新レンズ2本を試しにブラブラ

シグブラ｜第267回

三井公一「シグブラ」

February 27, 2024

【使用機材】 fp , 500mm F5.6 DG DN OS | Sports

シグマから「CP+ 2024」直前に新レンズが発表された。「SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports」と「SIGMA 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art」の2本だ。会場で実際の製品を手にしたシグマユーザーもいることだろう。どちらのレンズもシグマらしいユニークなものになっている。発表前に両レンズを「SIGMA fp」に装着してあちこちを撮り歩いてみたが、写りも使用感もバツグンであった。今回はそれらの写真をご紹介したい。

腰越駅から江ノ島駅に向けて走行中の江ノ電を「SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports」で狙った。カメラは「SIGMA fp」だ。世界最小最軽量のフルサイズミラーレスカメラに装着しても、レンズ自体が軽いためバランスも良好。遠くからフレーム一杯になるまで追従撮影してもラクラクである。オートフォーカスも高速かつ正確でストレスを感じさせない。

【使用機材】 fp , 500mm F5.6 DG DN OS | Sports

港に停泊する漁船群を三浦半島をバックに。この日は快晴で空気の揺らぎが発生しているが、ヌケ感とコントラストもよく、大楠山の峰もよくわかる。「SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports」とほぼ同じサイズ感でこの遠景が撮れるのは魅力である。

【使用機材】 fp , 500mm F5.6 DG DN OS | Sports

片瀬西浜の白灯台から片瀬漁港のクルーザーをたぐり寄せてみた。500mmという非日常の遠近感は実に魅力的。船のディテールもしっかりと写しとっており、発色もいい感じ。気軽なブラブラ撮影でこのような迫力あるカットを撮影できるのが驚きだ。

【使用機材】 fp , 500mm F5.6 DG DN OS | Sports

同じ場所から反対側の江の島・岩屋を狙う。大黒の鼻にいる釣り人と観光客の性別が分かるほどだ。水平線の描写が興味深い。

【使用機材】 fp , 500mm F5.6 DG DN OS | Sports

浜に集う人たちの食べ物を狙う、江の島名物「トビ」。その休憩中の様子を「SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports」でシャープに捉えた。羽毛の描写、瞳に映る太陽、顎下の毛が印象的に撮影できた。このレンズはLマウント専用テレコンバーター「SIGMA TELE CONVERTER TC-1411 / TC-2011」対応なので生き物の撮影などで活躍が期待される。

【使用機材】 fp , 500mm F5.6 DG DN OS | Sports

雲に太陽が隠れようとする瞬間を狙った。「SIGMA 500mm F5.6 DG DN OS | Sports」は光学系を屈折レンズで構成することによって、回折光学素子に由来する独特のフレア・ゴーストの発生がない。なのでこのような逆光や点光源のシチュエーションでも自然な描写を楽しめるのがいいね。

【使用機材】 fp , 500mm F5.6 DG DN OS | Sports

さてここからは「SIGMA 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art」のカット。シグマファンならおなじみのシグマ黒川新社屋にある「レンズセラー」でのカットだ。世界初35mmフルサイズ対応F1.4対角魚眼レンズは、その静謐な空間を余すところなくフレームにとじ込んだ。どの製品か判別できるほどである。

【使用機材】 fp , 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art

対角魚眼レンズは主に星景撮影をターゲットに作られているが風景や建築物の撮影でも有効だ。工事現場と子どもたちが書いた絵を入れ込んで、迫力のあるカットを手にすることができた。隅々まで実にシャープで気持ちがいい。

【使用機材】 fp , 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art

対角魚眼レンズでありながら開放値がF1.4というのがありがたいシーンも多いはず。星景だけでなく室内でも大いに役立つ明るさだと言えよう。薄暗い古民家の水回りも遠近感を活かしたフレーミングで撮影できた。

【使用機材】 fp , 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art

また開放F1.4ならば15mmでも背景ボケを使った表現も可能だ。囲炉裏にかかる鍋のフチにフォーカスして、室内をアウトオブフォーカスしてみた。そのボケ味もスムーズで美しい。

【使用機材】 fp , 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art

チョイ絞りでシャッターを切ればさらに写りバツグン！歴史を感じさせるひな壇も厳かかつ鮮やかにキャプチャーすることができた。そういえばそろそろ桃の節句ですね。

【使用機材】 fp , 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art

というわけでシグマの意欲的な新レンズ2本を発表前に試してみた。ブラブラ撮影でも携行できるサイズ感で、表現の目的によっては大いに役立つレンズとなっている。2本とも写りはもちろんのこと、ビルドクオリティも素晴らしく使っていて楽しくなってくるほどであった。ぜひ入手してシグブラしてみて欲しい。

腰越駅

使用機材

レンズ交換式カメラ

スチルレンズ

15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art

500mm F5.6 DG DN OS | Sports

三井公一

フォトグラファー

1966年神奈川県生まれ。新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。

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