第173回
昔のFoveonブラブラを
ティールアンドオレンジに
April 09, 2020
【使用機材】 SIGMA dp2 Quattro
SIGMA fpが人気を博している。皆さんご存じのとおり、シグマらしくない小型軽量さと高感度に強いところ、そして素晴らしい描写とで多くの新規ファンを獲得しているのだ。また新しいカラーモード「ティールアンドオレンジ」の評判がすこぶるよく、シネマルックな色を手軽に味わえるのも大きな理由でもある。ハリウッド仕込みの発色は、あらゆるシーンをドラマチックに見せてくれるので頷ける。
その独特なカラーモードが、4月23日(木)にリリース予定の「SIGMA Photo Pro」6.7.3と、sd / dp Quattroシリーズ用の新ファームウェアで、ついに「Foveon Quattro」センサーでも味わえるようになる。素晴らしいではないか!そこで過去に「SIGMA dp Quattro」シリーズで撮影したカットを、テストバージョンの「SIGMA Photo Pro」6.7.3で現像してみた。「Foveon Quattro」センサーの解像感あふれる描写が、「ティールアンドオレンジ」でディスプレイに美しく踊った。堪らないね。
外出できないこのご時世、過去に撮影した「Foveon Quattro」センサーの写真を「ティールアンドオレンジ」で現像するのがオススメである。
ネコの島・田代島。ネコたちが路上でくつろいでいるところに、カラスがちょっかいを出しに舞い降りた。寝転んでいたネコたちが一斉に反応したところをSIGMA dp0 Quattroで撮った1枚。「ティールアンドオレンジ」で当時の印象がノスタルジックに蘇った。
【使用機材】 SIGMA dp0 Quattro
八ヶ岳・硫黄岳付近から蓼科山方面を振り返ったカット。登山に「Foveon Quattro」センサーは最高の組み合わせだ。特にSIGMA dp0 Quattroの超広角レンズと解像感は麻薬である。森林限界を越えた岩のディテール、その手前に生える木々の緻密な再現力がスゴい。遠くの冠雪したアルプスも確認できる。「ティールアンドオレンジ」の雰囲気がピッタリだ。
【使用機材】 SIGMA dp0 Quattro
雨上がりの京都・南禅寺。有名な水路閣のカットだ。レンガのディテール、立体感が素晴らしい。SIGMA dp1 Quattroの描写と、使いやすい画角は旅に最適である。「ティールアンドオレンジ」で湿り気を帯びた情感を再現できた。
【使用機材】 SIGMA dp1 Quattro
「Foveon物件」を新宿の飲み屋街で撮った。木製ドアのザラザラとした感じ、剥げ落ちかけている壁の塗装、何かを止めていたであろう錆びた画鋲、そして乱暴に塗られたペイント。そのハーモニーを「ティールアンドオレンジ」で再現した。カメラはSIGMA dp2 Quattro。
【使用機材】 SIGMA dp2 Quattro
代官山で行われたシグマのイベント中に撮ったカット。木漏れ日がスポットライトのように金属製のポールに降り注いでいる。キラリと光るそれと背景の色とのバランスが気に入ってSIGMA dp2 Quattroのシャッターを切った。「ティールアンドオレンジ」が似合うシーンだ。
【使用機材】SIGMA dp2 Quattro
葉山・森戸神社の鳥居をSIGMA dp3 Quattroで。このカメラは一番のお気に入りだ。距離感といい、解像感といい最高の1台である。そのお気に入りで、磯越しに光を浴びる鳥居を狙った。その場で感じた印象を「ティールアンドオレンジ」でドラマチックに仕上げることができた。
【使用機材】 SIGMA dp3 Quattro
奥多摩にある廃校。黒板には懐かしい黒板消しとチョークが並ぶ。「ティールアンドオレンジ」はシネマルックにそのシーンを表現してくれた。チョークの粉ひとつひとつがわかるような描写は「Foveon」ならではのもの。SIGMA dp3 Quattroの優秀なレンズも素晴らしいね。
【使用機材】 SIGMA dp3 Quattro
横浜・都橋。SIGMA dp3 Quattroでのカット。これは飲み屋が入った建物だ。写っている全てが「Foveon物件」である。しかし「Foveon Quattro」センサーの描写には驚かされる。組まれたレンガのリアル感、フジツボの立体感といい、窓辺に立てかけられたメニューの文字さえ読めそうである。またこれに「ティールアンドオレンジ」が超絶マッチするではないか。
【使用機材】 SIGMA dp3 Quattro
さて、しばらくブラブラと撮り歩くことができそうにない情勢だが、新「SIGMA Photo Pro」で昔の写真を振り返って「ティールアンドオレンジ」に現像するのもオツなものである。皆さん、どうかご無事で!