルターを使用し、スローシャッターで沢の流れを滑らかに写してみた。

【使用機材】 fp L , 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

標高803mの谷の行き止まりに2つの滝があり、左手は「本棚の滝」、右手は普段は水が流れていないという「涸滝」。この日は台風の雨から間もないので現れたのだと思うが、ここまで大きなスケールの光景が見られるとは思っていなかった。

【使用機材】 fp L , 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary

落差60mの「本棚の滝」。非常に滑りやすい岩が多く、滝飛沫もすごくて滝のすぐ下には行かなかったが、ここからでも十分なマイナスイオンに包まれた。

【使用機材】 fp L , 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

滝を2箇所で撮影した後、西沢をゆっくりと引き返した。登山靴はかなり濡れたが、靴の中が水浸しになることは避けられた。

【使用機材】 fp L , 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary

帰りの沢沿いの山道で見かけた赤いキノコ。後日調べて知ったが、タマゴタケという毒のないキノコだった。

【使用機材】 fp L , 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

この日、歩行距離約4.1kmの沢と滝のハイキングコースを5時間かけて撮影しながら移動した。西丹沢公園橋を渡り切ったスタート地点で、これから歩き始める1組の老夫婦と3人の若者グループとすれ違った以外、沢と滝では誰にも会わなかった。日陰の多い沢沿いは涼しく、汗を拭うことはほとんどなく行動出来き、ここに来て良かったと思った。