蝋梅（ロウバイ）咲く飯山へ / To Iiyama where wintersweet blooms

押本龍一「私の出会う光景」｜第338回

押本龍一「私の出会う光景」

February 21, 2024

丹沢大山国定公園の東の外に位置する「飯山ロウバイの丘」は、東屋もある一息付くには良い場所だった。私は、大口径望遠ズームレンズの圧縮効果とボケ効果を活かし、約1,000本の蝋梅の木が植えられている蝋梅の丘を切り取った。

【使用機材】 fp L , 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports

蝋梅が咲き、山歩きも出来る所を探し、神奈川県厚木市飯山にある「飯山ロウバイの丘」を見つけ、2月の第2土曜日に車で向かった。蝋梅の咲く丘に近い「飯山白山森林公園駐車場」へは朝7時に到着した。ハイキングシューズを履きカメラリュックを背負い、何処へ向かって歩き出そうかグーグル・マップを見ていると、高齢の男性が歩いて来たので蝋梅の咲く場所を尋ねた。「ロウバイの丘」は駐車場の横にある「桜の広場」から東へ伸びる小道を150mほど歩いた先にあり、簡単に行き着けたが、駐車場にサインはないので自力だと少し回り道をしたかもしれない。

蝋梅は中国原産の落葉低木で、花が蝋細工のようなコーティングをしているように見えることから「蝋」という字が使われ、梅と同時期に開花するので「梅」という字が使われているとされるのが一般的な説だが、梅はバラ科で蝋梅はロウバイ科で全く別の植物。花言葉の「奥ゆかしさ」「慈しみ」「慈愛」は、うつむいて咲く花の様子に因み、「先導」や「先見」は、厳しい冬でもいち早く開花する特徴に由来する。

ロウバイの丘に到着時は届いてはいなかった朝陽が差し始め、花がテカり、蝋細工のようなコーティングをしているように見えた。

【使用機材】 fp L , 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

太陽が雲に隠れて直射日光陽が当たらない時は薄っすらとした黄色に見えた。三脚使用。

【使用機材】 fp L , 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

ピークを過ぎても味わいがあった花。流れがはやかった白い雲を背景に撮影。使用した中望遠マクロレンズはさほど寄らなくても美しいボケが得られるのが有り難い。

【使用機材】 fp L , 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

「ロウバイの丘」は早朝だったこともあり、出会ったのは若い男性一人と山登りの格好をした一組の老夫婦だけだった。私は熊野神社に立ち寄って写真を撮った後、駐車場に戻り花のアップの撮影に使用した三脚を車に置き、駐車場の西にある長谷寺（ちょうこくじ）の立派な境内へ通り、白山へ登り始めた。長谷寺は、高野山真言宗の寺院。山号は飯上山。本尊は十一面観世音菩薩。飯山観音とも称される。坂東三十三観音霊場第6番札所、東国花の寺百ヶ寺神奈川6番札所。坂東三十三観音とは鎌倉時代初期に開設され、札所は鎌倉を出発地に、関東7県（神奈川県・埼玉県・東京都・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県）各地に点在し、33か所、道程約1300kmの札所がある。

「飯山白山森林公園駐車場」と「飯山ロウバイの丘」の間に鎮座する熊野神社。

【使用機材】 fp L , 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary

長谷寺の境内を通り抜けた本殿裏には幾つも観音様が祀られている。左へ行けば女坂。私は右の男坂から白山へ登った。

【使用機材】 fp L , 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports

男坂を5分ほど登った地点にブナ科のウラジロガシという立派な大木が生息している。

【使用機材】 fp L , 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary

かなり急な登りもある男坂を、親子が私を追い越して行った。

【使用機材】 fp L , 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports

標高284mの白山展望台から江ノ島が見えた。

【使用機材】 fp L , 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports

女坂を下り始めて見上げると道標が陽光に光っていた。

【使用機材】 fp L , 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports

女坂の最後の方は小鮎川(こあゆがわ)に注ぐ沢沿いを歩く。

【使用機材】 fp L , 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports

女坂を下りて長谷寺の境内へ戻り、登る前には見なかった煙が「常香炉」から舞い上がる光景を切り取る。

【使用機材】 fp L , 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports

蝋梅はピークを過ぎていたが、訪問者も少なくのんびりと撮影が出来て満足だった。ハイキングに関しては、男坂から登って出た尾根から北にある白山神社に立ち寄らなかったことが悔やまれた。

厚木市の観光協会によると、白山ハイキングコースは「ロウバイの丘」の東からスタートし、白山の北にある桜山を経由して男坂を下るのが正式なコースようだ。このコースは桜が咲く時季が良さそうなので、次回は桜を見ながら散策してみたい。

飯山ローバイ(蝋梅)の丘

撮影風景と機材

カメラは一台のSIGMA fp L。レンズは広角ズーム 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary、大口径望遠ズーム70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports、105mm F2.8 DG DN MACRO | Artのマクロレンズの3本。冬場はヒルの心配はないが、念のためヤマビルファイターを持参した。

使用機材

レンズ交換式カメラ

fp L

スチルレンズ

16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary

70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports

105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

押本龍一

フォトグラファー

東京品川生まれ。1982年留学予定で渡米。1984年ニューヨークへ渡り広告写真スタジオで働き始める。1991年フォトグラファーとして独立。1995年ニューヨークからロサンゼルスへ移動。2018年より日本を拠点にし現在に至る。

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