第286回
グランド・ティートン国立公園 / Grand Teton National Park
November 17, 2021
ワイオミング州西部に位置するグランド・ティートン国立公園内のモルモンロウ歴史地区(The Mormon Row Historic District)は、1900年代初頭の入植者(主にモルモン教徒)によって建てられた建物が保護されている。秋の早朝、納屋の存在感を強調し、雄大なティートン山脈を主張し過ぎない背景に写すため、撮影位置を求めて草原を歩き回った。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
1953年公開の西部劇映画シェーン(Shane)は、かなり前にテレビで観た。少年のジョーイが、馬にまたがり山に向かって去ってゆくシェーンに「Shane, come back!」と叫ぶラストシーンは映画音楽と共に記憶に残っていた。そして、この映画の撮影地であるグランド・ティートン国立公園へ急に行きたくなり、21年ぶりに訪ねてみた。
同行した友人は映画好きで、私が西部劇映画シェーンに影響されていることを知ると、公園に向かう車の中でヴィクター・ヤング作曲の映画音楽を流した。公園に到着して最初に向かったのは、まだ残されている映画の撮影に使われたキャビンだった。
映画では僅かな時間しか登場しないキャビンだが感動した。
ティートン山脈が霞んで見えたのは少し残念だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
キャビンの窓越しに霞んでいたティートン山脈にフォーカスした。
公園としてはキャビンを保護してゆく方針はなく廃墟として扱っている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art
湖面標高2,064mのジャクソン・レイクで水に浸かるカップルがいた。この湖は大きな氷河で削られた残骸で、もともと自然湖だが、1911年に建設され1989年までに再建されたダムによって拡大され、長さは最大24km、幅は11km、深さは134mの大きな高地湖だ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
訪問客が増え続ける公園内での宿泊は初めから計画せず、公園内のジャクソンホール空港から東へ90km走った高原地帯にあるロッジの小さなキャビンに二泊した。そのお陰で公園外にも素晴らしい景色があることを知った。
公園の東の高原地帯の牧場。二頭の馬がカメラを構える私に気がついた。
秋の午後のカラーモードはティールアンドオレンジを選択。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
宿泊したロッジ手前で見かけたノース・ブレッカーシア・クリフス(North Breccia Cliffs)が夕方の光に染まっていた。地元の人によると国立公園内にはない地形があるそうなので、機会があればこの地域は散策したい。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art
初日の夜、キャビンから外へ出てみると満天の星だった。星景写真の定番、SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Artでロッジの母屋を入れ天の川にレンズを向け、かなり冷え込んでいたが撮影後もしばらく空を眺めた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
二日目朝、朝陽が草原を染めた。雲が少し出ていたが、アザミ越しにティートン山脈にフォーカスした。この写真もカラーモードはティールアンドオレンジがベストチョイスだった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F2 DG DN | Contemporary
草原にプロングホーンの家族を見かけた。ワイルドなアメリカンウエストには超望遠レンズは欠かせない。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
朝陽がスポットライトとなり、ティートン山脈の最高峰グランド・ティートン(標高4,197 m)を照らし出し、ジャクソンホールと呼ばれる海抜平均約2,000mの地溝谷は暗いドラマチックな光景だった。光と影の世界をモノクロームにして調色はセピアを選択。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
公園を離れる三日目の朝、川沿いでムース(moose)を見かけ、ズームリングのトルク(回転の重み)をS(スムース)にし、ムースの動きに合わせて移動しながら撮影した。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
最終日の朝はティートン山脈が雲に覆われてしまい、天気は下り坂だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
二日半滞在したグランド・ティートン国立公園とその周辺をシームレスなSIGMA fp Lと5本のレンズで快適に動画撮影した。
近年、グランド・ティートン国立公園の人気は高まっていて、公園内の宿泊施設に泊まるなら早目の予約が必要だ。タイトル写真に撮影したモルモンロウ歴史地区には陽が昇ると観光客が次々と押し寄せていた。今回の旅は、監督ジョージ・スティーヴンス、主演アラン・ラッドの西部劇映画シェーンのロケ地を見たい気持ちが強く公園中心の行動で良かったが、ワイオミング州は公園の外にも素晴らしい景色が沢山あるから、公園の外をメインに散策するのも良い選択だと感じた。