F1.8 ズーム持って豊橋ブラブラ

シグブラ｜第274回

三井公一「シグブラ」

June 12, 2024

シグマらしいレンズが登場した。F1.8通しのズームレンズ「SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN | Art」だ。その明るさはあの銘レンズ「SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art」を思い起こさせてくれる。
このフルサイズフォーマット対応の新レンズは28mm、35mm、45mmとレンズ3本分をカバーしながらズーム全域でF1.8なのだから実に魅力的である。発表前にこのレンズを「SIGMA fp」に装着して、仕事の撮影前に豊橋をブラブラしてみた。

市電に乗って終点にある運動公園を訪れた。平日の夕方前ということもあって人は少なめだ。新レンズを試しながらのんびりと池の周りを歩く。畔では美しい紫陽花がたくさん咲いていた。「SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN | Art」を向けてボケ感を堪能する。絞り開放域でのスムーズな描写を楽しんだ。

【使用機材】 fp , 28-45mm F1.8 DG DN | Art

日中は明るいのでなかなか絞り開放で「SIGMA fp」のシャッターを切ることができない。そこで木陰にあったややくたびれたベンチを撮ってみた。ピント面の解像感の高さと、浮き上がるような立体感がとても心地よい。

【使用機材】 fp , 28-45mm F1.8 DG DN | Art

このレンズは絞っても素晴らしい写りを見せてくれる。28mmから45mmというスナップに好適な焦点距離と相まってスピーディーな撮影も得意である。オートフォーカスも高速なのでストレスを感じることが少ない。

【使用機材】 fp , 28-45mm F1.8 DG DN | Art

再び市電に乗車して街中を徘徊する。路面電車が持つ独特の雰囲気が実にいい。街と人々の暮らしに密着しつつ、バスとは異なったリズム感が何とも言えない。新旧さまざまな車両に乗ったが、年季の入った古いものはやはり味わい深い。

【使用機材】 fp , 28-45mm F1.8 DG DN | Art

「SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN | Art」の明るさを味わうべく、ブラブラと撮り歩きながら日が暮れるのを待った。公会堂や城本丸跡を「SIGMA fp」に収めつつ豊川に出る。川を見下ろす高台にあるベンチでは初々しい高校生カップルがデート中であった。その邪魔をしないように静かにシャッターを切るのであった。

【使用機材】 fp , 28-45mm F1.8 DG DN | Art

日没とともに空と川面がどんどんと色を変えていく。その美しいグラデーションをこの「SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN | Art」は余すところなく確実に捉えてくれた。

【使用機材】 fp , 28-45mm F1.8 DG DN | Art

残照に浮かび上がる吉田城鉄櫓。こういうシーンで明るいレンズは活躍してくれる。単焦点並みの開放値を持ちつつ、広角から標準域までカバーする「SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN | Art」は、風景からスナップ、ドキュメンタリーなどの撮影で大いに活躍するに違いない。

【使用機材】 fp , 28-45mm F1.8 DG DN | Art

魅惑のズーム全域F1.8を誇る「SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN | Art」。それを持って短時間ではあったが久しぶりに豊橋市内を撮り歩いた。実感したのはこの開放域での写りを味わうとクセになってしまう危険なレンズである、ということである。暑くなるこれからの季節、夜間のブラブラ撮影がググッと捗りそうだ。

吉田城鉄櫓

使用機材

レンズ交換式カメラ

スチルレンズ

28-45mm F1.8 DG DN | Art

三井公一

フォトグラファー

1966年神奈川県生まれ。新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。

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